可憐な花部分に銀モール糸が使用された、赤地草花文様の出帛紗です。19世紀のインドの絹織物で仕立てられております。地の赤色は青みが感じられる色をしており、濃い赤紅の深い色目がとても美しいです。実際の裂地の色がなかなか写真で再現できず、御覧になりにくくて恐縮ですが、実物はとても品のよい素敵な地色です。手触りもなめらかでしっとりとしております。経年の使用からか、またはもともとの裂の状態であったのか、草花部分には一部摩耗のみられる箇所がございますが、古いものの特徴として自然な景色となっており好ましいです。裂地のコンディションは良好で実用できます。
こちらの出帛紗は今に仕立てられたものではなく、製作されてから時代を経た作品と思います。作品全体から受ける印象が、古い裂を使い近年に仕立てられたものとは異なる落ち着きがあり、また、使用されている縫糸は古い絹の撚り糸で時代感があります。一部縫目のほころんでいる部分がございますので、こちらはかがってあげて下さいませ。こちらがうぶで現れた作品になるため、当店では手を入れずにお届けをさせていただきます。中身と離れてしまったようで箱は付いておりませんが、草花文様の大きさ(1,9㎝×1,4㎝)も日本人好みで魅力があり、前の所有者が大切に取り扱ってきたことが伝わってくる出帛紗です。渡り裂等を鑑賞する視点で、茶の湯の裂のコレクションとしても華やかで愉しい一点です。お好みの箱に収めていただき、末長く愛玩していただけましたら幸いです。
表側の全体です。こちらの写真では赤色の色彩がつよくでておりますが、実物は美しい赤紅色です。
表の中央部分です。
表の右上です。
表 右下です。
表 左上です。
表 左下です。
裏の全体写真です。こちらも表側の写真と同じく、赤色の色彩がつよくでておりますが、実物は深い赤紅色になります。
裏 右上です。
裏 右下です。
裏 左上です。
裏 左下です。
とても美しい出帛紗です。実物の裂はこちらの写真の色目にもっと赤色が濃く加わっております。