古裂古美術 蓮

Kogire Kobijyutsu Ren

  • 「古裂古美術 蓮」は日本の江戸時代の古裂を中心に、趣のある古い染織品を扱います。

     

    蓮では、天然の植物染料で染められた「色」に着目して裂を探してきました。
    時代の感性を反映した古裂に見られる、深く奥行きのある色調は、それぞれの気候風土に育まれた植物たちの息吹であり、その時代特有の個性です。
    天然の染料で展開された染織品には、様々な色合いの静かで美しい、色彩の世界が広がっています。

     

    人間を護り、人々の衣生活と心に華やぎをあたえ、愛玩する道具を包む染織品。
    長い歴史に於いて繊維品はとても貴重なものであったため、衣服に仕立てられたものもやがては引き解かれて転用を重ね、消耗され、しだいに小片へと姿を変えながら、遠く今日まで遺されてきました。
    小さなかけらとなって出現するひとひらの裂には、糸味も染め色も渋く冴えた、時代の気分を纏った魅力的なものが多いようです。
    たとえわずかな断片裂であっても、そこには庶民や都びとの、寺院や異国の、様々な階層を超えてその時代に等しく漂う独特の空気感、心に響く自然界からの色彩と染織の調和が健やかに表現されており、工芸の美しさ、奥深さが掌にも感じられます。
    古い糸からの伝言に気付き、ひとひらの輝きを伝えてゆければと願っています。

     

    お気に入りの盃を包む、味な古裂も見つけていきます。
    折々に、愉しい染織品をご紹介できましたら幸いです。

    古裂古美術 蓮
    田部浩子

  • Kogire Kobijyutsu Ren handles quaint Japanese antique textiles mainly from Edo period (1603-1868).
    Ren specializes in textiles featuring unique colors that derive from natural dyes. The old fabric reflect the ambiance of the era they are from. Each piece of cloth has a unique color spectrum. Those colors are “breath of plants”nurtured in various climates and the natural environment. They uniquely represent their time period. These naturally dyed fabrics open a calm yet beautiful world of delicate colors.

     

    Textiles were used not only to protect people but they also gave cheer and energy to people’s lives and mind. Textiles were also used as wrapping cloths to protect cherished tea ceremony equipment. Historically, since fiber materials were very precious, they were sometimes taken apart from their original shape such as kimono given different purposes like small bags, became smaller and smaller, and finally became the fabric pieces that were passed on and still remain today.

     

    Naturally dyed old textiles that we find today as small fragments often are very attractive and bring about the ambiance of the era they came from. The texture of the thread is distinctive and the natural dye used profound and transparent. No matter how small the fragments are, they all have unique sense of each time period: be it a temple, exotic foreign countries, ordinary people’s and upper class people’s lives, regardless of the hierarchy and its origin, the fragments all have common ambiance from the time period they are from.

     

    Each small piece of fabric has its own harmony of natural colors and craftsmanship that resonates with people’s heart. These are expressed peacefully in each tiny fragment of fabric. Even our palm can feel the profound beauty of its craftsmanship. By listening to the message from each thread, as a messenger, I hope to pass the aesthetic radiance of what has now changed its shape and become a rich, vibrant, antique piece of fabric on to the next era.

     

    Kogire Kobijyutsu Ren

    Hiroko Tabe 

主な取扱商品 Main Items

 
江戸時代とその周辺の染織品、仕覆裂、仕覆裏裂、表具裂、包み裂、渡り裂、
趣味の古裂、古い時代の組紐、etc.
その他、季節を愉しむための暮らしの道具も、少しずつ入荷します。
お気軽にお問合せ下さいませ。
 
Japanese antique textile from and around Edo period(1603-1868),
Shifuku Fabrics, Shifuku Lining, Fabric Piece used for Hanging Scroll, Wrapping Cloth, Watari-Kire, Indian Sarasa, etc.
Some other miscellaneous antique items for enjoying the changes in the seasons are also available.
 

参考画像 :

商品紹介 Lineups

蓮の道草 Ren no Michikusa

折々に、気ままな散文を記しています。
From time to time, Ren uploads some free style writing.

#72 雨降り朝顔  #71 時間という、目の前に来た舟に乗って
-移転のお知らせに想うこと- 
#70 2022年 除夜 

Archives

#69 横須賀美術館「スカジャン展」へ  #68 小湊鉄道  #67 残暑御見舞い申し上げます  #66 -沖縄が湛える-  #65 出張の記  #64 山種美術館特別展 上村松園・松篁
   -美人画と花鳥画の世界- によせて 
#63 除夜の日に  #62 「単色の美」「文様の美」無事に終了いたしました  #61 明恵上人と白のこと  #60 古裂の場所から洋服を想う  #59 二月と逗子なぎさホテルのこと  #58 秋のMIHO MUSEUMへ  #57 今年前半を想う  #56 「雪」という名の朝顔  #55 七曜文のある断片裂  #54 おからを炒る日  #53 今年の端午の節句のこと  #52 トレンチコートとデヴィッド・ボウイと辻が花  #51 春を待つ  #50 海へ!  #49 美しい日  #48 共立女子大学「染織品保存修復実習」の授業に参加させていただいて  #47 夏休みのゆくえ2  #46 「濃茶地草花文紋章刺繍裂」の作品について  #45 昔の風景  #44 二月の終わりに  #43 初雪  #42 鐘の音  #41 『暮しの手帖』4世紀95号 「ひきだし」 後記にかえて  #40 横須賀美術館 谷内六郎〈週刊新潮 表紙絵〉展へ  #39 節分が過ぎて  #38 今日は大晦日  #37 「山へ! to the mountains 展 」に行って  #36 布を「たつ」ということ  #35 二月がゆく  #34 節分の籠と辻に捨てられた豆の話 ― 後編  #33 節分の籠と辻に捨てられた豆の話 ― 前編  #32 ことほぐ Ⅱ  #31 今年も暮れゆく  #30 裂のほとりで  #29 続・はるか昔の洗濯もよう  #28 はるか昔の洗濯もよう  #27 師走まえのつぶやきいくつか  #26 夏休みのゆくえ  #25 蝉の聲  #24 天は海  #23 「信貴山縁起絵巻」によせて – 後編  #22 「信貴山縁起絵巻」によせて – 前編  #21 菖蒲酒と「女の家」  #20 水ぬるむ  #19 『熈代勝覧(きだいしょうらん)』と雛のこと  #18 二月の話  #17 季節と江戸時代の振り売り  #16 ことほぐ  #15 ゆく年  #14 フユ  #13 アキ  #12 ナツ  #11 ユリ  #10 植物の種と服飾品  #9 裁縫と“をさな”と“おとな”  - vol.4 #8 裁縫と“をさな”と“おとな”  - vol.3 #7 裁縫と“をさな”と“おとな”  - vol.2 #6 裁縫と“をさな”と“おとな”  - vol.1 #5 ハル  #4 縫い糸のこと  #3 少しだけ、草木のこと  - vol.2 #2 少しだけ、草木のこと  - vol.1 #1 組紐のこと 

お知らせ Information

 

 

麻藍地馬に将棋駒文様打敷
江戸時代 18-19世紀

 

 

— 移転のお知らせ —

 

いつも古裂を御覧下さいまして誠にありがとうございます。

 

古裂古美術 蓮は現在の店舗の営業が10年となりました。契約終了に伴い、この度店舗を移転いたします。移転先は、今の店のお隣のビルの3Fです。

 

現在の店は古いビルのささやかな空間で、隠れ部屋のような場所がとても気に入っておりました。お客様には手狭でご面倒をおかけいたしましたが、この空間での10年を御支援いただき、古裂を探しに御来店いただけましたこと、心から感謝申し上げます。

 

移転先が先月後半に決まったため、お知らせが遅くなり大変申し訳ございません。これから夏にかけまして引越し作業に入ることから、現在の店舗は6月14日をもって閉店させていただくことになりました。新店舗の詳細と開店の日程につきましては、あらためてお知らせいたします。移転期間中はご不便をおかけいたしますが、お探しの裂がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせ下さいませ。普段通り裂のご相談とお渡しができますよう、ご対応させていただきたいと思います。

 

移転先は現在の店舗ビルと同じく、昭和の古いビルになります。裂を御覧いただくのにこれまでよりも見やすい広さになり、二方向の窓からの自然光で色味もご確認いただけます。今後は御予約を頂かなくても御来店いただける形を整えてゆきたく、また、店舗での企画展も予定しております。蓮は1993年に東京・駒場東大前にて開店し、今年は30周年となります。その節目の年に、契約終了の区切りから新開店の運びとなりますが、これからも自分なりに古裂と色彩の世界を皆様にご紹介させていただけますよう、心を入れて精進してまいります。
今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

* * * * *

 

 

5月の開店日

 

2日(火) 3日(水・祝)
9日(火) 13日(土)
18日(木) 19日(金)
26日(金) 27日(土)
30日(火)

 

 

6月の開店日

 

2日(金) 3日(土)
6日(火) 8日(木) 9日(金)
12日(月) 13日(火) 14日(水)

 

御来店は完全ご予約制とさせていただいております。
ご予約やお問い合わせはお気軽にご連絡下さい。

仕入れ・出張の都合により、やむを得ず開店日が変更になることもございます。

 

新型コロナウィルス感染拡大防止のため、御来店にはマスクの着用(できましたら不織布マスク)と手指の消毒をお願いいたします。

 

商品のお問い合わせ等は InstagramのDM、お電話またはメールにてお気軽にご連絡下さい。
通信販売も承っております。

 

 

*  *  *   

 

Diary ゆっくりですが折々に更新してまいります。

 

 

Diary

  • 「蓮の道草72」をアップいたしました

     

     

    雨降り朝顔

     

    「蓮の道草72」をアップいたしました。
    雨降り朝顔、懐かしい花の名です。
    お暇なときにでも御笑覧ください。

     

     

     

     

  • 「蓮の道草71」をアップいたしました

     

     

    錦裂断片 部分 江戸時代 19世紀

     

    「蓮の道草71」をアップいたしました。

     

    時間という、目の前に来た舟に乗って  -移転のお知らせに想うこと-

     

    お暇なときにでも、よろしければ御笑覧下さい。

     

     

     

     

  • 皐月 五月

     

     

    麻藍地馬に将棋駒文様打敷
    江戸時代 18-19世紀

     

    五月になりました。
    木々の緑がいよいよ濃く深くなり、明日はもう端午の節句です。うちでは花菖蒲二本を求めてきて、鎬のある硝子にすっきりと入れました。品の良い紫色の、花菖蒲の細くてモダンな姿は、きっとアール・デコ調の部屋にも似合うのではなどと思いながら。
    開花しているもの一本、膨らんだ蕾のもの一本。蕾のほうは水揚げをすると案外すぐに咲きはじめ、室内で仕事をしていたので、開花してゆくその経過を愉しみました。仕事の手を止めて、目を移すと、気が付くともうここまで咲いている。そんなふうなことです。それは地球が自転していることを感じ取るような、とても静かな良い時間です。遠くの空からヘリコプターの音も、鳥の聲も耳に届いて聞こえてきます。
    お花屋さんでは菖蒲の葉も忘れずに包んでもらいました。この頃はそこに蓬を添えてくれるようなお店もなくなったことをふと思いながら、帰り道は今年の後半へと想いを馳せました。またお知らせをさせていただくことも出てくるかと思います。

     

    画像は子供の麻の祝い着から打敷にしたものと思われます。跳ねる馬に流鏑馬を思い、五月の扉にしたいと思います。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

Archives

 

 

 

小冊子『裂のほとり』のご紹介  

 

 

『25th Anniversary 裂のほとり』

 

これまでに発行の小冊子『裂のほとり』につきましては、スクロールしたところの 小冊子『裂のほとり』のご紹介▼ をクリック下さい。

 

 

 

 

 

  • 小冊子『裂のほとり』のご紹介

    *古裂古美術 蓮 発行の小冊子は現在3冊です。

    *ご注文についての詳細は、このページをスクロールしたところにございます。

     

     

     

     

    小冊子『裂のほとり』 
    2017年11月15日発行

     

    『裂のほとり』

     

    蓮は2017年の秋に24周年を迎えました。年月を記念して、古裂に関わるささやかな冊子を初めて編みました。古い裂の傍にいることを「裂のほとり」と表現させていただき、冊子のタイトルにいたしました。古いものと関わる仕事の中で、私はこの言葉を傍に置きたいと思っております。今に遺された古裂たちの独特な美しさ、その愉しい世界を、少しでもお伝えできましたら幸いです。
    A5横サイズ、カラー20ページ、税込価格500円です。よろしければ御笑覧下さいませ。 

     

    『裂のほとり』もくじ  
    まえがき / 地蔵菩薩 / ひとつの色 / たとう紙の更紗 / 縞と格子の絹織物 /
    嶋かいきによせて / 沖縄が湛える / 理想の休日 / あとがき

     

     

     

     

    『裂のほとり』より

     

     

     

     

     

    小冊子『25th Anniversary 裂のほとり』

    2018年10月1日発行

     

    『25th Anniversary 裂のほとり』

     

    蓮は1993年の秋に東京・駒場にて小さな店を出発させてから、2018年10月にお蔭様で25周年を迎えました。これまで支えて下さいました皆様に、心より深く感謝いたしております。 25周年記念とともに、日本に伝え遺された染織品の存在を、ひとりでも多くの方に知っていただきたいとの想いから、2017年発行の小冊子に引き続き、あらたに『25th Anniversary 裂のほとり』を編みました。
    A5横サイズ、カラー20ページ、税込価格500円にて販売しております。よろしければ御笑覧下さいませ。

     

    『25th Anniversary 裂のほとり』もくじ  
    まえがき / 鴛鴦丸文様二陪織物の鏡入れ / 法華経断簡の表具裂 / 室町時代の繊維と糸 / 渡り裂断片各種 / 越後縮の米袋 / 単色無地の絹と紬 / 沖縄 久米島紬断片 / 絞り染めの小さな袋 / 紅地輪宝文金襴断片 / 吹き寄せ / 『鳥獣戯画』の萩 / 私の原点 / あとがき />

     

     

     

    「絞り染めの小さな袋」

    「私の原点」

     

     

     

     

     

    小冊子『裂のほとりⅣ -名古屋 月日荘にて-』 

    2019年3月25日発行

     

    小冊子『裂のほとりⅣ -名古屋 月日荘にて-』

     

    2019年3月に開催の名古屋・月日荘さんにての展示会に寄せて、ささやかな小冊子を編みました。 今はデジタルの時代ですが、紙と写真の形で、この度の展示会の時間を記憶したいと思います。展示会終了後も、ページをめくることで古裂を味わい、愉しんでいただけましたら幸いです。選んだ古裂の写真に小文を添えています。

    小冊子は文庫本サイズの105×148cm、カラー36ページ(表紙の能装束唐織断片裂を含め写真は30カットです)、税込価格500円です。

     

     

     

    小冊子『裂のほとりⅣ -名古屋 月日荘にて-』より

     

     

    木綿花色地桜梅に流水文紅型裂 19世紀

    ヨーロッパ更紗・インド更紗・嶋海黄 19世紀

    山村の地図 江戸時代

     

     

    【ご注文につきまして】

     

    ご注文はメールにて承ります。
    お手数でございますが、その際にご希望の『裂のほとり』のタイトルと冊数、ご送付先ご住所とご氏名、念のため、ご連絡先お電話番号をお知らせ下さいませ。折り返し当店の振込先等の詳細をご連絡させていただきます。

     

    【送料】
    ご発送はスマートレター(180円)にてお送りさせていただきます。
    1冊をご希望の場合、 小冊子代500円と送料180円の合計680円の御振り込みをお願いいたします。御振り込みの確認後にご発送させていただきます。 申し訳ございませんが御振り込み手数料はお客様ご負担にてお願いいたします。

     

    ご不明な点がございましたら、お気軽にお電話かメールにてお問い合わせ下さいませ。
    どうぞよろしくお願いいたします。

     

     
     

     

  • ポストカードのご紹介

     
    「糸」を中心にポストカードを作りました。
    1セット 5枚入 500円(税込)にて販売いたしております。
     

    【ご注文につきまして】

     

    ご注文はメールにて承ります。
    お手数でございますが、ご希望のセット数とご送付先ご住所とご氏名、念のため、ご連絡先お電話番号をお知らせ下さいませ。折り返し当店の振込先等の詳細をご連絡させていただきます。

     

    【送料】
    ご発送はスマートレター(180円)にてお送りさせていただきます。
    1セットをご希望の場合、 ポストカード代500円と送料180円の合計680円の御振り込みをお願いいたします。御振り込みの確認後にご発送させていただきます。 申し訳ございませんが御振り込み手数料はお客様ご負担にてお願いいたします。

     

    ご不明な点がございましたら、お気軽にお電話かメールにてお問い合わせ下さいませ。
    どうぞよろしくお願いいたします。

     

     
     
     

     

    古裂古美術 蓮
    03-6228-5318
     

ショップ Shop Information

古裂古美術 蓮

 

銀座の数寄屋橋にあります泰明小学校のすぐ近くです。
古裂を整えるアトリエを兼ねたこちらで商品をご覧いただけます。

 

〒104-0061

東京都中央区銀座6-3-17

悠玄ビル別館2F-B号室

 
Tel & Fax : 03-6228-5318

 
営業日:不定休
 
誠に恐縮ですが仕入れ等で不在の日も多いため、御来店の際は事前にご予約をいただけますようお願いいたします。
ご予約やお問い合わせは、どうぞお気軽にお電話またはメールにてご連絡下さいませ。
 

メールでのご予約・お問い合わせはこちら ▶

 
初めてお越しの際も、お気軽にお問い合わせ下さいませ。
ビルの入口が少々わかりづらいですので、ご案内いたします。
 
 
古いもの、お道具、古美術品、美術品、工芸品、絵画、書画などの整理ご処分のご相談をお受けいたします。お気軽にお問い合わせ下さいませ。
 

〒104-0061 東京都中央区銀座6-3-17 悠玄ビル別館2F-B号室

Tel & Fax : 03-6228-5318

古裂古美術 蓮 マップ
銀座線、丸の内線、銀座駅出口C2、C4から徒歩3分。  Tokyo Ginza