古裂古美術 蓮

Kogire Kobijyutsu Ren

  • 「古裂古美術 蓮」は日本の江戸時代の古裂を中心に、趣のある古い染織品を扱います。

     

    蓮では、天然の植物染料で染められた「色」に着目して裂を探してきました。
    時代の感性を反映した古裂に見られる、深く奥行きのある色調は、それぞれの気候風土に育まれた植物たちの息吹であり、その時代特有の個性です。
    天然の染料で展開された染織品には、様々な色合いの静かで美しい、色彩の世界が広がっています。

     

    人間を護り、人々の衣生活と心に華やぎをあたえ、愛玩する道具を包む染織品。
    長い歴史に於いて繊維品はとても貴重なものであったため、衣服に仕立てられたものもやがては引き解かれて転用を重ね、消耗され、しだいに小片へと姿を変えながら、遠く今日まで遺されてきました。
    小さなかけらとなって出現するひとひらの裂には、糸味も染め色も渋く冴えた、時代の気分を纏った魅力的なものが多いようです。
    たとえわずかな断片裂であっても、そこには庶民や都びとの、寺院や異国の、様々な階層を超えてその時代に等しく漂う独特の空気感、心に響く自然界からの色彩と染織の調和が健やかに表現されており、工芸の美しさ、奥深さが掌にも感じられます。
    古い糸からの伝言に気付き、ひとひらの輝きを伝えてゆければと願っています。

     

    お気に入りの盃を包む、味な古裂も見つけていきます。
    折々に、愉しい染織品をご紹介できましたら幸いです。

    古裂古美術 蓮
    田部浩子

  • Kogire Kobijutsu Ren handles quaint Japanese antique textiles mainly from Edo period (1603-1868).
    Ren specializes in textiles featuring unique colors that derive from natural dyes. The old fabric reflect the ambiance of the era they are from. Each piece of cloth has a unique color spectrum. Those colors are “breath of plants”nurtured in various climates and the natural environment. They uniquely represent their time period. These naturally dyed fabrics open a calm yet beautiful world of delicate colors.

     

    Textiles were used not only to protect people but they also gave cheer and energy to people’s lives and mind. Textiles were also used as wrapping cloths to protect cherished tea ceremony equipment. Historically, since fiber materials were very precious, they were sometimes taken apart from their original shape such as kimono given different purposes like small bags, became smaller and smaller, and finally became the fabric pieces that were passed on and still remain today.

     

    Naturally dyed old textiles that we find today as small fragments often are very attractive and bring about the ambiance of the era they came from. The texture of the thread is distinctive and the natural dye used profound and transparent. No matter how small the fragments are, they all have unique sense of each time period: be it a temple, exotic foreign countries, ordinary people’s and upper class people’s lives, regardless of the hierarchy and its origin, the fragments all have common ambiance from the time period they are from.

     

    Each small piece of fabric has its own harmony of natural colors and craftsmanship that resonates with people’s heart. These are expressed peacefully in each tiny fragment of fabric. Even our palm can feel the profound beauty of its craftsmanship. By listening to the message from each thread, as a messenger, I hope to pass the aesthetic radiance of what has now changed its shape and become a rich, vibrant, antique piece of fabric on to the next era.

     

    Kogire Kobijutsu Ren

    Hiroko Tabe 

主な取扱商品 Main Items

 
江戸時代とその周辺の染織品、仕覆裂、仕覆裏裂、表具裂、包み裂、渡り裂、
趣味の古裂、古い時代の組紐、etc.
その他、季節を愉しむための暮らしの道具も、少しずつ入荷します。
お気軽にお問合せ下さいませ。
 
Japanese antique textile from and around Edo period(1603-1868),
Shifuku Fabrics, Shifuku Lining, Fabric Piece used for Hanging Scroll, Wrapping Cloth, Watari-Kire, Indian Sarasa, etc.
Some other miscellaneous antique items for enjoying the changes in the seasons are also available.
 

参考画像 :

商品紹介 Lineups

蓮の道草 Ren no Michikusa

折々に、気ままな散文を記しています。
From time to time, Ren uploads some free style writing.

#77 除夜  #76 小湊鉄道の大銀杏 2023  #75 ソール・ライター財団 ご訪問下さいました
The Saul Leiter Foundation visited us.  

Archives

#74 生誕100年記念
ソール・ライターの原点 ニューヨークの色
100th Anniversary of SAUL LEITER’s birth: Origins in Color. 
#73 谷内こうたさんへ  #72 雨降り朝顔  #71 時間という、目の前に来た舟に乗って
-移転のお知らせに想うこと- 
#70 2022年 除夜  #69 横須賀美術館「スカジャン展」へ  #68 小湊鉄道  #67 残暑御見舞い申し上げます  #66 -沖縄が湛える-  #65 出張の記  #64 山種美術館特別展 上村松園・松篁
   -美人画と花鳥画の世界- によせて 
#63 除夜の日に  #62 「単色の美」「文様の美」無事に終了いたしました  #61 明恵上人と白のこと  #60 古裂の場所から洋服を想う  #59 二月と逗子なぎさホテルのこと  #58 秋のMIHO MUSEUMへ  #57 今年前半を想う  #56 「雪」という名の朝顔  #55 七曜文のある断片裂  #54 おからを炒る日  #53 今年の端午の節句のこと  #52 トレンチコートとデヴィッド・ボウイと辻が花  #51 春を待つ  #50 海へ!  #49 美しい日  #48 共立女子大学「染織品保存修復実習」の授業に参加させていただいて  #47 夏休みのゆくえ2  #46 「濃茶地草花文紋章刺繍裂」の作品について  #45 昔の風景  #44 二月の終わりに  #43 初雪  #42 鐘の音  #41 『暮しの手帖』4世紀95号 「ひきだし」 後記にかえて  #40 横須賀美術館 谷内六郎〈週刊新潮 表紙絵〉展へ  #39 節分が過ぎて  #38 今日は大晦日  #37 「山へ! to the mountains 展 」に行って  #36 布を「たつ」ということ  #35 二月がゆく  #34 節分の籠と辻に捨てられた豆の話 ― 後編  #33 節分の籠と辻に捨てられた豆の話 ― 前編  #32 ことほぐ Ⅱ  #31 今年も暮れゆく  #30 裂のほとりで  #29 続・はるか昔の洗濯もよう  #28 はるか昔の洗濯もよう  #27 師走まえのつぶやきいくつか  #26 夏休みのゆくえ  #25 蝉の聲  #24 天は海  #23 「信貴山縁起絵巻」によせて – 後編  #22 「信貴山縁起絵巻」によせて – 前編  #21 菖蒲酒と「女の家」  #20 水ぬるむ  #19 『熈代勝覧(きだいしょうらん)』と雛のこと  #18 二月の話  #17 季節と江戸時代の振り売り  #16 ことほぐ  #15 ゆく年  #14 フユ  #13 アキ  #12 ナツ  #11 ユリ  #10 植物の種と服飾品  #9 裁縫と“をさな”と“おとな”  - vol.4 #8 裁縫と“をさな”と“おとな”  - vol.3 #7 裁縫と“をさな”と“おとな”  - vol.2 #6 裁縫と“をさな”と“おとな”  - vol.1 #5 ハル  #4 縫い糸のこと  #3 少しだけ、草木のこと  - vol.2 #2 少しだけ、草木のこと  - vol.1 #1 組紐のこと 

お知らせ Information

 

 

11月開催 裂のほとりⅪ -表具裂展 2 -
表具裂各種 茶地蓮葉文様錦裂断片 室町時代、茶地小格子裂 江戸時代 など

 

いよいよ明日、開催いたします!

 

裂のほとりⅪ -表具裂展 2-

 

【会期】2024年

 

11月8日(金)11:00-18:00

11月9日(土)11:00-18:00

11月10日(日)11:00-17:00(最終日)

 

【会場】

店舗にて開催いたします。

 

★初日11月8日(金)のみ、午前9:30より整理券を配布させていただきます。ビル1階入口にて、お一人様一枚をお渡しさせていただきます。

 

★「展示会Exhibition」に整理券配布に関して等、開催に際した詳細を記しております。必ずご確認いただけますよう、お願い申し上げます。

 

古裂古美術 蓮

東京都中央区銀座 6-3-16

泰明ビル本館 3F 301号

03-6228-5318

地下鉄銀座線、丸の内線「銀座駅」出口C2, C4から徒歩3分

 

★道のご案内の詳細は、「Shop」ページ記載のものが一番わかりやすいかと思います。お手数ですが、こちらをご確認下さい。

 

★From Friday, November 8th to Sunday, November 10th, we will hold an exhibition “Kire no Hotori Ⅺ Hyogu Gire Exhibition 2” at our shop. For English, please take a look at the “Exhibition” tab on our website located under menu items.

 

 

 

 

 

緑地槌車に揚羽蝶文様型染裂と赤地二葉葵文様錦
 江戸時代 18-19世紀

 

 

赤地ペイズリー文様ヨーロッパ更紗 19世紀
茶地草花文様更紗 インド 19世紀

 

 

11月開催 裂のほとりⅪ -表具裂展 2 -
茶地雷文草花入り大太鼓文様唐織 江戸時代 18世紀

 

 

鹿尽くし文様緞子 明治-大正 19-20世紀

 

 

浅葱地栗銀杏楓文様小袖解き裂
江戸時代 19世紀

 

 

格子文錦裂その他 江戸時代 19世紀

 

 

★「表具裂展」では仕覆や仕覆裏裂、茶箱の内張り等にお使いいただける古裂も会場に多く並びます。仕覆関係の方々もどうぞお気軽に、ぜひお運び下さいませ。

 

★「展示会 Exhibition」を 11/3 更新いたしました。どうぞ御覧下さい。

 

★只今Instagramにて出品のご紹介をさせていただいております。画像もお楽しみいただけましたら幸いです。

 

 

【整理券配布につきまして】

 

■整理券は初日の11月8日(金)のみ、午前9:30より店舗のビル1階入口にて、お一人様一枚をお渡しいたします。

 

もしも早くお越しいただけた場合なのですが、こちらが商業ビルのため、ビル入口すぐにお並びいただくことはご遠慮いただけますようお願い申し上げます。

 

■会場はおそらく10~11名様で満員になることが予想されております。当店の判断と状況により、もう数名様御入場いただけそうな場合は順番通りご案内させていただきます。ご不便をおかけ致し大変申し訳ございません。何卒ご理解ご協力をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

■混雑状況によりましては御入場をお待ちいただく場合もございます。恐れ入りますが、お時間に余裕をもってお運びいただけましたら幸いです。

 

■当店は3階です。古いビルのためエレベーターがございません。ご不便をおかけ致しまして大変申し訳ございません。

 

ご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

 

 

★11/3 Diary 更新いたしました

キャプションを変更させていただきました 「茶地蓮葉文様錦裂断片」

「霜月 十一月」

Diaryはスクロールしていただいたところにございます。

 

 

 

 

黄地牡丹に唐子文様錦裂 
中国 18世紀と思える

 

 

★展示会準備のため 10月1日から11月7日までの間、店舗の営業をお休みさせていただきます。ご不便をおかけ致しまして誠に申し訳ございません。お問い合わせはお気軽にご連絡下さい。

 

 

2024年 11月
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表具裂展 2
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営業日 Business Days

 

*11月16日(土)は都合により14:30から開店させていただきます。

*11月19日(火)は仕入れの為15:00から開店させていただきます。

 

11月22日以降の営業日も追ってお知らせいたします。

The schedule after November 22th will follow.

 

 

【10月の営業についてのお知らせ】

 

11月8日(金),9日(土),10日(日)に店舗にて、「裂のほとり Ⅺ -表具裂展2-」を開催させていただきます。魅力のある様々な古裂をご紹介させていただく予定です。皆様にお楽しみいただける展示会となりますよう、私も楽しみに準備に勤しんでまいります。
展示会に出品させていただく古裂たちは、できるだけ良好な状態で多数出品させていただきたいと思っております。古い裂を整える作業には多くの時間を要しますため、大変申し訳ございませんが10月1日から11月7日までの間、店舗の営業をお休みさせていただきます。ご不便をおかけ致しまして、誠に申し訳ございません。何卒よろしくお願い申し上げます。お問い合わせはお気軽にお電話にてご連絡下さいませ。

 

 

 

 

茶綸子地流水鴛鴦文様小袖裂 
江戸時代 18世紀

 

【 Notice regarding business hours in October 】

 

We will be holding the “Kire no Hotori Ⅺ : Hyogu-Gire Exhibition 2”at our shop on Friday, November 8th to Sunday, November 10th. We plan to introduce a variety of attractive old textiles. I look forward to getting ready for this exhibition and hope it will be the one that everyone will enjoy. We would like to showcase as many old textiles as possible in the best condition possible at this exhibition. Antique textiles are very delicate and caring for them can be a very time consuming process. Due to this necessary process, the shop will be closed from October 1st to Thursday, November 7th, until the day of the exhibition for this preparation work. Please look forward to our exhibition and in the meantime, feel free to reach out by email if needed. The response to the email may be delayed, we appreciate your understanding.

 

 

 

浅葱地吹き寄せ文様平絹 江戸末 19世紀

 

 

白繻子地七宝繋ぎ文摺箔 江戸時代 19世紀

 

 

 

* * *

 

 

商品のお問い合わせ等はお電話、または InstagramのDM、メールにてお気軽にご連絡下さい。通信販売も承っております。

 

 

 

木綿浅葱地菊楓に流水文様紅型裂
19世紀

 

 

木綿波文様幟 明治
Wave-pattern “Nobori” 19th century Meiji period

 

 

 

* * *

 

 

2023. 9月に移転いたしました。

移転先は旧店舗のお隣のビル、「泰明ビル」3Fです。

▪当店の看板は、泰明ビルの壁の上方にあります。

 

 

 

移転いたしました。

 

▪道のご案内

泰明小学校前の「オーバカナル・カフェ」と、角の自販機との間の道をお入り下さい。
カフェから数えて4軒目左側、昭和の古い建物「泰明ビル」の3Fです。
目印は、2階の窓がレトロなアーチ型になっています。

 

▪Directions

There is a cafe called AUX BACCHANALES in front of Taimei Elementary School. Take the small street between the cafe and the vending machine located at the corner. The shop is on the third floor of the Taimei Building, which is the fourth building from the cafe on your left. It is the building which has a retro arched windows on the second floor.

 

 

 

目印の泰明ビルの2階の窓。このビルの3階です。

 

もし迷われましたら、どうぞお電話下さい。

お近くにお越しの際は、ぜひお運びいただけましたら幸いです。
御予約はご不要です。

 

【店舗】

〒104-0061
東京都中央区銀座 6-3-16
泰明ビル本館 3F 301号
tel. 03-6228-5318

 

【Shop】

301 Taimei Building Honkan
6-3-16 Ginza Chuo-ku,Tokyo
Japan 104-0061

 

東京メトロ銀座線、丸ノ内線、銀座駅出口 C2、C4 から徒歩3分

 

 

 

 

 

 

 

 

* * *

 

11/3 Diary 更新いたしました

キャプションを変更させていただきました 「茶地蓮葉文様錦裂断片」

「霜月 十一月」

 

Diary ゆっくりですが折々に更新いたします。

 

 

Diary

  • キャプションを変更させていただきました 「茶地蓮葉文様錦裂断片」

     

     

    茶地蓮葉文様錦裂断片 室町時代 15-16世紀

     

    画像の裂を「茶地花唐草文様錦裂断片」と表記しておりましたが、こちらの文様は花唐草ではなく、蓮葉であることに気が付きました。裂にわずかに見える花部分には、蓮の花が持つ花托も確認いたしました。本来でしたら蓮花文様とするところですが、蓮葉の部分が残されている裂ですので「茶地蓮葉文様錦裂断片」と表記を変更させていただきます。訂正してお詫びいたします。
    室町時代の小さな蓮葉と蓮花の表現を、会場でぜひ御覧下さい。こちらは文様としても小ぶりなものと思われます。

     

     

     

     

  • 霜月 十一月

     

     

    黄地牡丹に唐子文様錦裂 
    中国 18世紀と思える

     

    十一月になりました。
    いよいよ展示会「裂のほとりⅪ -表具裂展2-」をまもなく開催させていただきます。
    展示会準備のため、店舗をひと月と長くお休みをさせていただき、ご不便をおかけいたしまして大変申し訳ございません。展示会に関しましていろいろとお問い合わせを頂き、誠にありがとうございました。ご予約制ではありませんのと、小さな裂も並べますので、ぜひお気軽にお運び下さいませ。なお、展示会についてのご連絡事項など詳細は、「展示会Exhibition」ページをご確認いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

     

    このひと月の間、とにかく裂にまみれており、現在も裂を整える作業を続けております。こういう裂もお使いいただけるだろうか、この質感でもお選びいただける裂だろうかと、独り言を言っています。裂の感触、色彩の調子、ルーペの世界… 裂との対話というとオーバーなのかもしれませんが、やっぱり裂を見続けるしかありません。また、古い裂は大きさのあるものが出にくくあり、サイズが足りないことも多いかと思います。しかし裂は本当に無くなってゆきます。何かにお使いになる時に、お手元にある裂の中から多少選ぶこともできますように、琴線に触れる裂を少しづつ集められておくこと、ご自身の参考資料をお持ちになってゆくことは、骨董の中でも裂の分野ではほんとうにだいじになってまいります。古い裂の趣や味わいを少しでもお伝えさせていただけますよう、小さくても魅力のある裂を取り扱ってゆければと思っております。

     

    展示会まであと少しです。どうぞ皆様とお目にかかれますように。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

  • 神無月 十月

     

     

    今年の柊の花。

     

    十月も終わりに近づきました。
    先日郵便局へ行く折に、いつもと違う道を歩きました。通る道は大通りに出るまで、高い建物が両側にずっと続いている道になります。建物の前に広く植え込みの場所を取り、きれいに植物を植えているビルもあれば、すぐの入口がぶ厚いガラス戸のみの無機質なビルもあります。その道を通る時は、ビルの植え込みの植物を何となく見ながら歩きます。

     

    暫く歩いていると、あるビルの広い前庭に、間隔をおいて行儀よく真白い玉すだれの花が、それは沢山咲き揃っていました。玉すだれはとても好きな花なので、瞬間わあっと思い、思わず足を止めて玉すだれの花を眺めました。間隔をおいてかなりの数が植えられていました。この時季にこの道を歩いたことがなかったのか、そのビルの前庭に玉すだれがこうしてあることを知り、いつもと違う道を歩くのはよいことだと、忙しない時間にひと呼吸ついた思いでした。それにしても、淋し気な花の印象に寄りがちな玉すだれの花を、あのように広く点々と植えられた植木屋さんその人の感覚の良さがずっと思われて、その郵便局に行った日のあともその道を幾度か通った最近でした。玉すだれが沢山点在している様子を眺めたあとの郵便局の手前では、もう花を落とした金木犀の木の根元あたりで、チン、チン、と鉦叩きの鳴き声が聞こえておりました。身近な場所で十分に秋を感受し、足元のちいさな秋の音に耳を澄ませていると、今年もあと二ヵ月なのかといった思いが心によぎってまいりました。金木犀のあとは、柊の白い花が辺りに芳香を漂わせます。初冬という言葉が思い浮かぶ柊の花です。

     

    展示会「裂のほとり」の準備のため、店を長くお休みさせていただいており、ご不便をおかけしておりまして、大変申し訳ございません。体調を崩しているのではとのご心配をいただくお優しいご連絡をいくつか頂いておりますが、そうではありませんで、申し訳なくも、どうもありがとうございます。裂の最初からの準備がやはりとても時間が要るため、古裂の日々で、古い裂の作業に勤しんでおります。

     

    11月が近づいてまいりました。皆様にお愉しみいただけます「裂のほとりⅪ」となりますよう、引き続き精進してまいります。
    残る今月も、どうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

Archives

 

 

 

小冊子『裂のほとり』のご紹介  

 

 

『25th Anniversary 裂のほとり』

 

これまでに発行の小冊子『裂のほとり』につきましては、スクロールしたところの 小冊子『裂のほとり』のご紹介▼ をクリック下さい。

 

 

 

 

 

  • 小冊子『裂のほとり』のご紹介

    *古裂古美術 蓮 発行の小冊子は現在3冊です。

    *ご注文についての詳細は、このページをスクロールしたところにございます。

     

     

     

     

    小冊子『裂のほとり』 
    2017年11月15日発行

     

    『裂のほとり』

     

    蓮は2017年の秋に24周年を迎えました。年月を記念して、古裂に関わるささやかな冊子を初めて編みました。古い裂の傍にいることを「裂のほとり」と表現させていただき、冊子のタイトルにいたしました。古いものと関わる仕事の中で、私はこの言葉を傍に置きたいと思っております。今に遺された古裂たちの独特な美しさ、その愉しい世界を、少しでもお伝えできましたら幸いです。
    A5横サイズ、カラー20ページ、税込価格500円です。よろしければ御笑覧下さいませ。 

     

    『裂のほとり』もくじ  
    まえがき / 地蔵菩薩 / ひとつの色 / たとう紙の更紗 / 縞と格子の絹織物 /
    嶋かいきによせて / 沖縄が湛える / 理想の休日 / あとがき

     

     

     

     

    『裂のほとり』より

     

     

     

     

     

    小冊子『25th Anniversary 裂のほとり』

    2018年10月1日発行

     

    『25th Anniversary 裂のほとり』

     

    蓮は1993年の秋に東京・駒場にて小さな店を出発させてから、2018年10月にお蔭様で25周年を迎えました。これまで支えて下さいました皆様に、心より深く感謝いたしております。 25周年記念とともに、日本に伝え遺された染織品の存在を、ひとりでも多くの方に知っていただきたいとの想いから、2017年発行の小冊子に引き続き、あらたに『25th Anniversary 裂のほとり』を編みました。
    A5横サイズ、カラー20ページ、税込価格500円にて販売しております。よろしければ御笑覧下さいませ。

     

    『25th Anniversary 裂のほとり』もくじ  
    まえがき / 鴛鴦丸文様二陪織物の鏡入れ / 法華経断簡の表具裂 / 室町時代の繊維と糸 / 渡り裂断片各種 / 越後縮の米袋 / 単色無地の絹と紬 / 沖縄 久米島紬断片 / 絞り染めの小さな袋 / 紅地輪宝文金襴断片 / 吹き寄せ / 『鳥獣戯画』の萩 / 私の原点 / あとがき />

     

     

     

    「絞り染めの小さな袋」

    「私の原点」

     

     

     

     

     

    小冊子『裂のほとりⅣ -名古屋 月日荘にて-』 

    2019年3月25日発行

     

    小冊子『裂のほとりⅣ -名古屋 月日荘にて-』

     

    2019年3月に開催の名古屋・月日荘さんにての展示会に寄せて、ささやかな小冊子を編みました。 今はデジタルの時代ですが、紙と写真の形で、この度の展示会の時間を記憶したいと思います。展示会終了後も、ページをめくることで古裂を味わい、愉しんでいただけましたら幸いです。選んだ古裂の写真に小文を添えています。

    小冊子は文庫本サイズの105×148cm、カラー36ページ(表紙の能装束唐織断片裂を含め写真は30カットです)、税込価格500円です。

     

     

     

    小冊子『裂のほとりⅣ -名古屋 月日荘にて-』より

     

     

    木綿花色地桜梅に流水文紅型裂 19世紀

    ヨーロッパ更紗・インド更紗・嶋海黄 19世紀

    山村の地図 江戸時代

     

     

    【ご注文につきまして】

     

    ご注文はメールにて承ります。
    お手数でございますが、その際にご希望の『裂のほとり』のタイトルと冊数、ご送付先ご住所とご氏名、念のため、ご連絡先お電話番号をお知らせ下さいませ。折り返し当店の振込先等の詳細をご連絡させていただきます。

     

    【送料】
    ご発送はスマートレター(210円)にてお送りさせていただきます。
    1冊をご希望の場合、 小冊子代500円と送料210円の合計710円の御振り込みをお願いいたします。御振り込みの確認後にご発送させていただきます。 申し訳ございませんが御振り込み手数料はお客様ご負担にてお願いいたします。

     

    ご不明な点がございましたら、お気軽にお電話かメールにてお問い合わせ下さいませ。
    どうぞよろしくお願いいたします。

     

     
     

     

  • ポストカードのご紹介

     
    「糸」を中心にポストカードを作りました。
    1セット 5枚入 500円(税込)にて販売いたしております。
     

    【ご注文につきまして】

     

    ご注文はメールにて承ります。
    お手数でございますが、ご希望のセット数とご送付先ご住所とご氏名、念のため、ご連絡先お電話番号をお知らせ下さいませ。折り返し当店の振込先等の詳細をご連絡させていただきます。

     

    【送料】
    ご発送はスマートレター(210円)にてお送りさせていただきます。
    1セットをご希望の場合、 ポストカード代500円と送料210円の合計710円の御振り込みをお願いいたします。御振り込みの確認後にご発送させていただきます。 申し訳ございませんが御振り込み手数料はお客様ご負担にてお願いいたします。

     

    ご不明な点がございましたら、お気軽にお電話かメールにてお問い合わせ下さいませ。 

     

     
     

     

    古裂古美術 蓮
    03-6228-5318
     

ショップ Shop Information

 
古裂古美術 蓮

【店舗】

〒104-0061

東京都中央区銀座6-3-16

泰明ビル本館 3F 301号

Tel. 03-6228-5318

 

【Shop】

3F, Room 301 Taimei Building Honkan
6-3-16 Ginza Chuo-ku,Tokyo
Japan 104-0061
 
▪Our shop is located on the 3rd floor of the building.
 
▪営業時間:12:00-18:00
▪営業日:不定休
▪開店日はカレンダーをご参照ください。
▪仕入れの為やむを得ず開店日が変更となる場合もございます。
恐れ入りますが御来店前にご確認下さいませ。
 
▪Business Hours: 12:00-18:00
▪Please see the schedule for our business days and irregular holidays.
▪Please check our website prior to your visit for our business hours as it may change due to unforeseen circumstances.
 

【道のご案内】

▪銀座・数寄屋橋にあります泰明小学校前の「オーバカナル・カフェ」と角の自販機との間の細い道をお入り下さい。
▪カフェから数えて4軒目左側、2階の窓がレトロなアーチ型になっている昭和の古い建物「泰明ビル」の3Fが当店です。

▪ビルの入口は道路に面した階段です。
▪当店の看板はビルの外壁の上方にあります。
もし迷われましたらお電話を下さい。ご案内いたします。
 

【Directions】

There is a cafe called AUX BACCHANALES in front of Taimei Elementary School. Take the small street between the cafe and the vending machine located at the corner. The shop is on the third floor of the Taimei Building, which is the fourth building from the cafe on your left. It is the building which has a retro arched windows on the second floor.

 
【お取り扱い商品】
仕覆裂、表具裂、渡り裂、江戸時代の縞・格子裂、江戸時代の木綿、絹、紬、麻、
趣のある裂を集めております。
 
【写真】
木綿茶地四季文様刺繍奉納裂 梅花文様部分 
江戸後期 19世紀

 
 

 

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