2020.1

  • 節分が近づいて

     

     

    溜池山王で見かけた小さな枯野

     

    少しずつ、陽の光りが力を増してきたように思われます。
    豆撒きの節分が近づいてまいりました。江戸時代には、節分前のこの時季、町中に振り売りの柊売りが歩いたそうです。振り売りとは今でいう行商です。
    節分の夜、鬼を追い払うために家の門口に柊と鰯の頭、豆がら等を挿しますが、江戸時代の振り売りは、柊と赤鰯二匹と豆がらのセットで、幕末の価格で八文ほどで売り歩いたといいます。さかのぼった「蓮の道草17 季節と江戸時代の振り売り」にその散文を記しています。お暇なとき、もしよろしければ御笑覧下さいませ。

     

    写真は先日溜池山王界隈で見かけた枯野です。冬の陽に燦々と照らされて、土の中は暖かそうに見えました。一面枯草のようですが、所々に草の若芽がかすかに萌え出でており、何となく鶸色(ひわいろ)めいた枯野であることが御覧いただけるでしょうか。
    鄙びた古裂の色を思い浮かべました。

     

     

     

     

     

  • 空色の麻をアップいたしました

     

     

    空色の麻 江戸末頃

     

    解き洗いして整えました空色の麻を、インスタグラムにアップいたしました。
    写真では実物の染め色がなかなか表せないのですが、とても美しい麻織物です。
    よろしければ御覧下さいませ。

     

     

     

     

     

  • 空色の麻を洗う

     

     

    空色の麻を洗う

     

    写真は先日解き終えて洗っている、江戸末頃の麻の裃です。おそらく経糸緯糸大麻と思われます。この浅葱の麻は、それなりに時代の汚れがあったのですが、丁寧に手洗いすると、めずらしいほどみるみる汚れが落ちてくれて、とても美しい明るい染め色を見せてくれています。澄んだ空色、空色の麻です。写真は室内の光もあって、この空色がなかなかお伝えできていないのですが、裂の端のほつれた糸を整えてアイロンが出来ましたら、そのうちインスタグラムに載せられたらと思います。

     

    今日、東京で雪が降りました。お正月に初雪が舞ったので、今年に入って2度目になります。雪の結晶見たさに、着ぶくれしたコートの肘を傘から出して小雪を受けると、半欠けになった雪の結晶が見られました。さすがに冷え込んだ一日でした。
    皆様も暖かくされてお過ごし下さい。

     

     

     

     

     

  • 2020年 明けましておめでとうございます

     

     

    唐木綿 19世紀

     

    新年明けましておめでとうございます。
    新たな一年が始まりました。

     

    穏やかなお天気のお正月です。皆様いかがお過ごしでしょうか。
    元旦の本日は、ハサミを持たない、解きものをしない、お正月の福の神様との御縁を解かないことにかけてです。ついコトコトと、何かをし続けてしまう性分は、今日ばかりはおとなしくしててもらいましょう。白く温かな甘酒などをのみながら、本のページをめくったりして、ゆっくり一日を過ごします。読みたい本が、ありすぎです。

     

    今年も味わいのある、時代の愉しい裂と出逢いたいものです。
    またいろいろとご紹介させていただけましたら幸いです。
    本年もどうぞよろしくお願いいたします!