2020.12

  • 今年も暮れゆきます

     

     

    年の瀬の月夜の銀座。

     

    とうとう今日は大晦日です。
    皆様もきっとお忙しくお過ごしのことと思います。あともう数時間で年が明けます。遠くから聞こえてくる除夜の鐘に耳を澄ませて、ゆく年を静かに想いたいと思います。

     

    こちらはいつも大晦日になると、箱から小さな鐘を取り出して棚に飾ります。年に一度だけ飾ることにしている、除夜の鐘のつもりの、ルリスタンの小さな鐘です。小人が叩くくらい小さなもので、舌が失われているので鳴らない鐘です。三角形のてっぺんには、何かわからない小さな動物がいるのです。 毎年その鐘の下には、無地の江戸期の裂を敷きます。今年の大晦日は、ごく浅い色をした、かめのぞきといいたいような、淡々とした藍色の麻の古裂にしました。何かそんな気分でした。小さな鏡餅に敷いた裏白は、乾燥してもうちりちりになっています。

     

    カタカタ、コトコトと、何かをし続けているうちに、除夜の鐘の時になるかと思います。今年は思いがけない大変な一年となりましたが、この一年も皆様に支えていただき、古裂に向かう気持ちを支えに無事に一年を終えることができました。心より皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。また来年も素敵な古裂を探して御覧いただきたいと思っております。皆様どうぞよいお年をお迎え下さい。

     

     

    *写真は今年最後の開店日でした28日のものです。月夜の銀座四丁目の交差点です。いつも渋めの裂にとりかけまれているので、このような景色はきらびやかすぎてまばゆいです。

    凍てつくような月がきれいでした。

     

     

     

     

     

  • ホームページをリニューアルいたしました

     

     

    藍地に赤鳶色の格子裂 木綿と絹 
    江戸末-明治

     

    ホームページをリニューアルいたしました。
    お手数ですが、一度ホームページを更新していただけましたら幸いです。
    これまで設けていなかった「展示会」のページを作りました。今後展示会を開催させていただく際は、こちらの場所からもご案内をさせていただきます。商品紹介のページも以前よりも御覧いただきやすくなったかと思います。
    また、ウェブ上のささやかな展覧会「小さな展覧会」は、「Photo Gallery」に名前がかわりました。そのほか、以前とかわらないようにみえるページでも、このたびほぼ全ての部分を整えなおしました。春からデザイナーさんと一緒にこつこつと作業を進めていたのですが、ようやく年内に間に合いました。まだ調整中の部分もありますので、少しづつ整えてまいります。新しくなったホームページをどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

  • 赤地草花文様出帛紗ほか3点アップいたしました

     

     

    赤地草花文様出帛紗 裂 インド 19世紀ほか

     

     

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    Merry Christmas 2020
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    赤地草花文様出帛紗ほか商品紹介に3点をアップいたしました。
    よろしければどうぞ御覧くださいませ。

     

    皆様どうぞよいクリスマスをお過ごしください * * *

     

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  • 今年最後の出張を終えて

     

     

    暮れる街並み。京都の北側をみる。

     

     

    車がまだライトを点けている早朝。
    東山の方角の空が刻々と変化する。

     

     

    巽橋の近く。

     

     

    今年最後の出張が無事に終わりました。
    23日早朝に京都着、その日の予定を済ませ、昨日24日が年内最後のオークションでした。数点の、感じの好い可愛い古裂を仕入れましたので、追々ご紹介させていただきます。
    写真は宿泊先のホテルからの風景と、昨日仕事帰りに通った巽橋の近くです。

     

    23日は夕刻の窓の外をみて、今年最後の出張にこの一年を振り返り、来年を想いました。来る年も無事に移動がかなうことを願っております。
    除夜の鐘まで、あと数日となりました。

     

     

     

     

     

  • 今日は冬至

     

     

    今日は冬至。

     

    今日は冬至。今年もいよいよ年の瀬が近づいてまいりました。
    冬至を迎えると、一年が終わろうとしていることをしみじみと感じはじめます。かぼちゃと柚木は、昨日買い求めました。
    昨日月がきれいで写真を撮りました。写真は昨日の月です。西の空にはまだかすかに陽の明るみがのこされていました。今夜もきれいな上弦の月です。

    冬の晴天の夜空の色は、ほんとうにきれいでとても好きです。青に属した色で、夜空が今、とても明るいです。あの夜空のもっと背後は漆黒の闇の宇宙が続いているのだと思うと、冬の夜空の明るさが更に明るく感じられます。群青の空です。

     

    暮れに向かいます。どうぞ皆様もお気をつけてお過ごしください。

     

     

     

     

  • 十二月のケヤキ 其の二

     

     

    黄色く染まるケヤキ。

     

    先日から一気に様子を変えて黄色く染まるケヤキ。
    師走が急ぎ足で過ぎてゆきます。

     

     

     

  • バターを丸めながら

     

     

    バターを丸めながら。

     

    諸々のことをしていると日付がすぐに変わってしまいます。
    昨日のオークションで気になった裂のことなど、深夜にバターを丸めながらいろいろなことを思い巡らせる。バターは大小。大中小のときも。
    仕入れのため開店日が少し先になりますが、日程が増やせましたら、分かり次第お知らせいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

  • 十二月のケヤキ

     

     

    十二月のケヤキ

     

    私の知るケヤキの木は、毎年今頃は葉が黄色く色づいていた記憶ですが、今年はまだ少し先のようです。店の雪柳は蕾がほころびはじめています。
    外はもう暗くなりました。

     

     

     

     

  • 雪柳 咲く

     

     

    日ごとに色づく雪柳

     

     

    江戸期の麻布(おそらく大麻)に紅葉した雪柳

     

     

    雪柳 咲く

     

     

    先月の終わり頃、雪柳の葉の紅葉がきれいだったので、店のガラス瓶に挿して愉しんでいました。月末の出張を終えて店に戻ってくると、細かな葉がかなり棚の上に落ちていたのですが、その葉がまた渋くきれいな彩りだったので、そのままに自宅に持ち帰り、江戸期の白い麻布の上に置いて暫く愉しんでいました。

    この時店で枝を揺すり、落とせる葉を手で振り落としてあげたのですが、その後枝から次々に蕾が現れてきて、とうとう雪柳の花が咲きました。写真の一輪のもっと上の多くの枝には、蕾が数珠繋ぎにふくらんでおります。春の花のはずですが、とても生命力のある雪柳です。写真はまさか花が咲くとは思わず、Diaryにと思い、一枚で完結するつもりで撮っていたものです。ぱたぱた過ごして結局アップできずにいたのですけど、時系列に並べてみました。

     

    アップするつもりで撮っていながらアップできなかった短いDiary、ちょこちょこあります。
    時々アップするこちらですが、お付き合いいただけましたら幸いです。

     

     

     

  • 師走 十二月

     

     

    丹波布 江戸末 19世紀

     

    十二月になりました。
    先日店を終えた夕刻に、街中を歩いていると、二人の男性が車の付いた台車にのせて、これからクリスマスツリーになるもみの木をゴロゴロと音を立てながらどこかに運んでおりました。まだ植木鉢に入れられていない、根元を丸く括られたもみの木は、とてもきれいなAラインをしていて割合大きな姿でした。ビルの中の、どこかのバーでクリスマスツリーになるのだろうか、クリスマスが終わったら、あのもみの木はどうなるのだろう、などとふいに想像しつつ、二人の男性に支えられてゴロゴロと去る木を振り返りながら、あのもみの木に幸あれと、そのゆく末を案じるような気持が胸によぎりました。何やら藤城清治さんの影絵のお話、「歩きだしたちいさな木」が思い出された光景でした。このお話は1970年頃にテレビの天気予報の背景になった影絵の動画、お話です。このような状況の今ですが、これから辺りは日ごとにクリスマスムードになってゆき、そして残る日にちを数えはじめるのでしょう。

     

    この一年は思いもよらない年になりましたが、今年も師走となりました。
    こちらはかわらずに琴線に触れる古裂を探し、解き、洗い、整えて、諸々の古いものとの対話を静かに続けることを自分の世界に想い、時間を過ごしてまいりたいと思っております。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。