2020.6

  • そら豆の色

     

     

    そら豆のお歯黒。

     

    この時季そら豆をずいぶんと茹でました。さやを開けて、ふかふかの綿に守られているそら豆を見るのは愉しいです。茹でる前のものを一枚写真に。こういう色目の海気をみつけられると、裏裂をお探しの方に喜んでいただけそうです。
    「海気」は「海黄」、「かいき」とも書き、仕覆の裏裂に使われます。特徴として経糸は緯糸より細く、緯糸は太めの平糸が使われております。表裂を白色系に、裏裂をこちらのような翡翠色で。緒の色も裏裂に合わせて。ガラス盃などの仕覆にそのように取り合せられたら涼し気で、より夏を迎える気分になりそうです。

    そら豆の時期も、そろそろ終わりになります。
    お歯黒を見ていると、そら豆が笑ってみえます。

     

     

     

     

     

  • ライオン像もマスク

     

     

    お似合いです。

     

    銀座三越さんのライオン像もマスク着用でお客様をお迎え中です。
    通りかかる皆さんシャッターを押していました。

     

     

     

     

     

  • 水無月 六月

     

     

    木綿花色地波に貝文紅型裂 19世紀

     

    六月になりました。
    早いもので、一年の半分がもう過ぎてゆきます。六月三十日は夏越の祓です。 自身の今年前半の穢れを祓い、残る半年の無病息災を祈願する、古くから続く年中行事のひとつです。今年は各地で執り行われる夏越の祓に、よりいっそうの切なる願いが込められるのではないでしょうか。

    そして皆さま、六月といえば、お菓子の「みなづき」です。本来は六月三十日の夏越の祓の日にいただくお菓子ですが、今は六月の声を聞く前から和菓子屋さんに並んでいたりします。昨日デパ地下で、今年お初に「みなづき」にお目にかかりました。なんて美味しそうな、しかしまだ買わずに眺めただけです。気分の問題で、やはり夏越の祓まで(か、その日近くまで。か、あと少しだけ)待ちたいと思います。
    昨年デパ地下では七月の半ば頃まで「みなづき」が販売されておりました。季節が売りの和菓子屋さんが、お菓子の季節を通り越してどうするのだ、とふっと怪訝な思いがよぎったのも束の間で、「今日もある。」「あら、まだ売っている。」と七月のデパ地下に立ち寄るたびに目が笑い、「みなづき」を包んでもらった初夏の記憶がよみがえります。梅雨の終わりが待たれる頃でした。

    緊急事態宣言が解除されましたが、まだ安全には遠い状況です。
    皆様どうぞお気をつけてお過ごし下さい。
    今月もよろしくお願いいたします。