2023.5

  • 「蓮の道草72」をアップいたしました

     

     

    雨降り朝顔

     

    「蓮の道草72」をアップいたしました。
    雨降り朝顔、懐かしい花の名です。
    お暇なときにでも御笑覧ください。

     

     

     

     

  • 「蓮の道草71」をアップいたしました

     

     

    錦裂断片 部分 江戸時代 19世紀

     

    「蓮の道草71」をアップいたしました。

     

    時間という、目の前に来た舟に乗って  -移転のお知らせに想うこと-

     

    お暇なときにでも、よろしければ御笑覧下さい。

     

     

     

     

  • 皐月 五月

     

     

    麻藍地馬に将棋駒文様打敷
    江戸時代 18-19世紀

     

    五月になりました。
    木々の緑がいよいよ濃く深くなり、明日はもう端午の節句です。うちでは花菖蒲二本を求めてきて、鎬のある硝子にすっきりと入れました。品の良い紫色の、花菖蒲の細くてモダンな姿は、きっとアール・デコ調の部屋にも似合うのではなどと思いながら。
    開花しているもの一本、膨らんだ蕾のもの一本。蕾のほうは水揚げをすると案外すぐに咲きはじめ、室内で仕事をしていたので、開花してゆくその経過を愉しみました。仕事の手を止めて、目を移すと、気が付くともうここまで咲いている。そんなふうなことです。それは地球が自転していることを感じ取るような、とても静かな良い時間です。遠くの空からヘリコプターの音も、鳥の聲も耳に届いて聞こえてきます。
    お花屋さんでは菖蒲の葉も忘れずに包んでもらいました。この頃はそこに蓬を添えてくれるようなお店もなくなったことをふと思いながら、帰り道は今年の後半へと想いを馳せました。またお知らせをさせていただくことも出てくるかと思います。

     

    画像は子供の麻の祝い着から打敷にしたものと思われます。跳ねる馬に流鏑馬を思い、五月の扉にしたいと思います。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

2023.4

  • 白地小花文様紙衣解き をアップいたしました

     

     

    白地小花文様紙衣解き 江戸時代 19世紀

     

    商品紹介とInstagramに「白地小花文様紙衣解き」2点をアップいたしました。
    江戸期の紙衣から解かれたものでしょう。渋さの美、文様の美が感じられます。
    この分量の紙衣解きはなかなか出逢えず貴重です。どうぞ御覧下さいませ。
    価格・詳細はお気軽にお問い合わせください。

     

    白地小花文様紙衣解き 1 *sold 
    白地小花文様紙衣解き 2 

     

     

     

     

  • 瞬く間に

     

     

    茶地牡丹菊梅文様銀襴 江戸後期 18世紀

     

    今月もご予約御来店いただき、Webサイトを御覧下さいまして、誠にありがとうございました。この四月はいつにも増して時間が早く感じられ、瞬く間に月末となってしまいました。毎月の中のいくつかの交換会、出張、裂々の作業、その他諸々を詰め込むひと月は、いつも十日を過ぎる頃から時間が加速してゆくように思われます。このところのあわただしさからInstagramを開けることがお留守になっております。どうぞお許しください。準備していた商品紹介も、追ってご紹介させていただく予定です。

     

    今年は開店三十周年となる節目の年になります。いろいろと忙しくなってまいりますが、これからも変わりなく 古い染織品の世界をみつめてまいります。
    まもなく五月です。

     

     

     

     

  • 浅葱地鳳凰花唐草文様更紗 をアップいたしました

     

     

    浅葱地鳳凰花唐草文様更紗 江戸後期 19世紀

     

    商品紹介とInstagramに「浅葱地鳳凰花唐草文様更紗」2点をアップいたしました。
    ほのかな浅葱の地色と異国情緒ある文様の黄土色とがやさしく溶け合う、とても雰囲気のよい堺更紗です。どうぞ御覧いただけましたら幸いです。
    価格・詳細はお気軽にお問い合わせください。

     

    浅葱地鳳凰花唐草文様更紗 1 
    浅葱地鳳凰花唐草文様更紗 2 

     

    こちら2点 御売約となりました *sold
    ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 卯月 四月

     

     

    京都にて 春酣。

     

    白川の川べり。

     

    四月になりました。
    東京の桜は風に舞い、これから青葉の季節へと移ろいます。通りの木々たちも小さな緑の葉を日ごとに繁らせ、来る初夏の日射しに備えているようです。
    前の日の夕方に見上げた月が、昨夕はもっと丸みを帯びた形になっており、刻々と時は移ろうているそのことを、心に刻み直して今を想いました。まだ空は蒼く、月が白く透きとおっている時のこと。花冷えのひんやりとした夕風に先を急ぎながら、「清明」の言葉を思い浮かべました。

     

    写真は出張先の京都にて。ふんわりと咲く枝垂れ桜と白川の川べりに咲く白い花。日常に見られる風景にこそ、静かで平和な時間が在るように思います。ふんわりと花咲く枝垂れ桜も、ひなたに群れる白い花も、自分がこんなに可憐な佇まいであることを知っているのだろうかと思います。日本各地、花の季節の只中です。皆様どうぞよい四月をお過ごしください。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

     
     

2023.3

  • 三月が終わります

     

     

    桜咲く。 東京・赤坂 日枝神社

     

     

    三月が終わります。

     

    今月もありがとうございました。
    これから月末の出張と四月始めは大きな会が続きます。
    今週商品紹介はお休みいたしますが、四月に入りましたらまたご紹介させていただきたいと思います。

     

    先日赤坂の日枝神社に行きました。
    境内は桜の花がきれいでしたが、地面に映るその木の影、花影が妙に印象に残りました。
    東京の桜はここ数日雨に打たれ、そろそろ散りはじめるでしょうか。
    まもなく四月です。

     

     

     

     

  • バターを丸めながら 其の5

     

     

    バターを丸めながら。 其の5

    あれから幾度となくバターを丸め。
    まだ丸めやすい気温。
    今回バターは大丸に。中、小のときも。

     

    桜雨の一日。
    よく降る雨を窓に見ながら アイロンがけが進みました。

     

     

     

     

  • 木綿淡茶地浅葱格子裂 をアップいたしました

     

     

    木綿淡茶地浅葱格子裂 明治 19世紀

     

    商品紹介とInstagramに「木綿淡茶地浅葱格子裂」をアップいたしました。
    淡茶地に浅葱の格子が素敵な木綿裂です。ルーペで見ると、白色に見えていた織糸はごく浅い浅葱に染められています。色彩のトーンが馴染んでやさしい印象の格子です。どうぞ御覧いただけましたら幸いです。
    詳細はお気軽にお問い合わせください。

     

    こちら御売約となりました *sold
    ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 白地草花文様更紗 をアップいたしました

     

     

    白地草花文様インド更紗 18-19世紀

     

    商品紹介とInstagramに「白地草花文様更紗 インド18-19世紀」をアップいたしました。
    こちらは穴があり裏から当ての施されている部分もありますが、草花文様と茜の染め部分が大変綺麗な状態の更紗です。額装にされましても、表具取りにも素敵で、いろいろとお使いいただけると思います。どうぞ御覧いただけましたら幸いです。

    詳細はお気軽にお問い合わせください。

     

    こちら御売約となりました *sold
    ありがとうございました。

     

    画像は御購入いただきましたお客様にご了承を頂き掲載させていただいております。

     

     

     

     

  • 木綿格子裂 をアップいたしました

     

     

    木綿格子裂 明治 19世紀

     

    商品紹介とInstagramに「木綿格子裂 明治 19世紀」 をアップいたしました。
    紺色、生成り、茶綿の色のモダンな感じのする木綿裂です。手触りはしっかりしていますが硬くはありません。正式ではないかもしれませんが、茶杓の筒袋をイメージして裂を巻くと、縞・格子が素敵に映えます。洒落た格子裂だと思います。
    どうぞ御覧くださいませ。

     

    こちら御売約となりました *sold
    ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 木綿花色地桜梅に流水文様紅型裂 2点をアップいたしました。

     

     

    木綿花色地桜梅に流水文様紅型裂 19世紀

     

    商品紹介とInstagramに「木綿花色地桜梅に流水文様紅型裂」 の2点をアップいたしました。
    のどかな春の様子が花色地にほのぼのと表現された紅型裂です。この裂はご縁が深いのか、年を追って入手した紅型になります。御覧いただけましたら幸いです。
    詳細はお気軽にお問い合わせください。

     

    木綿花色地桜梅に流水文様紅型裂 1 38,0㎝ ×17,0㎝
    木綿花色地桜梅に流水文様紅型裂 2 37,5㎝ ×17,0㎝

     

     

     

     

  • 種から育った蒲公英

     

     

    種から育った蒲公英。

     

    植木鉢の脇のごくわずかな場所に、蒲公英の綿毛(種)をぎゅうっと埋め込んだのは昨年でした。写真はその種から急成長した蒲公英です。ずいぶんと昔に、どこからか種が飛んできたのか、植木鉢に蒲公英が咲いたことはありましたが、自分から種を蒔いてみてこのように育ったことは初めてです。
    鉢植えにはいつもできるだけお米のとぎ汁をあげていますが、それが効いているのでしょうか。とても元気のよい蒲公英で、日によって葉が動いているらしく、葉の上向き加減が高くなったりして感じが変わります。蕾が二つあり、この春は黄色い蒲公英が傍で楽しめます。古くは鼓草(つづみぐさ)といわれるこの草で、なかなか雅な花でもあります。

     

    あの綿毛(種)から本当に実生してくれるのであれば、もっと丁寧に蒔いてあげればよかったと、もりもりと育ってくれているギザギザの葉に目を落とす。ぎゅうっと埋めた綿毛の束で、折り重なるこの蒲公英、幾つあるのかわかりません。

     

     

     

     

     

  • 商品紹介・Instagramにアップいたしました 薄紅地花卉文様インド更紗2点

     

     

    薄紅地花卉文様インド更紗 19世紀

     

    商品紹介・Instagramに 薄紅地花卉文様インド更紗を2点アップいたしました。
    地色がほんのりとした桃色の花卉(かき)文様で、可憐な雰囲気の更紗です。画像は「薄紅地花卉文様インド更紗2」になります。どうぞ御覧くださいませ。

    詳細はお気軽にお問い合わせください。

     

    こちら2点 御売約となりました *sold
    ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 商品紹介・Instagramにアップいたしました 染織資料 紫地絹緯絣帛紗

     

     

    染織資料 紫地絹緯絣帛紗
    インドネシア 19世紀

     

    商品紹介・Instagramに染織資料 紫地絹緯絣帛紗をアップいたしました。
    古い帛紗の形で遺されてきたものです。どうぞ御覧くださいませ。

    詳細はお気軽にお問い合わせください。

     

     

    こちら御売約となりました *sold
    ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 商品紹介・Instagramにアップいたしました 茜地唐草文様インド更紗

     

     

    茜地唐草文様インド更紗 インド 19世紀

     

    商品紹介・Instagramに茜地唐草文様インド更紗をアップいたしました。
    日本の蛸唐草文様を思わせる個性的な唐草です。どうぞ御覧くださいませ。

    詳細はお気軽にお問い合わせください。

     

    こちら御売約となりました *sold
    ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 弥生 三月

     

     

    ひなの色 江戸時代 18-19世紀
    緑地平絹・麻地紅花染め・白麻地帷子解き裂

     

    三月になりました。
    明日は桃の節句、もうひな祭りです。私は今年めずらしく少し早めにお雛様を飾りました。出張が入るので、慌ただしくしてひな祭りの前の晩にお雛様を開けることにならないよう、今年はタイミングを気にしていました。でも、桃の花はこれからです。出張先の京都から買い求めてくる予定をうっかり失念してしまい、夜の新幹線の中ではっと思い出しました。桃の花を忘れていながら、季節の美味しいお菓子は忘れることなく足が向き、包んでもらうと、あとは落ち着いてしまいました。枝ぶりのよい桃の花選びを今日は忘れないようにしないといけません。

     

    商品のご紹介がなかなか進められておりませんが、今年は今よりも商品を御覧いただけますよう、ご紹介の方法を検討してゆきたいと思います。またお知らせさせていただきます。

     

    桜の花芽も少しずつ膨らんできて、日も延びてまいりました。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

    *  *  *   

     

    画像のこちらは御売約となりました。*sold
    ありがとうございました。

     

     

     

     

2023.2

  • 開店日のひとこま 能装束裂と白梅

     

     

    繻子地花菱鳥文様能装束裂 江戸時代 18世紀

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    こちらは繻子地花菱鳥文様能装束裂です。
    能装束とともに出てきた裂ですが、舞楽装束に使われたものかもしれません。
    雅な文様の手触りしなやかな古裂です。
    季節の白梅と。

     

    本日もありがとうございました。

     

     

    *  *  *   

     

    こちら御売約となりました。*sold
    ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 今日は節分

     

     

    緑地籠目に牡丹文様金襴  能装束 半切
    江戸時代 18世紀

     

     

     

     

    今日は節分です。
    東京は一日曇り、小雪でも降りそうな冷え込みです。

     

    節分の夜は、柊と豆撒きと。
    籠は鬼の目よりも目数を多く持つので、鬼を恐れさせるといいます。
    緑地籠目に牡丹文様の能装束の半切と柊を取り合わせました。

     

    ぱらぱらと豆を撒くと、明日は立春。春がやってきます。
    今宵で冬も終わります。

     

     

     

     

  • Instagram商品紹介にアップいたしました 麻藍地花散し文様紅型裂

     

     

    麻藍地花散し文様紅型裂 19世紀

    Instagramと商品紹介に麻藍地花散し文様紅型裂をアップいたしました。
    軽やかで可愛らしい文様です。どうぞ御覧くださいませ。

    詳細はお気軽にお問い合わせください。

     

    こちら御売約となりました。*sold
    ありがとうございました。

     

    *画像はご購入いただきましたお客様のご了承を頂いて掲載させていただいております。

     

     

     

     

  • 如月 二月

     

     

    麻藍地花散し文様紅型裂 19世紀

     

    草木張月の二月になりました。
    二月のこの美しい別名は、草木の芽が張るところから来ているようですが、日本の言葉の奥深さと豊かさが想われて、何と素敵な月の名なのだろうと思います。
    個人的に一年の中で二月はとても好きな月になり、新年を迎えたお正月も過ぎ、色とりどりの花の季節もまだ先で、辺りに賑やかさのない、でも陽の光が確かにかわりつつある、この静けさが日々に在るのがいいのです。寒くて暗い夜更けの時間に、界隈から火の用心の拍子木の音が聞こえてくると、その音に耳を澄ませてみたりして、大気の冷たさが物音をより遠くまで響かせているような気がして、闇の深い二月の夜は、「音」の世界をとても感じさせてくれるのです。静かなことは いいことです。

     

    節分が近づいて柊を買いました。春が来ますね。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

2023.1

  • 一月が終わります

     

     

    道端に咲く 京都にて。

     

     

    吉野葛。

     

     

    一月が終わります。
    先日の出張では京都の大雪の日に重なり、突然の積雪に驚きました。
    どうぞ皆様も天候にお気をつけてお過ごし下さい。

     

    葛湯をいただくのに吉野本葛を買って帰りました。
    使いやすくするため擂鉢で擂るとなめらかに。
    粉になった白い葛に、ものすごかった京都の吹雪が思い出されました。

     

     

     

     

  • 開店日のひとこま

     

    霰文様のよう。

     

     

    小手毬の花びらの丸いこと。

     

     

     

     

     

    子供の狂言装束を解いた江戸後期の麻。
    小手毬の終わりの花を降らせると
    霰文様のようになりました。
    まもなく二月です。

     

    本日もありがとうございました。

     

     

     

     

  • 睦月 一月

     

    お多福さんのように焼けました。

     

    お正月も過ぎて昨日は鏡開きでした。鏡開きはお正月に飾った鏡餅をおろして、息災を願っていただきます。私はお雑煮にしていただきました。今年も身体に気をつけて頑張れますようにと祈念して。
    室内にあるまだ元気な千両の赤い実を見て、年を越して元旦からまだ十二日しか経っていないことをふと思いました。今の時代は何もかも加速してスピードが速いので、日を送る自分の中の時間感覚までそのスピードに染まっているのか、とにかく日が経つのが早いです。自分なりの小さな目標とかいろいろとスタートさせていることもあるので、今年も何かと大変でしょうけれど、時間を大切に使ってゆきたいと思います。古裂もいろいろと惹かれるものに出逢える気がしております。今年も皆様にご紹介させていただけますよう、どうぞお付き合いいただけましたら幸いです。

     

    鏡開きで小さな鏡餅を焼きましたら、お多福さんのように焼けました。丸餅がうりざね顔にふくれてくれて、ちょっと縁起良いように思えたのでInstagramにあげてみました。春を待ちながら冬のこの季節を楽しめたら幸せです。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

  • Photo Gallery 文章アップいたしました

     

    もう いぬふぐりの花。


    Photo Galleryの「赤地花入菱繫ぎ文様ヨーロッパ更紗」と「黄地雪持芭蕉揚羽蝶文刺繍裂」に文章をアップいたしました。
    Photo Galleryはトップページのメニューからも御覧いただけます。
    お暇な時にでもよろしければ御笑覧下さい。

     

    写真は暮れの道端で撮りました。
    葉は冬枯れの様子でしたが、もういぬふぐりの花が咲いていました。
    おどろきです。

     

    明日は鏡開きです。

     

     

     

     

  • Instagramにアップいたしました あかいお目々

     

    金沢のお菓子「あかいお目々」

     

    Instagramにアップいたしました。

     

    お菓子の名前は「あかいお目々」。
    昨秋の金沢展の時、お正月にいただこうと思いお土産にしました。
    小箱に16入っています。
    雪うさぎにしてみました。

     

     

    *金沢の菓匠みのやさんのこちら、本日検索したところ見つからず確認してみましたところ、製造が追いつかないのだそうで、現在小箱の販売をストップしていると伺いました、、

     

     

     

     

  • 2023年 新年明けましておめでとうございます

     

    渡り裂 嶋大海気 インド 19世紀

     

    新たな年となりました。
    明けましておめでとうございます。
    東京は、雲ひとつない蒼穹の穏やかな元旦になりました。
    春を待つ植木鉢の春蘭にも、明るい陽ざしが降り注いでいます。

     

    写真の嶋海気に関することをを、Photo Galleryにアップいたしました。こちらは2017年発行の小冊子『裂のほとり』に掲載しているものになります。ご興味がございましたらお暇なときにでも、よろしければ御笑覧下さいませ。こちらでは嶋海気を「嶋かいき」とひらがなで表記しております。

     

    どうぞ皆様も暖かくされまして、よいお正月をお過ごし下さい。

     

     

     

     

2022.12

  • 蓮の道草アップいたしました 2022年 除夜

     

     

    緑地無地絹 江戸時代 18-19世紀

     

    今年も間もなく暮れゆきます。

     

    先ほど、蓮の道草をアップいたしました。
    お暇なときにでも、御笑覧いただけましたら幸いです。

     

    どうぞ皆様暖かくされてお過ごし下さい。

     

    Please have a wonderful New Year!

     

     

  • 蓮の道草アップいたしました 横須賀美術館「 スカジャン展」へ

     

     

    横須賀美術館「PRIDE OF YOKOSUKA スカジャン展」

     

    蓮の道草アップいたしました。
    先日染織家の西川はるえさんと、12月25日までの横須賀美術館「PRIDE OF YOKOSUKA スカジャン展」を観てまいりました。
    お暇なときにでも、よろしければ御笑覧下さいませ。

     

     

  • 今日は冬至

     

     

    暮れの銀座 四丁目交差点

     

    今日は冬至です。一年で昼が最も短く、夜が一番長いのです。
    今朝の東京は雨降りだったこともありますが、朝7時前でもまだ暗さがありました。冬至が過ぎると少しずつ日が延びてゆき、二月の節分も過ぎると、太陽の光にだんだんと力がでてくるようになります。冬至を迎えると、いよいよ年の瀬といった気分になるもので、残る日にちを数えたりして、来る大晦日の除夜の鐘に想いを馳せるのです。

     

    私の所ではその時の風向きなのか、遠くから除夜の鐘の音が聞こえてくることがあります。耳を澄ませないと聞こえないくらいの、かそけき鐘の音です。聞こえてこない年もあるので、やはり風向きによるのだと思います。どこから届いている鐘の音なのか、未だにわからないのですが、耳を澄ませないと聞こえないということが、「音」の神秘性までも感じられたりして、除夜の晩は寒くて静かで、いろいろなものやことが闇の中に籠っているようで、やはりとくべつな時間なのだと思います。

     

    写真は先週の銀座四丁目交差点です。これからクリスマスになるので、夜の人出も多くなることでしょう。暮れの銀座は独特なムードに包まれていて、大通りはどこも華やかにライトアップされています。そしてクリスマスが終わった翌日は、街の様子は一気にお正月モードに切り替わる。その変わり身の早さに知らずしらずこちらも慣れてしまっていて、お餅を買ったりするのです。

     

    明日から今年最後の出張です。気持ちにぐっとくるような、美しい裂との出逢いがありますように。どうぞ皆様よい冬至の日をお過ごし下さい。

     

     

     

     

  • 益田間道 断片裂 Instagramにアップいたしました

     

     

    益田間道 断片裂 インド 18-19世紀

     

    Instagramに「益田間道 断片裂」をアップいたしました。
    小さな断片ですが美しく存在感があります。 どうぞ御覧下さいませ。

    写真の緑地無地木綿と白地無地麻(経糸緯糸おそらく大麻)の寸法は、下記のとおりです。
    3点の詳細はお気軽にお問い合わせ下さい。

     

    益田間道 断片裂  御売約 *sold
    経緯絹絣 インド18-19世紀 
    幅17、8㎝ 長さ22、0㎝(最長)

     

    益田間道と呼称されるインドの幾何学文様絹経緯絣の断片裂です。傷んでいる部分がありますが、染め色の状態がとても良好で、小さくても存在感があります。ルーペで見ると、一本の絣糸に染まる様々な色たちの色相が本当に見事で 糸好き、裂好きとしては、ひとすじの糸も捨て去りたくない思いになります。参考資料、額装、小さな表具におすすめです。緑地無地木綿は重ねて染められた黄色が前面に感じられ、色味がとくにきれいな一点です。白地麻布は経緯おそらく大麻と思われます。

     

    緑地無地木綿  御売約 *sold
    江戸末19世紀
    幅32,0㎝ 長さ121,0㎝

     

    白地無地麻(経糸緯糸おそらく大麻) 御売約 *sold
    江戸末-明治19世紀
    幅33,7㎝ 長さ140,0 cm

     

     

    3点御売約となりました。
    ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 蓮の道草アップいたしました 小湊鉄道 

     

     

    小湊鉄道  無人駅の上総久保駅に佇む大銀杏。

    蓮の道草アップいたしました。
    なかなか出掛けることができなかった小湊鉄道。 今年の秋こそ里山の無人駅に一本だけ佇んでいる、あの大銀杏に逢いに行きたいと思っておりました。 見事な色づきに間に合いました。
    お暇なときにでも小湊鉄道の記、御笑覧下さいませ。
    こちらは十一月に綴ったものです。

     

     

  • 師走 十二月
     
     

    茶地花蔓文様 ヨーロッパ更紗 19世紀

     

    十二月になりました。
    今年もとうとう年の瀬となり、一年のしめくくりのひと月です。
    師走の声を聞いてから急に気温が下がり始め、寒さがこれまでとは異なってきました。先日は京都の出張でしたが、京のみやこは空気がひんやりと冷え込んでいて、時折雪雲のような暗灰色の雲が北の空を覆っていました。日暮れ前に外気に当たると、雪雲めいた雲はもうどこにも見あたらず、路地を吹き抜ける冷たい風とお天気になった陽の光に、しんしんと深まる京都の冬を想ったものです。

     

    好きな季節が始まります。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

    *こちらの更紗は御売約となりました。
     ありがとうございました。

     
     
     

2022.11

  • 霜月 十一月

     

     

    金沢にて、お堀の石垣の上の月。

     

     

    柊の花。

     

    十一月も半ばとなりました。
    多くの皆様にお運びいただき、楽しく過ごさせていただきました「裂のほとりⅨ-金沢にて-」から10日と少しが過ぎました。今も一日の中に開催の間のことが思い返されております。会場の展示風景や、お天気だった窓からの自然光、急な階段を上ってきて下さったお客様、開催時間ぎりぎりまでアイロンをかけていた自分、いろいろなシーンが思い出されます。裂はどこまでも愉しく、また手がかかり、また、手間をかけたぶん本来の良さが蘇ってきてくれるので、その様子が見たくなります。古裂は尽きない愉しさがあります。小さな断片裂はとくに愉しい世界です。

     

    この度の展示会では、早朝まだ暗いうちからお待ち頂いた方がいらしてくださるなど大変恐縮いたしました。そしてそれは古い裂を探し、先々に伝えてゆくことの必要性と大切さとに、自身の中に繋がってゆきました。だんだんと姿を消していっている、独特の美しさを持つ日本の古手の裂たちです。引き続き集めてまいります。またご紹介させていただけますように。

     

    会期終了後、東京に到着したすべての荷を開梱しきれていないうちに、再びぱたぱたと過ごしております。会に出席し、入手した裂の時代産地に思いを巡らせ、いつもと変わりのない裂の日々です。
    写真は金沢に行く前のもので、いつもの道に今年も咲いた柊の花です。柊は金木犀とほぼ同じ花になり、くちなしの花の香りに似た芳香を辺りに漂わせます。柊の花が咲くと、もう季節は冬へと移ろいます。十一月も残り半分です。
    どうぞ皆様お気をつけてお越し下さいませ。

     

     

     

     

  • 裂のほとりⅨ -金沢にて- 終了いたしました

     

     

    会場風景

     

    単色の美

     

     

    二年続けて秋の金沢にて開催させていただきました「裂のほとり」展示会、愉しい中に無事に終了いたしました。
    この度もお近くの皆様、遠方から、また東京から、多くの方々にお運びいただき、心から感謝申し上げます。時代のある古い裂の味わいと美しさを少しでも先々に伝えてゆけますよう、こつこつと好きなものの世界を続けてゆきたく思います。会場で皆様が愉しく古裂を御覧になっていること、とても嬉しく思いました。また機会をみつけまして金沢にて開催させていただけるときを楽しみにしております。引き続き、趣ある美しい古裂を探してまいります。
    今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

     

     

     

     

2022.10

  • 「裂のほとりⅨ -金沢にて-」開催いたします

     

     

    花色縮緬地水仙文様刺繍裂
    江戸時代 18世紀

     

    まもなく11月になります。
    「裂のほとりⅨ -金沢にて-」、いよいよ開催です。
    昨秋と同じく、愉しいひとときとなりますように。
    会場で何かご質問がございましたらお気軽にお声掛け下さいませ。
    わかる範囲でお伝えさせていただきます。

     

    金沢展の会期中、Webサイト内の編集が出来ずに大変申し訳ございません。
    情報がございましたらInstagramよりお知らせをさせていただきます。
    どうぞよろしくお願い申し上げます。

     

     

     

    茜地花丸文様更紗 インド 18-19世紀

     

     

     

    浅葱地無地麻布 江戸後期 18世紀

     

     

     

     

     

     

  • 8年前の奈良

     

    8年前の奈良・2014.10.28

     

     

    秋の夕陽

     

    奈良の写真がでてきました。8年前の本日です。
    お天気もちょうど今日のようで、奈良を歩きに出かけました。
    陽が沈む前の静かな時間は、一日を終える鳥たちの声がよく聞こえていた記憶です。

     

    東大寺界隈にて。

     

     

     

     

  • 「裂のほとりⅨ-金沢にて-」もうすぐ開催です

     

     

    小袖断片裂 江戸時代 18世紀

     

    早いもので十月も終わりに近づいてまいりました。
    木枯らしが吹く前の静かな季節、皆様いかがお過ごしでしょうか。昨秋に続き、いよいよ「裂のほとりⅨ -金沢にて-」の開催日がみえてまいりました。只今裂を整える作業をずっとおこなっております。皆様に嬉しく思っていただける、そんな古裂を会場に並べられますよう、作業にいそしみます。

     

    「展示会 Exhibition」にて、当日の整理券配布につきまして等、開催に際した詳細を掲載しております。お手数でございますが、大切なことになりますので、御来場前に必ずお読みいただけますようお願い申し上げます。開催は皆様に安心してお過ごしいただけますよう、新型コロナウィルス感染症拡大対策に十分留意してまいります。

     

    昨秋は開催日の二日間とも秋晴れのよいお天気に恵まれました。今回もお天気でありますように願っております。金沢の紅葉が始まっているとよいですね。
    引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

  • フォトギャラリ-に

     

    月桂樹。シチューの香りづけに。

     

    金沢展が近づいてまいりました。

    フォトギャラリーとメインカットに11月開催「裂のほとりⅨ -金沢にて-」のメイン写真とごあいさつを掲載いたしました。どうぞ御覧下さいませ。メインカットはランダムに入れ替わります。

     

    * * * * *

     

    何か草木の写真をと思い探しましたが、撮りためているものがとくになく、春に撮っていた月桂樹の葉の写真がでてきました。きれいに洗って水気をきり、吊るしておいてよく乾かします。乾かすとよい香りがします。春先のシチューに使いきりました。
    急に冷え込むようになり、再びシチューの季節到来です。作り置くと裂仕事の夜なべに助かります。

     

     

     

     

  • 神無月 十月

     

     

    裂のほとりⅨ -金沢にて- 出品
    木綿浅葱地格子裂 江戸末ー明治 19世紀

     

    十月になりました。

    金木犀の香りがどことなく辺りに漂っています。空もだんだんと高くなり、夕空のうろこ雲に秋の深まりを感じるこの頃です。そのうちに柊の白い花が咲きはじめると、季節は秋から初冬へと移ろいます。これから街の中の紅葉も、少しずつ進んでゆくのでしょう。

     

    展示会「裂のほとりⅨ -金沢にて-」まで、あとひと月となりました。只今裂の準備に勤しんでおります。新入荷の裂たちをいろいろとお持ちする予定です。 Instagramにて、引き続き出品の古裂をご紹介させていただきます。御覧いただけましたら幸いです。開催当日がお天気でありますように。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

2022.9

  • 金木犀

     

     

    木綿の絣を洗う。

     

    今朝窓を開けると 金木犀の香りがしました。
    どこで咲いているのか毎年わからない、いつもの金木犀です。
    風の通り道になって香ってくるこの木の無事を知り、深まる秋を想います。

     

    風合いのよい木綿の絣の裂を洗いました。
    藍の絣糸がきれいです。

     

     

     

     

  • 「展示会 Exhibition 」金沢展 更新いたしました。

     

     

    草花蔓草入菱格子文様更紗 
    インド 17〜18世紀

     

    「展示会 Exhibition 」の金沢展を更新いたしました。
    開催に際しての詳細、整理券配布につきまして等、その他ご案内しております。
    お手数ですが、こちらをご確認くださいますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

     

    写真はインドネシアにもたらされた17-18世紀のインド更紗です。
    幅約40~44,5㎝、長さ約29,0㎝、何度も水をくぐって時間に晒された風情が魅力です。
    金沢展にて御覧いただけましたら幸いです。

     

     

     

     

  • 折り鶴のたとう

     

     

    折り鶴のたとう。

     

     

    たくさん。

     

     

    単色の美・江戸後期の紫地無地絹

     

     

    手持ちの和紙をたたんで、折り鶴のたとうを作りました。
    友人の外国の方への贈り物の箱に忍ばせて、昨夜郵便局へ。
    暗い夜道に虫の音が鈴のようでした。

     

     

     

     

  • 展示会 Exhibition 更新いたしました

     

     

    2022年11月開催 裂のほとりⅨ -金沢にて-

     

     

    木綿と山繭の交織 小格子裂 18世紀

     

     

    展示会 Exhibition を更新いたしました。
    ゆっくりペースですが、これからInstagramにて出品予定の古裂をご紹介させていただきます。
    楽しんでいただけましたら幸いです。

     

     

     

     

     

     

  • 朝顔の色水

     

     

    李朝白磁に朝顔の色水を。

     

    植木鉢の朝顔が、今年はよく咲いてくれています。
    今朝咲いた朝顔で、懐かしい色水をしてみました。
    李朝白磁に似合うでしょうか。
    今日は江戸末-明治の紅花染めの麻布を洗いました。

     

     

     

    紅花染めの麻布を洗う。 江戸末-明治

     

    夕風が吹いてこの麻布はすぐにさっぱりと乾きました。

     

     

     

     

  • 長月 九月

     

     

    11月開催 金沢展 出品予定より
    インド更紗 日本の縞・格子・単色の古裂

     

    九月になりました。
    木々からはまだ暑さの蝉の聲が聞こえており、足もとの草むらからは、秋の訪れを知らせる鉦叩きの鳴く音が聞こえています。季節が秋に移行するこのはざまには、日本の心に触れる様々なものごとが身近に取りまいているように思います。私は昨日道路沿いに群れ咲いているおしろい花を見てほっとした気持ちになりました。子供の頃、このおしろい花の真黒な種を割り、中にある真白い粉を集めては白粉遊びをしたものです。道端や地面に今でも見られる草々は、何十年経ちましても駆け寄ってすぐにお喋りが始まりそうな、変わりのない幼なじみの友だちの顔をしてくれています。もう少し秋になったら真黒なおしろい花の種を割り、白粉の粉とのきれいなコントラストを見てみたいと思います。

     

    十一月の金沢での「裂のほとり」展示会まであと二ヵ月となりました。裂を整える諸々の準備にいそしみます。皆様に古裂を愉しんでいただけますように。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

2022.8

  • バターを丸めながら 其の四

     

     

    バターを丸めながら。 其の4

     

    あれから幾度となくバターを丸め、久しぶりにアップするも、久しぶりすぎて其のいくつになるのかが分からなくなる。探してみると、昨年三月に其の三が。光陰矢の如し。丸めながら諸々のことに思いを巡らせる。便箋を買わないと、とか、お菓子をどうする、とか。この頃はずいぶんと秋の気配がしてきたので、バター皿を葡萄文の小さな染付皿にして気分も変える。今回バターは中丸に。大小のときも。

     

    十一月開催の金沢展出品の古裂ご紹介、もう少しで始めます。

    どうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

  • 蓮の道草 アップいたしました 

     

     

    麻布(おそらく大麻) 断片裂
    江戸後期頃 18-19世紀

     

    残暑御見舞い申し上げます。

    蓮の道草をアップいたしました。
    写真はこのところ整えていた麻布の小さな断片です。

     

    厳しい残暑が続いております。
    どうぞ皆様御自愛下さいませ。

     

     

     

     

     

     

     

    16,0 cm × 14,5 cm

     

     

     

     

  • 木綿雪輪に鳥文様絞り染め裂 のご紹介です

     

     

    木綿雪輪に鳥文様絞り染め裂 
    江戸末ー明治 19世紀

     

    商品紹介ページに「木綿雪輪に鳥文様絞り染め裂」をアップいたしました。
    こちらは夏空を表現していると思えます。
    雪輪の入道雲がほのぼのとしていて、夏の海まで感じられてくるようです。
    御覧いただけましたら幸いです。

     

    *こちらの商品は御売約となりました。*sold
    ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 読谷山花織 沖縄 のご紹介です

     

     

    読谷山花織 沖縄 19世紀

     

     

    商品紹介ページに「読谷山花織 沖縄」をアップいたしました。
    出逢うことの少ない貴重な沖縄の染織品です。
    御覧いただけましたら幸いです。

     

    *こちらの商品は御売約となりました。*sold
    ありがとうございました。

     

     

     

     

  • -沖縄が湛える- 蓮の道草アップいたしました

     

     

    浅葱地赤格子縞裂 宮古島と思われる
    苧麻・木綿 沖縄 19世紀

     

    今年は沖縄復帰50年記念ということで、東博(6月26日終了)や東京・駒場の日本民藝館(8月21日迄)など、沖縄の素晴らしい工芸作品の特別展が各地で展開されております。
    いつまでも、先々の世代へと、沖縄の美しい工芸の世界が伝えられてゆくことを切に願っております。

     

    5年前の秋、古い染織品への想いを籠めて、そして、自分が続けてきたことの年月を記念して、ささやかな、初めての小冊子を編みました。その中に、自分にとっての沖縄の古い染織品に寄せた「沖縄が湛える」という小文があります。

    最初の小冊子発刊から5年ほど経ちましたが、小文にした自分の想いは何も変わっておらず、これからも変わらないことでしょう。
    2017年発刊の小冊子『裂のほとり』より、ホームページ「蓮の道草」に掲載させていただきます。御笑覧いただけましたら幸いです。

     

     

     

     

  • 葉月 八月

     

     

    読谷山花織 沖縄 19世紀

     

    八月になりました。
    暑中御見舞い申し上げます。毎年のことですが、東京のこの夏の猛暑はとくに湿気が多く感じられ、身体にこたえる暑さのような気がしております。皆様もくれぐれもお気をつけてお過ごし下さいませ。

     

    月末だった昨日、出張で京都に行っておりました。昨日の京都は、ゆうに37℃はあったそうで、街中の人も少なかったように思います。それでも夕暮れの空を見上げると、白い雲の様子や、そして夕風も、これから八月になるというのに、なんとなく秋の気配を感じた次第です。暑くともこのような日に、バスに揺られてふらりと高雄へ泊まりにゆき、盛夏の緑の中を、青紅葉の中を歩くのはいいなとふと思いました。水の音のするところはやはり心身にとってよいところ。そのうちに足を延ばせたらと思います。

     

    十一月に開催予定の金沢での『裂のほとり』展示会、カレンダーを見ては、あれこれと準備する計画をたてております。この秋もお天気に恵まれますよう、小さなはぎれなどを整えたり、こういう裂もお持ちしてみようかと、思案の最中です。 皆様も涼しくされましてよい八月をお過ごし下さい。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

2022.7

  • 七月が終わります

     

     

     

    葛布の裃に使われていた木綿の縫糸
    江戸後期 18-19世紀

     

     

    袴の紐に巻きました。

     

     

    こちらは先日の風のつよい日曜日、屋外でずっと蝉の聲を聞きながら解きものをしたときのものです。江戸後期の葛布の裃に使われていた木綿の縫糸、白色の葛布裃に、めずらしく浅葱色の色糸が使用されていました。この色の美しさ、手紡ぎ糸の木綿の味わい、小さなものですが、その時代のものです。

     

    この日はずいぶんと長い間、屋外で裂を解いておりました。(つよい風に当たっていたので暑さもまぬがれました。)
    長い時間、ずっと蝉の聲を聞いていたからか、その晩眠るときに耳の奥で 蝉の聲が聞こえているような錯覚がありました。
    夏の季節の中のこと。

     

    もう七月が終わります。

     

     

     

     

  • 開店日のひとこま

     

    こまかな端裂を整える。

     

     

     

    閉店後、ちょっとだけと思い、こまかな整理をし始めたところ、だんだんと盛り上がってきて時間を忘れ。 はっと我に返り、時計を見てびっくりして帰宅。
    裂をしていると小さな裂が出てきます。

     

    昨日の開店日の記。

     

     

     

     

  • 緑地高野裂と白綸子地梅花文様小袖断片裂 のご紹介です

     

     

    緑地高野裂と白綸子地梅花文様小袖断片裂
    江戸時代 18世紀

     

    商品紹介ページに「緑地高野裂と白綸子地梅花文様小袖断片裂」をアップいたしました。
    とても小さな断片裂ですが、緑地の高野裂は珍しいと思います。
    高野裂のほうは、小さな仏などの小さな表具の一部にいかがでしょうか。
    こちらの二種の裂は、それぞれ初めからこの分量しか出てきませんでした。
    小さな作品の表装に、細く切ってお使いになれるかと思います。

    御覧いただけましたら幸いです。

     

    *こちらの商品は御売約となりました。*sold
    ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 文月 七月

     

     

    緑地観世水に片輪車文平絹
    江戸時代 18世紀

     

    七月になりました。
    朝カーテンを開けては、まだ梅雨明けでもないだろうにと、妙に真っ青な空と灼熱の太陽に首をかしげていたところ、六月の月末前に梅雨明け発表となりました。連日この酷暑では、日頃睡眠時間が少ない自分もさすがに注意しないと体調を崩しそうになります。冷たい麦茶と梅干しでさっぱりしたり、夜半に瓜の一夜漬けをこしらえてみたり、ぱたぱたと過ごしながらも時間の合間に夏らしい気分を楽しみつつ、この夏を乗り越えないとと思います。どうぞ皆様もくれぐれも御身体御自愛くださいませ。夏越の祓も過ぎ、今年も後半へと向かいます。

     

    「お知らせInformation」と「展示会Exhibition」にご案内をさせていただいておりますが、昨秋の開催にご好評をいただきまして、この秋11月も金沢にて「裂のほとり」展示販売会を開催させていただくことになりました。会場は、昨秋と同じく、金沢・黒門前緑地に隣接する、趣のある建物「雪竹庵」にておこなわせていただきます。詳細は「展示会Exhibition」を御覧いただけましたら幸いです。これから会期が近くなりましたら、こちらを更新してまいります。金沢展、今回も素敵な古裂を並べさせていただきます。どうぞご予定いただけましたら幸いです。

     

    東京での展示会予定につきまして、お問い合わせを頂きまして誠にありがとうございます。今のところ未定でございますが、年内にささやかな企画展がおこなえますかどうか調整中でおります。あたためているテーマがありますので、もしまたお知らせができるようでしたら嬉しく思います。

     

    笹の葉の、七夕も近くなりました。
    日暮れは夏の夜空を見上げてみようと思います。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

  • 緑地観世水に片輪車文平絹のご紹介です

     

     

    緑地観世水に片輪車文様平絹
    江戸時代 18世紀

     

     

     

     

    緑地観世水に片輪車文様平絹のご紹介です。
    こちらの裂は平織の平絹になります。緑地といたしましたが、実物は鶸色(ひわいろ)と言えるような色彩です。江戸中期~後期ころの作品に思えます。穴やしみもあるのですが、褪色している鶸色の色合いに枯れた魅力があり、平絹の型染めの中でも古格が感じられます。あまり出会わない雰囲気の古裂で表装におすすめいたします。
    幅約35,5cm 長さ約60,0cm

     

    詳細はインスタグラムDMまたはメールにてお気軽にお問い合わせ下さい。

     

     

    *こちらの商品は御売約となりました。*sold
    ありがとうございました。

     

    *写真は御購入いただきましたお客様のご了承を得まして掲載させていただいております。

     

     

     

     

2022.6

  • 絹白地丸文様袈裟解き裂 のご紹介です

     

     

    絹白地丸文様袈裟解き裂 
    18-19世紀 江戸時代

     

     

     

     

    絹白地丸文様袈裟解き裂 のご紹介です。
    江戸時代 18-19世紀

     

    異国的な雰囲気を持つ、あまり見かけない丸文様の絹裂です。波状の丸の中に西洋風の花が表現されております。こちらは裂の形状と、縫い合わされていた部分の褪色の様子から、もとは袈裟だったことが推測されます。 文様部分の色糸の、植物染め独特の色の美しさが味わい深く、西洋的な香りのする珍しい染織品と思えます。6点の裂になります。表具裂におすすめいたします。

    詳細はインスタグラムDMまたはメールにてお気軽にお問い合わせ下さい。

     

    *こちらの商品は御売約となりました。*sold
    ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 紅花染め 縬(しじら)江戸後期 のご紹介です

     

     

    紅花染め 縬(しじら)
    絹織物 江戸後期 19世紀

     

    紅花染めの縬(しじら)のご紹介です。
    幅 最長29,5cm  長さ 115,5cm

     

    紅花染めの染め色の状態が大変良好に保たれており、とても美しい作品です。こちらは子供の着物を解いた解き裂になります。傷みのある部分がありますが、江戸期の絹織物としては良好と判断しております。褪色している部分の色彩の移行に得も言われぬ魅力があり、こうしたところが草木からいづる色の、古い時代の裂の持つ特有の美しさと思えます。
    詳細はインスタグラムDMまたはメールにてお気軽にお問い合わせ下さい。

     

    *こちらの商品は御売約となりました。*sold
    ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 茜地花菱繫ぎ文様暹羅更紗断片のご紹介です 

     

     

    茜地花菱繫ぎ文様暹羅更紗断片
    インド 18世紀

     

     

    茜地花菱繫ぎ文様暹羅更紗の断片裂4点です。
    仕覆を作製した残り裂であることがうかがえます。
    大切に今に遺されてきた断片裂です。
    染織資料に、コレクションにいかがでしょう。
    こちらの価格等詳細はお気軽にお問い合わせ下さい。

     

    *こちらの商品は御売約となりました。*sold
    ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 雨の同心円文

     

     

    雨の同心円文

    雨が降りはじめて
    建物の前の小さな池一面に
    数えきれないほどの同心円文が現れて
    その刹那に見とれた。

     

    時を知って 未草(ひつじぐさ)が咲いていました。

     

     

     

     

  • 商品紹介にアップいたしました 茶地生絹有職装束解き裂

     

     

    茶地生絹有職装束解き裂
    江戸時代 18-19世紀

     

    商品紹介に茶地生絹有職装束解き裂をアップいたしました。
    梅雨の頃の空気感にこの裂が似合うように思い、6月最初のご紹介とさせていただきます。
    どうぞ御覧くださいませ。

     

    *こちらの商品は御売約となりました。
    ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 水無月 六月

     

     

    茶生絹有職装束解き裂
    江戸時代  18-19世紀

     

    六月になりました。
    早くも一年の半分が過ぎようとしています。六月三十日は夏越の祓です。

    この日は三角形のういろうに甘い小豆がのるみなづきを、今年後半も無病息災で過ごせますよう、祈願しながらいただきます。夏への時間を橋渡しする、美味しくて楽しみなお菓子です。
    このごろはデパ地下のお菓子屋さんでは、桜の頃からみなづきが売られております。お菓子屋さんをのぞくたびに、みなづきのあることに気を取られてしまうのですが、やはり季節を違えたくない思いがあって、せめて六月の声を聞くまではと、ひたすら眼差しだけ向けておりました。そんなことで、ようやくみなづき解禁です。三十日には早いですが、次回は包んでもらうことにいたします。今年も無事に頂けるという、そのことに感謝して。

     

    数日前の出張の京都では、夕刻前にお気に入りの和菓子屋さんに立ち寄ってみましたが、足どり急いだものの、営業時間に間に合いませんでした。残念でしたが、ぽちぽち周辺を歩くことにし、今回の出張で仕入れた古裂たちに思いを巡らせました。
    歩きがてら立ち寄ったお店に、実山椒の佃煮の袋が美しく並べられてあり、先日久しぶりに出かけた雑木林で山椒の大木をみつけたことが思い出されて、ひとつ佃煮を買い求めました。その大木には山椒の実が降るほどに、それは見事に生っておりました。実を採る人もいない、陽当たりから離れた場所にひっそりと葉を繁らせている山椒の大木に、淋しくはないのかと、何となく語りかける思いがしたものです。こちらのそんな思いはよそに、自然の中にいてのびのびと枝を張らせている山椒なのでしょう。

     

    画像は桔梗に似た花が織り上げられている装束裂です。
    梅雨になる前の空気と似合うような気がして、六月最初の写真にいたしました。
    地色の茶の色合いがやわらかできれいです。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

2022.5

  • 雑木林へ

     

    雑木林へ。

     

    金平糖のような小さな花。

     

    雑木林へ。
    久しぶりに目にする木洩れ日に心安らぐ。

     

    奥には白樺が多くあって
    辺りは木々たちのとてもよい香りが漂っていました。

     

    風の音と 鳥のさえずり。
    地面にはたくさんの実生。
    静かなことはよいこと。

     

    金平糖のような小さな花。

     

     

     

     

  • 商品紹介にアップいたしました。茜地花唐草文インド更紗

     

     

    茜地花唐草文インド更紗 19世紀

     

    商品紹介に茜地花唐草文インド更紗をアップいたしました。
    草花の蔓が日本の立涌文様に似てモダンです。
    どうぞ御覧下さいませ。

     

    *こちらの商品は御売約となりました。
    ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 梅雨の走り

     

    梅雨の走り。

     

     

    開店日のひとこま

     

    梅雨の走り。 昨日はよく降りました。

    令法(りょうぶ)がまだ咲いてくれています。

     

     

     

     

  • 開店日のひとこま

     

    黄地浅葱格子文絹裂 江戸時代 19世紀

     

     

     

     

    開店日のひとこま

     

    これは江戸期の綾織のはぎれです。
    長い間古い裂に接してきて思うことは
    こうした魅力の裂は
    かけらでないと出てこないということです。
    小さくても充分な世界。

     

    針箱と。

     

     

     

     

  • 開店日の花 クリスマスローズ

     

     

    クリスマスローズと江戸期の袴の縞裂。

     

     

    開店日の花

     

    終わりのクリスマスローズ。
    この花に似合う裂はどれだろうと思い。

     

    水に挿す前に 江戸期の袴の縞裂と。

     

     

     

     

  • 開店日の花 令法(りょうぶ)

     

    江戸期の縞裂と令法(りょうぶ)。

     

    開店日の本日は 店の筒ガラスに令法(りょうぶ)を挿しました。
    枝を水に入れる前に、江戸期の手績みの麻(おそらく苧麻)と絹との交織の縞裂と。

     

     

     

     

  • 端午の節句

     

     

    菖蒲と蓬  
    麻布 舞楽装束の裏裂 江戸後期

     

    夕空が 夏のようでした。
    今日は菖蒲酒をいただきます。

     

     

     

     

  • 皐月 五月

     

     

    こちらは甘野老(アマドコロ)。

     

    瞬く間に春が過ぎてしまい、薫風の季節、皐月になりました。
    道路脇の植え込みには躑躅が彩りよく咲きそろい、店に近い泰明小学校の校庭では、吹き流しと鯉のぼりがかけられ、風のない昼どきは大きな身体を垂直に垂らして、空を泳ぐための風待ちをしています。

     

    この春は久しく遠のいていた春蘭と宝鐸草、翁草の苗を求めることができ、花を身近に置くことができてうれしく思っています。春蘭の淡黄緑色の花の風情はなんともいえない品のよさがあり、まったく見飽きることがありません。これが裏山にだったり、雑木林の陽当たりに咲いていたなら、どんなにかその自然の姿に心浮き立つことだろうなどと思いつつ、小さな植木鉢でうちに来てもらいました。春蘭も宝鐸草も、以前は何年もの間ずいぶんと育ってくれまして、こんなにと花がふえて毎年の静かな春をともに過ごしたものでした。

     

    翁草は残念にも、これまで自分のところでは翌年も芽が出てくれたことがありません。趣のある、いかにも翁の名前をつけてもらったにふさわしい、花の時間の経過が印象的な植物で、早春の頃になると、渋味をそなえた臙脂色の翁草のことが、気持ちの中にほのと浮かんでまいります。そして同時に、手元に求めてきても、自分のもとでは年を越さずに消えていってしまうことも、翁草をつかまえられないような、一抹の淋しさに似た想いも翁草には浮かんでくるのです。重苦しいニュースの日々にあって、草木たちに心を向けることが続く毎日です。

     

    立夏となる端午の節句ももうすぐです。
    この日は年に一度の菖蒲酒をいただきましょう。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

2022.4

  • 竹屋町裂 商品紹介にアップいたしました

     

     

    竹屋町裂 江戸時代 19世紀

     

    商品紹介に竹屋町裂をアップいたしました。
    金という色の渋さの魅力がお伝えできるでしょうか。
    どうぞ御覧下さいませ。

     

    *こちらの商品は御売約となりました。
    ありがとうございました。

     

    *お知らせトップ画像は御購入いただきました
    お客様のご了承を得て掲載させていただいております。

     

     

     

     

  • 東京国立近代美術館 鏑木清方展へ

     

    没後五〇年 鏑木清方展 「築地明石町」

     

    早くも初夏を思わせるような陽気の日、鏑木清方展に行ってまいりました。
    全期間展示の「築地明石町」の美人画は、やはりとても印象に残る作品です。
    会場後半に展示されている、歌舞伎舞踊の「京鹿子娘道成寺」と「鷺娘」に取材した作品が興味深くあり、とくに「笠の曲」の場面を描いたものが素敵に思いました。

     

    東京国立近代美術館
    没後五〇年 鏑木清方展
    2022年3月18日(金)―5月8日(日)まで。

     

    写真は会場入口と皇居のお堀。
    最後の写真は、再び手元に来てくれた春蘭。
    どうか育ってくれますように。
    季節は日ごとに進みます。

     

     

     

    皇居お堀

     

     

    迎えた春蘭

     

     

     

     

  • 卯月 四月

     

     

    紫紋縮緬地雪月花弓矢文様刺繍裂 
    江戸後期 19世紀

    四月になりました。
    桜前線もしだいに北上してゆき、東京では桜の花びらが風に舞っております。 数日前の京都出張では、まだ七分咲ほどの桜も中には見られました。新幹線の車窓からは、そう高くない山々に点在する桜の花の景色が日本の素朴な春を感じさせてくれました。間近でみる桜よりも、遠くに煙るように見える桜のほうがお花見としては素敵で美しく思える、とか、あの山のどこかに春蘭が群生しているところがないだろうか、などと、ぼんやりとあれこれ想いながら、そのうちに寝入ってしまうのでした。春酣、季節の只中です。

     

    三月が思いのほか出先の用件が続き、仕入れた古裂を整える時間もなかなか取れずにおりました。商品紹介も少なかったと思います。申し訳ございません。 直接のお問い合わせを頂きまして、ご希望に合う店内の古裂をお奨めさせていただく形も少しずつ増えてきており、そのご対応もさせていただいております。お気軽にお問い合わせ下さいませ。長引くコロナの状況ですが、古裂の味わいをお伝えし続けるそのことを励みに、新年度をスタートいたします。
    木々たちの芽吹きも始まりました。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

2022.3

  • 蓮の道草64 山種美術館特別展
    上村松園・松篁 -美人画と花鳥画の世界- によせて アップいたしました

     

     

    山種美術館 開館55周年特別展 
    上村松園・松篁  ー美人画と花鳥画の世界ー

     

    蓮の道草64 山種美術館特別展 上村松園・松篁
    -美人画と花鳥画の世界- によせて をアップいたしました。
    お暇なときにでも御笑覧いただけましたら幸いです。

     

    写真は二月の中頃のもの。
    奥村土牛ゆかりの美術館入口の枝垂れ桜は、まだ固い花芽でした。
    こちらの開花は今春初めてのお披露目となります。
    この枝垂れ桜に幸あれ。

     

     

     

     

  • 商品紹介にアップいたしました 金地酢漿草文様唐織

     

     

    金地酢漿草文様唐織

     

    商品紹介に金地酢漿草文様唐織をアップいたしました。
    傷みがありますが酢漿草(かたばみ)文様が雅やかで、見どころのある作品です。
    どうぞ御覧下さいませ。

     

     

     

     

  • 空色のいぬふぐり

     

     

    空色のいぬふぐり。

     

    冬枯れした草の間に咲く空色のいぬふぐり。
    この姿を見ると 子供の頃の気持ちが心に帰ってきて
    土ごとさらいたくなる。

     

    まだ木々たちが芽吹かない
    あの雑木林を歩きたくなる。

     

     

     

     

  • ひな祭りの日に

     

     

    狂言装束半袴残欠 麻
    江戸後期

     

    江戸時代の植物からの色いろを傍に置いて
    迎えた春を引き寄せたい思い。

     

    潤むような藍の色の このひとひらの裂の中に
    幾つもの美しい日本の色名が潜んでいるのだと思う。

     

    ひな祭りの日に

     

     

    裂 
    狂言装束半袴残欠 麻
    江戸後期

     

     

     

     

  • 弥生 三月

     

     

    単色の裂地 絹・麻
    江戸時代 19世紀

     

    三月になりました。
    明日は早くも桃の節句、ひな祭りです。三月はひなの色の古裂を取り合わせて、身近に置いて愉しみます。江戸時代の草木からの色を傍に置き、迎えた春を引き寄せたくなるような、そんなふうな思いです。古い裂は美しい染め色ばかりではなく、その独特の質感にも魅力があります。写真の江戸時代の絹と麻も、古い裂特有の質感に色彩を見せて今の季節を彩ってくれます。

     

    先日の京都出張では、花芽をたくさん付けた路傍の枝垂れ桜の枝先に、枝と見まがう蓑虫がひっそりと下がっていました。日常の時間、日当たりのよい道で見かけた静かな光景に、平和を願い、祈りました。

     

    今月も趣のある古裂をご紹介させていただきます。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

2022.2

  • 商品紹介にアップいたしました 丹波布

     

    丹波布 江戸末~明治初 19世紀

     

    商品紹介に丹波布をアップいたしました。
    青磁色の縞と紺の格子の爽やかな配色の一点です。
    どうぞ御覧下さいませ。

     

    *こちらの商品は御売約となりました。
    ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 商品紹介にアップいたしました 緑地花文様インド更紗  

     

     

     

    緑地花文様インド更紗 19世紀

     

    商品紹介に緑地花文様インド更紗をアップいたしました。
    渋く落ち着いた色目の更紗です。茜地以外のインド更紗も探すと意外と出逢いません。
    小さな裂です。どうぞ御覧下さいませ。

     

    *こちらの更紗は御売約となりました。
    ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 鳥の巣

     

     

    鳥の巣。

     

    仕入れの帰り道の神社に、今年も白梅がよく咲いておりました。
    木の上に三角形に見えるものは、お留守の鳥の巣です。
    昨日の雪の日の風景にて。

     

     

     

     

  • 節分

     

    節分。

     

    もしも自分がお箸やさんだったら
    節分の日にお箸を包むとき
    柊の葉を一枚お付けしたい気持ち。

     

    春よ来い

     

     

     

     

     

     

     

     

     

  • 如月 二月

     

     

    枝垂れ梅の刺繍裂 
    江戸時代 18~19世紀

     

    二月になりました。
    もうすぐ節分です。今年はとてもよい大きさの柊の枝を手に入れることができたので、その柊から小枝を取って、節分の夜に玄関先に掛けます。柊の大きな枝など、私にはめったに手にできないものなので、水につけてあるその枝を見るだけで、何か新鮮というのか豊かな気持ちになります。そもそも柊はとても好きな植物で、西洋柊ではない和の柊の鉢植えを以前からほしく思っているのですが、売っているところを見たことがありません。深まる秋に金木犀とそっくりの白い花を咲かせ、芳しい香りを辺りに漂わせる柊です。もっとよく探せば今どきのこと、インターネットで手にはいるのかもしれません。節分には店のドアにも毎年柊を掛けます。節分が過ぎると、もう立春です。

     

    このような状況ですが、古いものの愉しさを追いかけてまいります。
    皆様に古裂の世界を愉しんでいただけますよう、いろいろとご紹介させていただきたいと思います。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

2022.1

  • 姫水木とネオン

     

     

    姫水木。

     

    蓮の店は四坪とささやかな空間ですが、古いビルの角部屋で、大きな窓がL字形に3つあるので、自然光の入る明るい店内です。夕暮れになると、辺りのバーの小さな看板にネオンが灯り、その色がくもりガラスに映って窓がカラフルになります。夜の帳が下りた銀座の路地裏は、昭和の雰囲気がまだよく残っています。目にふれるくもりガラス越しのネオンの明かりは、電光掲示板とは異なるひと昔前の心地がして、どこかのバーから音楽が聴こえだすと、今日も暮れゆくといった思いになります。

     

    この3つの窓は、開けすぎると店内の裂が飛ぶほどの風の通り道をつくります。今の状況では換気に気を配りますので、御来店には窓を調節して開けますが、換気はよいもののその分ずいぶんと寒くなるので、ご予約頂いたお客様にはその旨をお伝えし、暖かくしてお越しいただいております。現在急速な感染が拡大しており、今後の状況が気がかりです。どうぞ皆様御自愛下さいませ。

     

    枝ぶりの大きな姫水木を求めました。蕾が固くても、黄浅緑の小さな花がこぼれるように咲いてくれます。この写真を撮った先日からは蕾がふくらみ、今はもう枝々に花が咲こうとしています。こうした寒さの時季に咲く花の風情には、少しの緊張感が感じられるような気がして良いものです。
    年明け一月から慌ただしく過ごしてしまい、商品紹介とホームページの更新が暫くおるすになってしまいました。今後とも御覧いただけましたら幸いです。
    まもなく二月がやってまいります。

     

     

     

    窓に灯るネオン。

     

     

    梅のほころぶ時季に足を運ぶ山種美術館。

     

     

     

     

  • 雪の日の山種美術館

     

     

    雪の日の 山種美術館

     

    雪の日の山種美術館へ。
    久しぶりに観ておきたいと思った作品の数々。

     

    帰りに一階のCafe 椿で、期間限定の和菓子「ことほぎ」を頂いてひと息つく。
    可愛い日の丸扇の形をしたお菓子がお正月らしくて微笑ましかったです。

     

    開館55周年記念 特別展
    奥村土牛
    -山﨑種二が愛した日本画の巨匠 第2弾-
    2021年11月13日(土)~2022年1月23日(日)まで

     

     

     

     

  • 雪輪

     

     

    雪輪

     

    寒い夜のみぞれ汁。
    今晩は夜半から流星群が見れるそうです。

     

     

     

     

     

  • 明けましておめでとうございます

     

    麻地絞り裂 紅花染め 19世紀

     

    新年明けましておめでとうございます。
    本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

     

    新たな一年が始まりました。明るいお年となりますよう、穏やかな一年となりますようにと、今年も切に願います。
    東京はお正月らしい冬晴れのお天気で、空が真っ青です。窓を開けると、冷たい空気がさっと室内に入ってきます。こうした日は海に行って浜辺を歩いたらさぞ気持ちがいいだろうと思います。波音を聞きに。

     

    毎年お正月の元旦は、裂を解かない、鋏を持たない。元旦に糸を切るのは、お正月にお迎えした福の神様との御縁も切ってしまうからと、縁起をかついでそうしています。とはいえ裂に触れない日は365日中一日もありませんので、やっぱり気がつけば古裂を広げては畳み、あれこれと思いを巡らせます。今年も心浮き立つような、はっとするような、時代を経て遺されてきた素敵なひとひらと色の現われに出逢えますよう、裂を追いかけたいと思います。
    今日はお正月らしく、お餅を焼いて、午後には甘酒をこしらえて、裂のアイロンがけはしてよくて。昨年は本の類い、活字を読む時間が少なかったので、昨年からとても本を読みたい心境でいます。読書したいものがシュッと瞬く間に読み通せたらよいのですが、一日の時間が24時間しかないこと、その配分、あっという間です。今年も体調に気をつけて頑張ります。

     

    暖房の音しか聞こえない静かな室内は、時折り鳥の聲も聞こえてきます。
    風が吹くと、窓の外の木々の小枝が揺れるのが見える。
    一年の始まりの日。

     

     

     

     

     

2021.12

  • 蓮の道草63「除夜の日に」アップいたしました

     

     

    濃紺地唐花文金襴 江戸時代
    表具裂 一文字上下部分

     

    蓮の道草63「除夜の日に」をアップいたしました。
    お暇なときにでも御笑覧いただけましたら幸いです。

     

    もうすぐ除夜の鐘が撞かれますね。
    皆様暖かくされてお過ごし下さい。

     

     

     

     

  • ふたつの太陽

     

    師走はじめの北の丸公園

     

    この銀杏も双子のよう

     

    暦を見れば師走も残り少なくなり、本日は冬至を迎えました。
    このところ夕方の暗さがとても早くやってきて、裂の作業をしていてふと顔を上げると、まだこの時間なのにえっと思うほど、窓の外が真っ暗だったりしていました。そして冬至まであと何日だろうと思ったものです。忙しなくしていて忘れないようにと、前もってかぼちゃも買っておきました。
    冬至といえば太陽で、今日を境に太陽の光に力が増してゆき、少しずつ陽が延びてゆきます。冬の夜の、闇の深さはこれからまだ続きますが、冬至を迎えると除夜ももうすぐ。今年も暮れゆくことを想うのです。

     

    この時季の朝、住まいの窓から、ちょっと珍しい光景を目にすることができ、それはふたつの太陽を見ることができるのです。もちろん、ほんとうの太陽がふたつではないのですが、東の空にまだ低くのぼる太陽が、西側に在る建物のガラス部分にそっくりそのまま反射して、丸く大きな太陽が左右対称の位置で、ふたつ照るのです。まるで双子の太陽の登場です。それはほんの2,3分だけの間、ほぼ完全に双子の状態になり、その後本物の太陽がのぼるにつれて、反射した太陽は光が移ろい、やがて消えてゆきます。太陽が移動していることがわかります。 冬至の今朝、そのふたつの太陽をながめることができ、ささやかに双子の太陽にこの一年を想い手を合わせました。
    残る師走の日々、ラストスパートでぱたぱたと出張諸々、裂に過ごしてまいります。
    暮れに向かい、どうぞ皆様もお気をつけてお過ごし下さい。

     

     

     

     

  • 商品紹介にアップいたしました

     

    染分山道文様小袖裂 
    江戸時代 19世紀

    雪花のよう

     

    商品紹介に写真の「染分山道文様小袖裂」をアップいたしました。
    まるでクリスマスをイメージして染められたような、とても珍しくて斬新なデザインの江戸時代の絞り染め裂です。縦方向にしぼのある楊柳地です。 毎年クリスマスの季節にお部屋に飾って愉しめます。額装にされるとほんとうに素敵な作品です。稀なほど染め色の状態が良く、とても美しいです。詳細は商品紹介を御覧下さいませ。

     

    *こちら3点御売約となりました。
    ありがとうございました。

     

     

     

  • 師走 十二月

     

     

     

     

     

    今年も師走となりました。
    大変多くの皆様に御来場いただきました金沢での展示会が無事終了し、東京に戻りました裂たちの、展示会後の裂の作業もそのままに、関西に出張してまいりました。
    京都ではタクシーの運転手さんが 今年は高雄の紅葉がまだ見ごろだといったお話をされ、「もう、真っ赤ですわ。」と言われたのを聞き、私もいつかはこの時季に高雄へ行って、心ゆくまで真っ赤な紅葉の景色に浸りたい…などと思うそばから、赤色といえば、抜群のコンディションのインド更紗の、茜地の真っ赤な色彩が瞬時に思い浮かび、運転手さんを真似て心の中で「もう、真っ赤ですわ。」と言葉をなぞっておりました。京都駅からバスで約1時間の高雄には、ずいぶんと昔に出掛けたきりです。この秋は九月から展示会が続きましたので、少しばかりひと息つこうかと思ったり。海に行き、波音を聞きたいので出掛けたいところですが、諸々の所用と出張が続きます。引き続き、裂とともに過ごす師走です。

     

    冬の夜空の、青に属したあの何ともいえない遠い色。夜空をよく眺めます。
    きっとあっという間に暮れがやって来るのでしょう。
    皆様も御自愛下さいませ。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

2021.11

  • 金沢展を終えて

     

     

    会場風景

     

     

    会場近く 大手堀の紅葉

     

     

    夜、水面に赤々と映る。

     

     

    黒門で拾い集めた落葉。

     

     

    「裂のほとりⅧ -金沢にて-」

     

    早いもので、開催から一週間が経ちました。
    この一週間、会期終了後の裂の作業を続けながら、会場にお越し下さいました皆様がほんとうに楽しそうに古裂とふれあっていらしたことを何度も思い返しております。素敵なひとときを過ごさせていただきましたこと、とても心に刻まれております。
    趣ある会場での開催をお声掛け下さり、実現させて下さいました竹工芸家の本江和美さんともどもに、あらためて皆様にご挨拶をさせていただきます。ありがとうございました。

     

    写真は会場近くの大手堀の紅葉です。夜にはライトが灯されて、その姿が水面に赤々と映しだされておりました。滞在中毎晩この道を通りましたが、静寂の中、肉眼で見るこの景色はぞっとするほど美しく、幽玄という言葉が立ちのぼる思いでした。美しすぎて見ているうちにこわくなってくるという感覚を数年ぶりに体感いたしました。

     

    落ち葉は黒門のところで拾い集めたものです。雪竹庵で本江さんが丁寧に点てて下さったお茶を頂きながら、この彩りを並べて秋の午後を愉しみました。
    金沢にて過ごした数日間を今も思い、その時間を辿っております。
    間もなく師走がやってまいります。

     

     

     

     

  • 「裂のほとりⅧ -金沢にて-」開催いたします

     

     

    丹波布 江戸末~明治 19世紀

     

    いよいよ「裂のほとりⅧ -金沢にて-」の開催の運びとなりました。
    今展は昨年の秋に開催を予定しておりましたが、コロナ禍により延期となりました。トップの「お知らせInformation」と「展示会/Exhibition」に追加情報を記載いたしました。ご確認をよろしくお願いいたします。いろいろな古裂をお持ちいたします。皆様に愉しんでいただけましたら何より嬉しく思います。

     

    今展に出品予定の古裂について、また会場場所につきまして、多くのお問い合わせを頂き誠にありがとうございます。なお、お問い合わせ等は恐れ入りますが、なるべくお電話にて頂けましたら幸いです。メールの場合、ご返信をさせていただきますのが遅くなります。大変申し訳ございません。

     

    20日(土)初日のみ午前9:30より整理券を配布いたします。最初から御覧いただけます場合は、恐縮でございますが、整理券をお渡しさせていただきます。
    会場はお履き物をぬいでお上がりいただきますので、お足元を暖かくできるご用意があると良いように思います。

     

    何かございましたらお気軽にお電話にてお問い合わせ下さいませ。
    どうぞお気をつけてお越し下さい。御来場を心よりお待ち申し上げます。

     

     

     

  • 「展示会 /Exhibition」金沢展 更新いたしました

     

     

    裂のほとりⅧ -金沢にて- 出品
    茜地草花文様鬼手インド更紗 19世紀

    「展示会/Exhibition」の「裂のほとりⅧ -金沢にて-」のご案内を更新いたしました。
    会場写真、会場に関するご案内、開催に際してご留意いただきたい点の詳細などを掲載いたしました。大切なご案内です。よろしければ御覧下さいませ。

     

    会場となる雪竹庵の建物は、昭和初期に建てられた趣のある木造建築になり、古きよき大正時代の薫りのする空間です。こちらに味わい深い美しい古裂をお持ちいたします。皆様に安心してお過ごしいただけますように、感染症防止対策に十分に努めてまいります。秋の一日を金沢にて、どうぞぜひごゆっくり、ご予定をいただけましたら幸いです。
    皆様の御来場を心よりお待ち申し上げます。

     

     

     

  • 霜月 十一月

     

     

    木綿格子裂 明治時代
    裂のほとりⅧ 金沢にて 出品

     

    十一月になりました。
    朝晩が冷え込むようになり、今年もコートの季節がやってきました。
    昨日は日帰りで京都へ出張いたしました。天気予報では雨の予報がでていたのですが、早朝の京都駅のホームに降り立つと、東山のほうの空は薄明るく、そのままお天気は回復してくれました。穏やかな秋の陽ざしの中、建物内に籠っての仕事でしたが、時折窓から秋の空を眺めたり、近くを流れる川の水の音に耳を澄ませたりして、時間の合間に静かなことをそっと愉しみました。仕事を終えて外に出ると、すぐに金木犀の芳しい香りが。辺りを見回すと、これから通る道の先に、そう大きくない金木犀の木がよく花をつけて咲いていました。京都は今が時季なのか、たぶん今年見る最後の金木犀と思いながら、気持ちの中で花に挨拶をして先を急ぎました。相変わらず早く過ぎゆく時間の中で、いろいろなことを想い、様々な心模様を経てまた新たなひと月が始まります。暮れの師走まで、あとひと月です。

     

    今月はいよいよ「裂のほとりⅧ」金沢にて、開催いたします。
    皆様が古裂とのひとときを楽しみにしていて下さいますようにと思っております。
    ささやかな展示会ですが、どうぞぜひお運びいただけましたら幸いです。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

2021.10

  • 「単色の美」「文様の美」会場風景アップいたしました

     

     

    裂のほとり Ⅶ  
    前期「単色の美」会場風景

     

     

    前期・後期にて開催

     

     

    「展示会/ Exhibition」の「単色の美」「文様の美」のそれぞれに会場風景をアップいたしました。よろしければ御覧下さいませ。「展示会/ Exhibition」はトップページのメニューから御覧いただけます。

     

     

     

     

     

  • 「蓮の道草」にアップいたしました

     

     

    緑地紬裂 江戸時代 19世紀

     

    「蓮の道草」に “「単色の美」「文様の美」無事に終了いたしました” をアップいたしました。
    よろしければ御覧下さいませ。

     

     

     

     

     

  • 神無月 十月

     

     

    秋の風景 金木犀

     

    十月になりました。
    前期・後期にて開催の展示会「裂のほとりⅦ」がお蔭様をもちまして二日(土)に無事に終了いたしました。翌日三日(日)が搬出日でしたが、その日会場で作業をしながら、この空間で過ごさせていただいた一週間という時間を振り返っておりました。こちらにつきましては別のDiaryに記すことにし、この十月も身近な自然から深まりゆく秋を感受したいものです。近くの神社の塀の所には、つやつやとした椎の実が落ちていましたし、通りがかりの植え込みには金木犀の花が咲いていました。

     

    写真がその花ですが、この金木犀、夕方に通りかかったときは、こんなに近くても香りがほとんどせずに不思議に思ったのですが、翌日の早い午前中に通りかかると、芳しい郷愁を誘うあまい香りが辺りを取りまいておりました。いつか、梅の花で同じようなことを感じたことがあったのですが、植物は一日の時間の中で、自らの花の香りを動かすものなのでしょうか。蜂などの虫の活動と関係するのでしょうか。時間も、花の香りも、自然界の色彩も、どれも在るものはみな移ろいます。海もそうですね。浜辺にいると、とても「時間」のことが思われます。遠い沖から打ち寄せてくる波は、まさしく目で見る時間に想われます。こんなことを書いていると、秋の海に行き、アイスクリーム片手に浜辺を歩きたくなってきます。海は秋、冬がいいのです。

     

    11月は「裂のほとりⅧ」、いよいよ金沢展です。 思いがけず金沢以外のおところからお問い合わせと御来場のご予定を多く頂いており、嬉しさとともに気持ちの引き締まる思いでおります。ささやかな店の当店ですが、皆様に少しでも古裂の味わいを愉しんでいただけますよう、御覧いただきたい古裂をたずさえて参ります。ちいさな可愛らしい古裂も準備してまいります。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

    *別のDiaryではなく、蓮の道草のほうに “「単色の美」「文様の美」無事に終了” の散文をアップいたしました。
    よろしければ、お暇な時にでも。

     

     

     

     

  • 後期「文様の美」はじまります

     

     

    白地花入り蜀江文様更紗 
    明治 19世紀

     

    本日より 裂のほとりⅦ 後期「文様の美」を開催いたします。
    今展では「文様」の存在に焦点をあて、魅力的な文様とその表現をご紹介いたします。どうぞご無理のないよう、御覧いただけましたら幸いです。
    会場に様々な文様が集まりました。写真の白地花入り蜀江文様更紗もお持ちしております。

     

     

     

2021.9

  • 前期「単色の美」無事に終了いたしました

     

     

    単色の古裂 江戸~明治

     

    前期「単色の美」が無事に終了いたしました。
    今展に多くの皆様に御来場いただき、心より感謝申し上げます。感染症防止対策にご協力頂きまして誠にありがとうございました。「単色の美」では、色彩の世界と色が宿すちからについて、わずかながら御覧いただきました。古裂古美術 蓮はこれからも「色」を大切に思い、単色の古裂を見つめてまいります。
    本日は展示替えのため閉場となります。10月1日(金)から後期「文様の美」を開催いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。ご無理のないよう、御覧いただけましたら幸いです。

     

     

     

  • 裂のほとりⅦ が近づいてまいりました

     

     

    花菱亀甲文能装束断片裂
    江戸時代 18-19世紀

     

    裂のほとりⅦ「単色の美」「文様の美」の開催日が近づいてまいりました。
    只今諸々の裂に囲まれて準備しております。先日、御来場に際しましてご留意いただきたい点をインスタグラムの投稿とホームページに掲載させていただきました。恐れ入りますが、御来場前に、必ずご確認いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。感染症防止対策により制限を設けさせていただき、皆様にご不便をおかけすることがあるかと思います。大変心苦しく恐縮でございますが、制限のある中にも少しでも愉しい古裂のひとときをお過ごしいただけましたら嬉しく思います。現況が続いておりますのでどうぞご無理のないよう、ご予定いただけましたら幸いです。

     

    インスタグラムの投稿では後期「文様の美」のご紹介が終わりました。
    文様の持つ意味合いの深さや面白さなどお伝えしきれておりませんが、よろしければ会場にて御覧下さいませ。残る会期までの間はインスタグラムにて「単色の美」をご紹介させていただきます。すべて自然光で撮っております。御覧いただけましたら幸いです。

     

    *写真は江戸後期の能装束の断片裂です。9,0cm×10,2cmのごく小さなものですが、木賊色の地色がとても美しいです。「文様の美」にお持ちいたします。

     

     

     

     

  • 長月 九月

     

     

    裂のほとりⅦ 後期「文様の美」出品
    紫地白梅文様絞り染め裂 江戸時代 17世紀頃

     

    九月になりました。
    猛暑だった夏も過ぎ、夜には虫の音が聞こえています。
    真夏の頃から聞こえていたのかもしれませんが、夜が暑すぎて空気の入れ替え以外は冷房に頼って窓を開けず、外の音に意識がいきませんでした。ここ数日の涼しさで夜に窓を開けると、雨止みの間にリリリ、とよく聞こえてきます。道端では玉すだれの白い花がみられます。とても好きな花で幼い頃遊んだ道に、この玉すだれがひっそりと咲いていたこと、懐かしみのある花です。秋の章が少しずつ進んでいます。

     

    展示会「裂のほとりⅦ」が今月末に近づいてまいりました。このような状況が続いておりますが、感染症防止対策に十分留意し、皆様に古裂のひとときを少しでも愉しんでいただけますよう精一杯努めてまいります。ご来場・ご入場につきましてご留意いただきたい点を近日中にお知らせいたします。皆様のご理解ご協力を賜りますよう、何卒お願い申し上げます。
    諸々予定しているこの秋です。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

2021.8

  • 二年ぶりの展示会「裂のほとり」を前に

     

     

    夏の夕空

     

    瞬く間に日が過ぎて、八月ももう、数えるほどになりました。
    展示会出品の古裂を整える作業を続けています。今回開催の「裂のほとり」は、コロナ禍の影響で「縞・格子・絣 展」以来、約二年ぶりの企画展となります。このような状況下での開催となりますが、感染防止対策に十分留意して皆様のお越しをお待ちしております。きびしい状況が続いておりますので、ご無理のないようにご予定いただけましたら幸いです。

     

    ご来場に際しご留意いただきたい点と、整理券配布等に関する詳細は、整い次第追ってお知らせいたします。今回感染防止の観点より会場への入場人数を制限させていただき、ご入場をお待ちいただく可能性があることなど、ご不便をおかけすることがございます。安全に古裂のひとときを愉しんでいただけますように十分対策に努めてまいります。何卒皆様のご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。素敵な古裂を御覧いただけますよう、準備を進めてまいります。

     

    写真は八月に入って間もない頃に撮ったものです。
    猛暑の日の夕空は、空や雲が虹を帯びたような色になることがあり、この日上空はすごい色に照らされておりました。窓を開けると、夜が近づいて木々たちが藤城清治さんの影絵のように見えました。
    もう晩夏となり、秋の味覚もそろそろ店先に並ぶでしょうか。
    引き続きどうぞ皆様御自愛下さいませ。

     

     

     

     

  • DMのご発送

     

     

    裂のほとりⅦ DM

     

    おところをお知らせいただいているお客様に昨日展示会「裂のほとりⅦ」のDMをお送りさせていただきました。DM便は普通郵便よりも到着に少しお時間がかかるようですが、御覧いただけましたら幸いです。

     

    状況が難しい中開催に向けて準備を進めておりますが、どうぞご無理のないように、そして今の状況が変化してくれることを願っております。 引き続きホームページにて展示会情報をお知らせしてまいります。 どうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

  • 9月開催予定 前期「単色の美」のご案内

     

     

    蹴鞠装束の鞠袴の裏地 平絹 紅花染め
    江戸後期 18世紀

     

    9月開催予定

     

    裂のほとりⅦ 
    前期「単色の美」のご案内です。

     

    9月28日(火)-29日(水)に開催予定の「単色の美」は、天然染料で染色された江戸時代の絹・木綿・麻(大麻または苧麻)・紬を中心として、単色の古裂のみで展開する企画展になります。
    今展では、単色のものでも地文様が織り出されているものにつきましては出品に取り入れずに、全てplainの無地の裂にて展開する形です。単色無地に染め上げられた古裂の、古く魅力的な色彩の表れと、素材による色感、目に映るひとつの色の深き浅きに、そこに自然をみるような美しさが在ることをご紹介させていただきたいと思います。

     

    「単色の美」に出品予定の裂々は、寺院に奉納され、年記銘が墨書されている染織品のように江戸時代の年記は認められてはおりませんが、江戸時代のきものや江戸時代の衣服の一部に使われていたもの、寺裂の裏地を自身で引き解いたものなど、江戸期の裂と当店が判断しているものを軸に出品いたします。今回二日間と短い会期ですが、「色」の存在は自分の中でとても大きな存在としてあるので、一度ならず今後もささやかでも何らかの形で色彩の企画を温めてまいりたいと思います。

     

    どの地域や階層においても、身に纏う色が古代より続く天然染料によって染められていた、その最後の時代が江戸時代ということを思うと、日本の色彩文化を考える上で江戸期はとても重要な時代であり、現代の服飾の世界におかれましても何か新鮮な発見がこの時代の中に在るような気がしています。今に伝え遺された天然染料による古裂の色に、江戸時代の草木たちの息吹が潜んでいること、日本の単色無地の古裂の豊かな色彩の世界の一端を御覧いただけましたら幸いです。

     

    状況のむずかしいときでございます。どうぞご無理のないよう、そして状況が変化してくれることを願いながら準備してまいります。
    引き続きホームページのお知らせを気にしていただけましたら幸いです。
    どうぞよろしくお願いいたします。

     

     

    【写真】
    こちらは江戸後期の蹴鞠装束の白地鞠袴の裏地に使われていた紅花染めの平絹です。
    以前入手したこちらよりも時代の古い、江戸中期くらいあるように思える白地鞠袴の裏地にも、同じような色調の紅花染めの平絹が使われておりましたので、もしかすると白地の鞠袴にはこのような色の絹布を裏地に使用するというような約束ごとがあるのかもしれません。

     

     

    *こちらの記事は「展示会/Exhibition」の前期「単色の美」をスクロールしていただいたところにもございます。

     

    *お問い合わせを頂いております小冊子『裂のほとり』、また「単色の美」に関する印刷物の発行は今のところ予定がなく申し訳ございません。お問い合わせ下さり誠にありがとうございます。ぜひまた機会をみつけたいと思っております。

     

     

     

     

     

  • 葉月 八月

     

     

    木綿藍地源氏車文様型染裂 
    江戸時代 19世紀

     

    八月になりました。
    昼下がりのアスファルトの照り返しに「盛夏」の言葉を思い浮かべながら、古裂の詰まった重いバッグを手に坂道を上ります。仕入れた裂を洗い整える作業をするため、店から自宅へ、自宅から店へと古裂を持ち運ぶ日常です。
    住まいの辺りは坂道の多い所で、それぞれにある坂の名前が何年経っても覚えられないまま、古裂とともに上っては下り、下っては上る。
    暑さと重さにうつむきながら無心に歩いていると、道をぬける風と蝉の聲だけのひとときがやってきて、何年か前の夏、一番暑い時間帯に訪れた京都のあるお寺で、猛暑のためか、広いお堂に自分しかいないその時の蝉時雨を想い出します。幾多にも重なり聞こえる蝉の聲が声明のように感じられ、止まない蝉時雨がお堂の静寂な空気を際立たせていて、山側の木々の緑が風に吹かれていました。
    涼しくした室内で裂の作業をし、午後四時頃になると、何となく以前よりも陽が翳ってくるのが早くなったことに気付きます。八月になったばかりというのに、秋のきざしがもう在ることに、めぐり動く時の刻みを想うのです。

     

    七月十二日から発令されました東京都における緊急事態宣言が、八月三十一日まで延長されました。現在急増の傾向にある都内の感染拡大の状況を踏まえ、店舗営業を八月三十一日までお休みさせていただくことにいたしました。
    ご不便をおかけいたしまして誠に恐れ入りますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。九月、十月の「裂のほとり」展示会も控えております。十一月は金沢にて開催予定です。何かございましたらどうぞお気軽にお電話にてお問い合わせ下さいませ。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

2021.7

  • 古裂をせんとや生まれけむ

     

     

    古裂をせんとや生まれけむ

     

     

     

     

    古裂をせんとや生まれけむ

     

    そんな言葉を思い浮かべながら、暑い夏 裂を整える。

     

    染めは茜でしょうか。
    風合いたまらず。
    裂のほとりⅦ 前期 単色の美 にお持ちいたします。

     

     

     

     

     

  • 蝉の聲が聞こえる

     

     

    蝉の聲が聞こえる

     

    梅雨明けが近いようです。
    もう、蝉の聲が聞こえます。

     

    夕暮れに。

     

     

     

     

  • 展示会に関するお知らせです

     

    9月・10月の銀座での展示会と、11月の金沢での展示会につきまして、開催時間と会場場所等を「展示会/Exhibition」にお知らせいたしました。また、9月・10月開催予定の「裂のほとりⅦ」では、タイトルをよりシンプルにし、「展」の文字を外しました。それぞれ情報欄を更新いたしましたので、お時間のあるときにでも御覧いただけましたら幸いです。

     

    展示会までまだ少し先ですが、お問い合わせをいただきまして励みを頂き誠にありがとうございます。裂の作業が続き、「商品紹介」に届かずにおり大変申し訳ございません。引き続き、こつこつ裂のことにいそしんでまいります。何卒よろしくお願いいたします。

     

     

     

     

  • 文月 七月

     

     

    木綿浪間に鳥文様型染裂(部分)
    江戸末-明治 19世紀

     

    七月になりました。
    七月というと最初に思い浮かぶのは七夕で、その次はお盆でしょうか。
    笹の葉さらさらの笹を買い求めてきて、折り紙で色とりどりの飾り物を作り、短冊をかけたりしました。幼い頃のことです。この時季になると、お茄子が頻繁に食卓にのぼるようになり、お茄子が夏の食べ物であることを子供心に自然と察知したような気がします。毎朝のお茄子のぬか漬けのつやつやとした紫色、焼き茄子、炊いたお茄子、そんなお茄子がお盆になると苧殻の足を付けられて、きゅうりとともに、お仏壇で牛馬になることに興味津々でした。七夕飾りの笹も、お茄子ときゅうりの牛馬も、飾り終えると近くの川に流しに行った、よき時代でした。迎え火と送り火は少し遠慮がちに今も続けています。梅雨が明ければ、もう夏です。

     

    九月に開催予定の展示会「裂のほとりⅦ」の準備をしております。
    魅力的な古裂を皆様にご紹介できますよう、いろいろと進めてまいります。
    十一月の金沢展示会とともに、今後またお知らせいたします。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

2021.6

  • 六月が終わります

     

     

    白麻地籬鉄線模様帷子断片 
    江戸時代 19世紀

     

    明日は六月三十日。夏越の祓です。
    今年後半の無病息災を祈願して、みなづきをいただく日です。
    もうすぐ初蝉の聲がするのでしょう。

     

    写真はごく小さな断片裂で、花の一部分だけ残っておりました。
    蔓があるので鉄線のようですが、このような葉のものもあるのでしょうか。
    昨日手洗いしてきれいになり。
    こういうこまかなことをいつまでも続けていて、時計の針の音だけが聞こえている。
    明日から出張です。

     

     

    *三十日は明後日でしたね。
    明日二十九日から出張です。

     

     

    *こちらの断片裂は商品紹介にアップしていない店内のものですが
    お問い合わせをいただきまして御売約となりました。
    ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 「文様の美 展」DM メイキング

     

     

    「文様の美」DMメイキング

     

    9月に銀座の月光荘画室2にて、古裂の展示会 裂のほとりⅦ「単色の美 展」「文様の美 展」を開催いたします。この度は会期を前期と後期に分けまして、「単色の美 展」と「文様の美 展」のそれぞれ異なる企画展を予定しております。

     

    写真は後期 「文様の美 展」10月 1日(金)-2日(土)のDMのメイキング。
    只今DMを作成中で、掲載候補の古裂を並べて撮っていた時のひとコマです。今展では「文様」の存在に焦点をあて、魅力的な文様とその表現をご紹介いたします。

     

    出展予定の写真の古裂
    茶地亀甲繋ぎに鶴丸文様能装束解き裂 江戸時代
    淡い茶地に緑の亀甲繫ぎと鶴丸が織り表されている能装束の解き裂です。襟の部分だったのかもしれません。使用された証しの表面が摩耗して消え入りそうに見える鶴丸の部分があり、時代が感じられて良い雰囲気です。実物の茶地は写真よりももっと淡い色目です。

     

    浅葱麻地薄文様型染裂 明治
    薄(すすき)が全体に型染めされた、経緯手績みの麻(おそらく大麻)の作品です。こちらは3幅と、衽部分を継いでひと幅としたものが合わされて4幅の形になっているものです。会期が近づきましたら、改めてご紹介させていただきます。

     

    時代の古裂をできるだけ最良の状態で御覧いただけますよう、9月の展示会に向けて、裂を整える作業にいそしみます。愉しい文様の古裂、美しい文様の小さなはぎれ。会期が近づきましたら、展示会のご連絡事項を含めましてご紹介させていただきます。
    どうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

  • 「単色の美 展」DMメイキング

     

     

    「単色の美 展」DMメイキング

    単色の古裂 江戸時代
    左より 緑地木綿裂・緑地紬裂・鶸色平絹・茶地麻布・灰白色麻布・袈裟解き等

     

    9月に銀座の月光荘画室2にて、古裂の展示会 裂のほとりⅦ「単色の美 展」「文様の美 展」を開催いたします。今展は会期を前期と後期に分けまして、それぞれ異なる企画展を予定しております。

     

    写真は前期「単色の美 展」9月28日(火)―29日(水)のDMのメイキング。
    現在DMの作成中で、掲載候補の古裂を様々並べて撮っていた時のひとコマです。写真はいつも自然光だけで撮り、自分で撮影しています。「単色の美」は江戸時代の絹、木綿、紬、麻を中心に、単色の古裂のみで展開する企画展です。染織品の色目がなかなか実物どおりに撮れないことが多い中、各環境によって見え方は異なるとは思いますが、今回のこちらはほぼ実物近くに撮れております。 時代を経た天然染料の草木からの色がほんとうに美しいです。色彩の世界を想うとき、色の美しさが日本の美に通底していると思えます。

     

    出展予定の写真の古裂  江戸時代
    緑地紬裂、鶸色(ひわいろ)の平絹、こちらはきものだったようで、解き裂で入手。茶地の麻は袈裟解きです。こちらは袈裟には珍しく田相部分も葉も縁も紐座も全部引き解かれ、全ての裂に厚みのある固い和紙が裏打ちされた状態で出てまいりました。江戸中期頃あるような気がしています。裏打ちは固すぎたものでしたので、先々の保存を思い、裂を整える作業中丁寧に外して裂だけの状態に戻しました。灰白色の麻布は江戸時代の裃を解いたもので、とても綺麗な色目です。茜で染められたと思われる鮮やかな赤の木綿は、裏裂が欠損していた江戸後期の刺繍の帛紗の芯に使われていた裂です。抜群の色のコンディションを保っております。最後はごく浅い色をした浅葱色の麻のはぎれです。繊細です。

     

    時代の古裂をできるだけ最良の状態で御覧いただけますよう、9月の展示会に向けて、裂の作業にいそしみます。あっという間に秋が来そうですね。美しい古裂、会期が近づきましたら展示会のご連絡事項を含めまして、ホームページに更新してまいります。
    どうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

  • 蛍袋

     

     

    蛍袋 咲く

     

    雨の季節、蛍袋が咲いています。
    一番好きな花です。
    水の流れの傍では そろそろ蛍が舞うでしょうか。

     

     

     

     

  • 水無月 六月

     

     

    明治頃の紅花染めと思える木綿を水洗いする。

     

    六月になりました。
    早くも一年の折り返し地点です。 六月三十日は夏越の祓い。この日は今年後半の無病息災を願いながら、みなづきをいただきます。氷室の氷を表したという三角形のういろうに小豆をのせた、ほどよい甘さのしこしことした歯触りのみなづきは、飽かずに何度でもいただいてしまいます。もうデパ地下の和菓子屋さんに並んでおります。もう、というよりもこのみなづき、今年はすでに春先から店頭に並んでおりました。和菓子屋さんは季節のお菓子を売るはずなので、そのことを少し残念に思いながら、ケース越しのみずみずしい三角形を眺めて梅雨の六月を想ったものです。もう六月に入ったので解禁?し、次回はいそいそとみなづきに直進です。

     

    銀座と金沢にてこの秋開催予定の「裂のほとり」展示会のDM作成に取りかかっております。
    古裂を最良の状態で御覧いただけますように、展示会に向けて、裂を整える作業を続けてまいります。裂のほとりが愉しいひとときとなりますように。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

2021.5

  • 時間の入り江

     

     

    古本とどくだみ草

     

    時間の入り江を作って今日は本を読みます。
    でも、やっぱり裂のことも。

     

    どくだみ草を摘んできました。
    どくだみ草というと、熊谷守一の油彩画を思い出します。
    もう梅雨の気配です。

     

     

     

     

  • 朝鮮毛氈のご紹介です

     

     

     

     

    商品紹介に可愛いらしいサイズの朝鮮の毛氈をアップいたしました。
    どうぞ御覧下さいませ。
    山吹色の毛氈の裏面も感じよいのです。

     

    *こちらの商品は御売約となりました。
    ありがとうございました。

     

     

     

  • 梅雨の走り

     

     

    洗った古裂を干している
    木綿格子裂 明治

     

     

    アマドコロ。今はもう花の時を過ぎました。

     

    先日は初夏のような気候で、重いバッグを手に坂道を歩いていると、すぐに汗ばむほどの暑さでした。予報をみると、今週は曇りか雨の日が続くとのこと。早くも梅雨の走りのようですが、足早に移行する季節にこちらはまるで追いついておりません。気付けば道路脇の紫陽花はすでに色づきはじめていて、丸く大きな花たちは、淡々と青や薄紫色のグラデーションをみせていました。梅雨入りが早そうな今年は、そのぶん夏も早く来るのでしょうか。

     

    緊急事態宣言が延長となり、東京都よりの休業協力依頼に基づき5月31日(日)まで店舗を休業させていただいております。店舗は休業でも、裂の作業ほか諸々かわりなくおこなっております。何かございましたらお気軽にお問い合わせ下さいませ。
    引き続き、どうぞ皆様御自愛下さいませ。

     

     

     

     

  • 皐月 五月

     

     

    金茶繻子地立涌牡丹菊文様打敷解き裂
    江戸時代 19世紀

     

    五月になりました。

    先月の過ぎ方の早かったこと、とうとう月末を越して五月になりました。
    風薫ると聞くだけで、青葉の繁る、木々たちの緑の深さが思われます。すでに梅雨を感じさせる日もあるほどで、そうすると、どこかの沢で蛍が飛ぶ時季も遠くない、などと思ってみては、思うだけで終わるのです。蛍など何年も見れておりませんが、遠い記憶の中の蛍を想って、デパ地下の和菓子屋さんで、蛍に因んだお菓子でも買ってみるかもしれません。これも季節が過ぎないうちに。

     

    秋に開催させていただきます「裂のほとり」、各展示会のお知らせを「展示会」ページに掲載いたしました。どうぞ御覧いただけましたら幸いです。 季節の早さに慌てる日々ですが、いろいろと進めてまいりたいと思います。またお知らせなどをアップさせていただきます。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

  • 若林奮作品「多くの川を渡り 再び森の中へ」に会いに

     

     

    2021年春季特別展
    「MIHO MUSEUMの現代美術」図録

     

     

    週末から緊急事態宣言が発令されるといわれていた4月の後半、出張の足を延ばして、観たい作品に会いにMIHO MUSEUMへ行きました。

     

    「MIHO MUSEUMの現代美術」では、彫刻家 若林奮氏の「多くの川を渡り 再び森の中へ」に会いに行きました。屏風のごとく大きな作品は18点が並ぶ連作で、真白いアルシュ紙に鉛筆で木立が描かれたドローイングです。前回展示された十一年前に初めて目にし、大変感銘を受けた作品です。今回の展示を待ちわびていました。

     

    ほんとうに久しぶりの「多くの川を渡り 再び森の中へ」は、個人的には前回の展示の仕方のほうが好みではありましたが、あらためて作品にふれることが出来、感慨に耽りました。ほかにも若林氏の小品のデッサンが数点展示されており、心惹かれる線に見惚れる。その他展示されている現代美術も好きなものが多くあり、豊かで静かなひととき、館内を巡りました。

     

    この日、学芸員の方が教えて下さり、外で空を見上げると、なんとこの写真のとおりでした。初めて見た日暈にとてもびっくりしました。しかもとても大きくて、ipadでは日暈が入りきらなかったのでスマホで撮りました。かなり長い時間、このようでした。山の上では時折見られるそうですが、壮大ですごかったです。

     

    翌日仕事が終わり、京都市内を通ると、緊急事態宣言前のためか人出が多く。 東京も週末から緊急事態宣言が発令されることを思いながら、開け放したタクシーの窓から京都の街をぼんやり眺めました。

     

     

    「MIHO MUSEUMの現代美術」
    2021年3月13日(土)~6月13日(日)

     

    入館には事前予約が必要です。

     

     

     

     

    日暈。太陽まで大きかった。

     

     

    丸い。

     

     

    閉館近く。空に遠く丸い月。トンネルも丸い。何だかこの日は日暈を見たせいか、丸いものばかりに目がいく。

     

     

    MIHOのレストラン近くの新緑。
    レストランは再開されていました。

     

     

    トンネルを抜けて。咲き終わった枝垂桜はまだいくばくかの花を枝先に付けていました。

     

     

    レストランに置かれていたご自由に、のポストカード。
    この写真にコロッときてドーナツひとつお土産に購入。宿泊先のホテルで深夜に食す。美味しかったです。丸かった一日をドーナツで〆る。…これも丸かった、、

     

     

     

     

  • 「裂のほとり」展示会のお知らせです

     

    予告 裂のほとりⅦ「単色の美 展」「文様の美 展」

     

    少し先になりますが、「裂のほとり」展示会のお知らせです。

     

    古裂古美術 蓮はこの秋に東京・銀座と金沢にて、展示会を開催させていただきます。
    「展示会」のページに詳細を記させていただきました。ホームページトップのメニューから御覧いただけます。ぜひ御覧下さいませ。それぞれの会期が近づきましたら、開催に関する詳細をお知らせいたします。どうぞご無理のない範囲でご予定いただけましたら幸いです。皆様に御覧いただきたく思う、心惹かれる古裂をお持ちしたいと思っております。楽しみに準備してまいります。
     
     
     
     

2021.4

  • 青葉の季節へ

     

     

     

    四月のケヤキ。

     

    この四月は思いのほかあわただしく過ごしてしまい、Diaryにアップしようと思っていた季節の写真が、すでに時遅しとなってしまいました。自分はともかくとして、季節の進む早さの早いこと、この間まで若芽だったケヤキの木も急に繁りはじめて、向こう側の建物が見えなくなってきました。いつも目にするこのケヤキの木は、ある時かなり枝先が伸びて、窓から葉っぱが触れたことがあります。夏の夜風に窓を開けてケヤキと握手、なかなか気分の良いことでした。
    仕入れ諸々に励んでおり、いろいろと更新が遅れてしまい申し訳ございません。四月も終わりがみえてきました。青葉の季節へと時は移ろいますが、再びの状況の中、どうぞ皆様もお気をつけてお過ごし下さい。

     

     

     

     

  • 久しぶりの「蓮の道草」です

     

     

    夏衣の肩衣 絹と麻(おそらく大麻) 
    江戸時代 19世紀

     

    久しぶりに「蓮の道草」をアップいたしました。
    数年前に東京品川の寺田倉庫G1ビルにて開催のヴィクトリア・アンド・アルバート博物館企画の「DAVID BOWIE is」展に行き、そのステージ衣装、コスチュームを見たとき、着用者本人の身体の線がなぞられている洋の衣服に、直線裁断の日本のきものの展示ではわかり得ない、着用者の生身の姿といったものがとても強くリアルに感じられました。それと同時に、桃山時代の辻が花のことが思い浮かばれました。戦国の世に、本人が着用したと伝えられる美しい辻が花の遺品の裂が表装に使われた、武将や武家の女性たちの肖像画のことが思いだされたためです。着用者と衣服との密接な関係は、寺院に寄進される奉納裂などにも象徴されますが、人と衣の関係についてはいつもどこか気になるものです。

     

    店で裂の作業をし終えて外に出ると、華やかなファッションがショーウィンドウに並んでいたりして、先程まで作業していた江戸期の古裂と同じ繊維の世界ながらも現代とのギャップを感じたり、また逆に洋服の存在をあらためて想ってみたりするのです。道草60です。

     

     

     

     

  • 卯月 四月

     

     

    浅葱綸子地文字文様奉納裂「風」部分 江戸時代
    「文化七 庚午年」の年記銘あり

     

    四月になりました。
    今年は桜の開花が早かったので、季節の進み具合が早いように感じます。もう少しコートを着ていたい気分なのですが、もう北風が吹くことはなく、風薫る季節へと時間は移ろうのでしょう。
    この春はまだ土筆を目にしておりません。先日遠方の友人から、ご自宅のお庭では今、土筆が真っ盛りとの土筆メールが届きました。「庭に土筆」は幼いころからの自分の夢で、その憧れの光景を暫し思い浮かべながら、珈琲を淹れてほっとひと息つきました。そして、もし海に行くにしても、土筆のお庭に足を延ばせたとしても、解きたい少しの古裂と和鋏をバッグに入れて出掛けそう。海風に吹かれつつ、波音を聞きつつ、草木からの色の古い裂を解けたら思いきり満足。そんなことが心によぎった次第です。

     

    自然界は草木たちがみるみる勢いをつけて芽吹いています。
    新年度になりました。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

2021.3

  • 金沢から京都へ

     

     

    金沢 黒門前緑地(旧高峰家 ・旧検事正官舎)の桜

     

    京都到着。

     

    今週は出張にて金沢から京都へ向いました。当日はお天気に恵まれて、金沢は予想していたよりも暖かでした。途中、黒門前緑地の桜を暫し眺めてひと休み。午前中到着し、夕方前までの金沢での所用を済ませてから、特急サンダーバードで約2時間30分、京都に到着です。もしうまく時間が間に合えば、京都駅内の美術館「えき」KYOTOで3月28日まで開催の「ソール・ライター展」にすべりこめるかも?と淡く思っていたのですが、それは叶わず。昨年東京での開催には足を運びましたが、あらためて京都で観ることができたら愉しいなどと思っていたのですが、間に合いませんでした。駆け足で過ごした金沢と京都から帰宅すると、出かける前はまだ背も伸びていなかった、日本桜草の白い小さな花が咲いていました。「神代冠」という名の清々しい小さな花です。
    まもなく4月。東京では桜の花がもう、風に舞いはじめています。

     

     

     

     

  • 「経緯木綿・白茶地経縞の中に経絣」をアップいたしました

     

     

    経緯木綿・白茶地経縞の中に経絣
    江戸末ー明治 19世紀

     

    商品紹介に「経緯木綿・白茶地経縞の中に経絣」をアップいたしました。
    縞と絣の深い魅力のある、大変手の込んだ染織品です。
    どうぞ御覧下さいませ。

     

     

     

     

  • 桜 咲く

     

     

    桜 咲く

     

    桜が咲きました。
    これは店からの帰り道。夜桜です。今年もこの季節になったのだなあと思います。
    夜の桜が風に吹かれているのを見ると、ふと私は村上華岳の「夜桜之図」が思い出されます。桜の花の色と同じ色をした雪洞が、夜桜の宴を楽しむ瓜実顔をした沢山の人びとの間に遠くまでお祭りのように灯っているのです。作品には人びとのざわめきや笑い聲が織りなされており、春の夜の闇の空気もわかってとても好きな作品です。夜も更ければ次第に宴もお開きになり、ほろ酔いの瓜実顔の人びとは、夜の桜を見上げながら、三々五々に家路につくことでしょう。

     

    桜は春酣になる前の、今くらいが一番美しいように思われます。
    花冷えのする夜は少し道を遠回りして帰りたい、そんな気持ちになるのです。

     

     

     

     

  • バターを丸めながら 其の三

     

     

    バターを丸めながら。其の三

     

    諸々のことをしていると日付がすぐに変わってしまいます。
    手土産でお持ちした、桜の花の形をしたお煎餅が美味しかったとお聞きでき、嬉しく思ったこと。たまたま立ち寄ったデパ地下のチーズ屋さんで、何やらお洒落な説明を受けたけれどよくわからず、一応笑顔したことなどなど、深夜にバターを丸めながら、いろいろと思い巡らせる。バターは大中。大小のときも。小さなナイフの柄には塀に座ったハンプティダンプティ。

     

    深夜すぎたため、猛烈な眠気により2,3回バターを転がり落とす。 手早く丸めないと溶けやすくなってきたことを知る春の夜更け。
    先程手洗いした麻の古裂がもう乾いておりました。

     

     

     

     

  • 弥生 三月

     

     

    黄綸子地蒲公英流水文字文様小袖裂(軸装)
    江戸時代 18世紀

     

    三月になりました。
    早くも今日はひな祭りです。買いそびれないようにと先日求めた桃の花が、枝に連なり咲いています。今年は小ぶりな袋で丁度よいひなあられを早くに見つけてあったので、それもひなの隣に置き。春酣になる前の三月は、こうした彩から始まります。桜の賑わいはまだ先で、つめたい北風の吹く日も多い、こういう季節がいいのです。

     

    緊急事態宣言は七日まで延長されておりますが、店舗営業につきまして等、七日以降に追ってお知らせいたします。お探しの裂や何かございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせ下さいませ。引き続き、皆様御自愛下さいませ。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

  • 黄綸子地蒲公英流水文字文様小袖裂(軸装)をアップいたしました

     

     

     

    商品紹介にアップいたしました。
    「来」の文字と春の野辺に咲く蒲公英、滝のように真っすぐに流れ落ちる流水の構図が珍しい一点です。どうぞ御覧下さいませ。

     

    *こちらの商品は御売約となりました。
     ありがとうございました。

     

     

     

     

2021.2

  • 縞・格子の麻布二種 をアップいたしました

     

     

    縞・格子の麻布二種 幕末ー明治

     

    商品紹介をアップいたしました。
    味わいのある縞・格子の麻布二種です。どうぞ御覧下さいませ。

     

     

    *こちらの商品は御売約となりました。
     ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 古伊万里 染付猪口をアップいたしました

     

     

    伊万里梅竹文猪口 江戸時代 18世紀

     

    商品紹介に古伊万里 染付猪口をアップいたしました。枝先にほころぶ花が春の訪れを表しており、同時代の小袖にみられるような文様が端正に描かれております。小ぶりな寸法で、掌に包み込めるくらいのサイズですので、盃としてもお愉しみいただけます。よろしければ御覧下さいませ。

     

    *こちらの商品は御売約となりました。
     ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 早春の花 スノードロップ

     

     

    早春の花 スノードロップ

     

    昨秋の「十月 神無月」のDiaryに記した、球根から植えたスノードロップが今咲いています。
    まさしく雪の雫のような、二月に咲く可憐な花です。自分の所では地植えは叶いませんが、小さな植木鉢を住処にして陽当たりで咲き、夕方には閉じる日々を送ってくれています。

     

    この花のことを初めて知ったのは十代の終わり頃でした。今もとても好きな佐藤雅子さんのご本『季節のうた』にスノードロップのことが書かれてあり、素敵なモノクロ写真のその花の姿にまいってしまい、あちらこちらのお花屋さんを尋ね歩いては球根を探したものです。当時は携帯もインターネットも暮らしの中にない時でしたし、また、当時の私の周囲にあるお花屋さんでは、スノードロップの取り扱いのないお花屋さんばかりだったので、それからずいぶんと時間が経ってようやくスノードロップの花が手元で咲いた時の嬉しさはひとしおでした。二月に咲くこの花を見ていると、来月も二月でいいような、早春の季節を引きとめたいような気分になります。ひときわ白い、雪の雫です。

     

     

     

     

  • 石岡瑛子展 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)

     

     

    石岡瑛子展 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)

     

     

     

     

    石岡瑛子展、ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)にても開催中です。

     

    「SURVIVE EIKO ISHIOKA / 石岡瑛子 グラフィックデザインはサバイブできるか」

    会場 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
       東京都中央区銀座 7-7-2 DNP 銀座ビル1F/B1F
    会期 前期:2020年12月4日(金)―2021年1月23日(土)
       後期:2021年2月3日(水)―2021年3月19日(金)
    開館時間 11:00―19:00
    日曜・祝日 休館 
    入場無料

     

    前期は広告・キャンペーン、後期はグラフィック・アート作品にフォーカスした展覧会です。会場2FにDNP文化振興財団が保有しているアーカイブからセレクトした作品がスクリーンで上映されていますが、これも石岡瑛子さんの作品でいらしたのだ…という発見もあり、いろいろと感じ入りました。東京都現代美術館の展覧会と同様に、石岡さんの肉声が流れる中の展覧会です。3月19日(金)までです。

     

     

     

     

  • 石岡瑛子展へ

     

     

    石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか

     

     

    石岡瑛子展に行ってまいりました。
    とても素晴らしかったです。

     

    石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか
    会場 東京都現代美術館
    会期 2020年11月14日(土)- 2021年2月14日(日)

     

    世界初の回顧展です。資生堂、パルコのポスター、映画や舞台衣装のデザイン、山本海苔の缶のデザイン、どれも対象に厳しく全てに真剣な想いを投じていることがとても伝わってまいりました。個人的に、石岡瑛子さんの日本の花鳥風月へのまなざしも感じ取れたような気がしています。最終日近くは混雑すると思われますので、入館情報をご確認されることをおすすめいたします。

     

     

     

     

  • 如月 二月

     

     

    蹴鞠とくくり猿 江戸時代 19世紀

     

    二月になりました。
    今日は節分です。暦の関係で二月二日が節分なのは一二四年ぶりなのだと、今朝ラジオで聞きました。今年は明日二月三日が立春です。蓮では毎年店にも豆まきをいたします。窓とドアを開けて、ひっそりと、ぱらぱらと。柊も入口のドアに掛けます。

     

    以前「蓮の道草」33、34に節分の豆のことについて拙くも調べたことを記したことがありました。塞ノ神がいる道の辻に豆を捨てにゆく習俗があるなど、節分には様々な背景がひそんでおり、そういったことを研究されている本を読むととても興味深くて面白いのですが、裂の日々にてなかなか本を読む時間が持てておりません。冬場の海にも出かけてみたいものですが、今の状況ではこちらも果たせず、冷たい海風吹く波の音などを時折り思い出すといったところです。 今宵は皆様も豆まきにて様々な鬼に退散してもらい、福は内と招きましょう。明日には春がやってきます。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

2021.1

  • 商品紹介を更新いたしました

     

     

     

     

    商品紹介を更新いたしました。
    春を待つ表現の江戸期の裂です。
    どうぞ御覧下さいませ。

     

     

  • バターを丸めながら 其の二

     

     

    バターを丸めながら。其の二

     

    諸々のことをしていると日付がすぐに変わってしまいます。
    テレワークにてご連絡を頂いたお探しの裂の色目のこと、お花屋さんで教えてもらった枝ものの名前が思い出せないことなどなど、深夜にバターを丸めながらいろいろと思い巡らせる。
    バターは中小。大中小のときも。
    商品紹介を準備しております。御覧いただけましたら幸いです。

     

     

     

     

  • Photo Gallery にアップいたしました

     

     

    弓矢文様革羽織 部分 
    江戸時代 19世紀

     

    Photo Galleryに弓矢文様革羽織の小文をアップいたしました。
    よろしければご笑覧下さいませ。

     

     

     

     

  • 梅の花の古裂をアップいたしました

     

     

    紅綸子地梅に麻の葉模様絞小袖解き裂 江戸時代

     

    春を待つ気分を込めて、商品紹介に梅の花咲く古裂をご紹介させていただきました。
    よろしければ御覧下さいませ。

     

    *こちらの古裂は御売約となりました。ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 七草が過ぎて

     

     

    明時の月とケヤキ

     

    お正月を迎えて1月7日の七草になると、そろそろ新年の気分もひと区切りつく頃で、また通常の時間に戻ることなどを思いながら、朝は七草の日のお雑煮(お粥ではないのです)を作りました。身支度をして店へ。この日午後6時頃に1都3県を対象に緊急事態宣言が発出されるというので、諸々の店内作業を切り上げて帰宅しましたが、人の行動は同じなようで、夕方の地下鉄の車両はとても混みあっておりました。年明けの七草の日は、つくづく一日も早いコロナの収束を願った一日となりました。
    1月の開店日を変更させていただき、ご不便をおかけ致しまして誠に申し訳ございません。
    19日(火)以降の開店日は追ってお知らせいたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。皆様どうぞくれぐれも御自愛下さいませ。

     

     

     

     

  • 明けましておめでとうございます

     

     

    紅型裂 木綿水色地松皮菱繋に梅花文
    19世紀

     

    新年あけましておめでとうございます。
    本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
    この一年が明るく穏やかな年となりますようお祈り申し上げます。

     

    一月一日、新たな一年の始まりです。東京は穏やかなお天気に恵まれております。
    元旦には鋏を持たない、糸を切らない、お正月にお迎えした福の神様とのご縁まで切ってしまうから、と昔聞いたことを縁起をかついでそうしていますが、江戸期の裂に触れない日はないので今日も古裂に触れては広げてみたり、色を確かめたり整えたくなってしまいます。裂の端のほつれたところは和鋏を持たないと…ということで、この手作業は却下。時間があるし、それなら以前からよけておいた風合のよい木綿を洗って整えたい願望がむくむくと生じてくるのですが、掃除と同じで掃いたり洗濯したりも、福の神様を家の中から掃き出すことになるとかで、つまりは元旦は何もしないことを良しとするようで…でも、あとで小さな古裂を整理箱から探したいと思います。これくらいならよいでしょう。
    甘酒でも作り、鄙びた神社のへこんだ鈴でも鳴らしに行きたいお正月です。
    皆様も暖かくされてお過ごしください。

     

     

     

     

2020.12

  • 今年も暮れゆきます

     

     

    年の瀬の月夜の銀座。

     

    とうとう今日は大晦日です。
    皆様もきっとお忙しくお過ごしのことと思います。あともう数時間で年が明けます。遠くから聞こえてくる除夜の鐘に耳を澄ませて、ゆく年を静かに想いたいと思います。

     

    こちらはいつも大晦日になると、箱から小さな鐘を取り出して棚に飾ります。年に一度だけ飾ることにしている、除夜の鐘のつもりの、ルリスタンの小さな鐘です。小人が叩くくらい小さなもので、舌が失われているので鳴らない鐘です。三角形のてっぺんには、何かわからない小さな動物がいるのです。 毎年その鐘の下には、無地の江戸期の裂を敷きます。今年の大晦日は、ごく浅い色をした、かめのぞきといいたいような、淡々とした藍色の麻の古裂にしました。何かそんな気分でした。小さな鏡餅に敷いた裏白は、乾燥してもうちりちりになっています。

     

    カタカタ、コトコトと、何かをし続けているうちに、除夜の鐘の時になるかと思います。今年は思いがけない大変な一年となりましたが、この一年も皆様に支えていただき、古裂に向かう気持ちを支えに無事に一年を終えることができました。心より皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。また来年も素敵な古裂を探して御覧いただきたいと思っております。皆様どうぞよいお年をお迎え下さい。

     

     

    *写真は今年最後の開店日でした28日のものです。月夜の銀座四丁目の交差点です。いつも渋めの裂にとりかけまれているので、このような景色はきらびやかすぎてまばゆいです。

    凍てつくような月がきれいでした。

     

     

     

     

     

  • ホームページをリニューアルいたしました

     

     

    藍地に赤鳶色の格子裂 木綿と絹 
    江戸末-明治

     

    ホームページをリニューアルいたしました。
    お手数ですが、一度ホームページを更新していただけましたら幸いです。
    これまで設けていなかった「展示会」のページを作りました。今後展示会を開催させていただく際は、こちらの場所からもご案内をさせていただきます。商品紹介のページも以前よりも御覧いただきやすくなったかと思います。
    また、ウェブ上のささやかな展覧会「小さな展覧会」は、「Photo Gallery」に名前がかわりました。そのほか、以前とかわらないようにみえるページでも、このたびほぼ全ての部分を整えなおしました。春からデザイナーさんと一緒にこつこつと作業を進めていたのですが、ようやく年内に間に合いました。まだ調整中の部分もありますので、少しづつ整えてまいります。新しくなったホームページをどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

  • 赤地草花文様出帛紗ほか3点アップいたしました

     

     

    赤地草花文様出帛紗 裂 インド 19世紀ほか

     

     

    *   *   *   *   *
    Merry Christmas 2020
    *   *   *   *   *

     

    赤地草花文様出帛紗ほか商品紹介に3点をアップいたしました。
    よろしければどうぞ御覧くださいませ。

     

    皆様どうぞよいクリスマスをお過ごしください * * *

     

    *   *   *   *   *   *   *   *

     

     

     

     

     

  • 今年最後の出張を終えて

     

     

    暮れる街並み。京都の北側をみる。

     

     

    車がまだライトを点けている早朝。
    東山の方角の空が刻々と変化する。

     

     

    巽橋の近く。

     

     

    今年最後の出張が無事に終わりました。
    23日早朝に京都着、その日の予定を済ませ、昨日24日が年内最後のオークションでした。数点の、感じの好い可愛い古裂を仕入れましたので、追々ご紹介させていただきます。
    写真は宿泊先のホテルからの風景と、昨日仕事帰りに通った巽橋の近くです。

     

    23日は夕刻の窓の外をみて、今年最後の出張にこの一年を振り返り、来年を想いました。来る年も無事に移動がかなうことを願っております。
    除夜の鐘まで、あと数日となりました。

     

     

     

     

     

  • 今日は冬至

     

     

    今日は冬至。

     

    今日は冬至。今年もいよいよ年の瀬が近づいてまいりました。
    冬至を迎えると、一年が終わろうとしていることをしみじみと感じはじめます。かぼちゃと柚木は、昨日買い求めました。
    昨日月がきれいで写真を撮りました。写真は昨日の月です。西の空にはまだかすかに陽の明るみがのこされていました。今夜もきれいな上弦の月です。

    冬の晴天の夜空の色は、ほんとうにきれいでとても好きです。青に属した色で、夜空が今、とても明るいです。あの夜空のもっと背後は漆黒の闇の宇宙が続いているのだと思うと、冬の夜空の明るさが更に明るく感じられます。群青の空です。

     

    暮れに向かいます。どうぞ皆様もお気をつけてお過ごしください。

     

     

     

     

  • 十二月のケヤキ 其の二

     

     

    黄色く染まるケヤキ。

     

    先日から一気に様子を変えて黄色く染まるケヤキ。
    師走が急ぎ足で過ぎてゆきます。

     

     

     

  • バターを丸めながら

     

     

    バターを丸めながら。

     

    諸々のことをしていると日付がすぐに変わってしまいます。
    昨日のオークションで気になった裂のことなど、深夜にバターを丸めながらいろいろなことを思い巡らせる。バターは大小。大中小のときも。
    仕入れのため開店日が少し先になりますが、日程が増やせましたら、分かり次第お知らせいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

  • 十二月のケヤキ

     

     

    十二月のケヤキ

     

    私の知るケヤキの木は、毎年今頃は葉が黄色く色づいていた記憶ですが、今年はまだ少し先のようです。店の雪柳は蕾がほころびはじめています。
    外はもう暗くなりました。

     

     

     

     

  • 雪柳 咲く

     

     

    日ごとに色づく雪柳

     

     

    江戸期の麻布(おそらく大麻)に紅葉した雪柳

     

     

    雪柳 咲く

     

     

    先月の終わり頃、雪柳の葉の紅葉がきれいだったので、店のガラス瓶に挿して愉しんでいました。月末の出張を終えて店に戻ってくると、細かな葉がかなり棚の上に落ちていたのですが、その葉がまた渋くきれいな彩りだったので、そのままに自宅に持ち帰り、江戸期の白い麻布の上に置いて暫く愉しんでいました。

    この時店で枝を揺すり、落とせる葉を手で振り落としてあげたのですが、その後枝から次々に蕾が現れてきて、とうとう雪柳の花が咲きました。写真の一輪のもっと上の多くの枝には、蕾が数珠繋ぎにふくらんでおります。春の花のはずですが、とても生命力のある雪柳です。写真はまさか花が咲くとは思わず、Diaryにと思い、一枚で完結するつもりで撮っていたものです。ぱたぱた過ごして結局アップできずにいたのですけど、時系列に並べてみました。

     

    アップするつもりで撮っていながらアップできなかった短いDiary、ちょこちょこあります。
    時々アップするこちらですが、お付き合いいただけましたら幸いです。

     

     

     

  • 師走 十二月

     

     

    丹波布 江戸末 19世紀

     

    十二月になりました。
    先日店を終えた夕刻に、街中を歩いていると、二人の男性が車の付いた台車にのせて、これからクリスマスツリーになるもみの木をゴロゴロと音を立てながらどこかに運んでおりました。まだ植木鉢に入れられていない、根元を丸く括られたもみの木は、とてもきれいなAラインをしていて割合大きな姿でした。ビルの中の、どこかのバーでクリスマスツリーになるのだろうか、クリスマスが終わったら、あのもみの木はどうなるのだろう、などとふいに想像しつつ、二人の男性に支えられてゴロゴロと去る木を振り返りながら、あのもみの木に幸あれと、そのゆく末を案じるような気持が胸によぎりました。何やら藤城清治さんの影絵のお話、「歩きだしたちいさな木」が思い出された光景でした。このお話は1970年頃にテレビの天気予報の背景になった影絵の動画、お話です。このような状況の今ですが、これから辺りは日ごとにクリスマスムードになってゆき、そして残る日にちを数えはじめるのでしょう。

     

    この一年は思いもよらない年になりましたが、今年も師走となりました。
    こちらはかわらずに琴線に触れる古裂を探し、解き、洗い、整えて、諸々の古いものとの対話を静かに続けることを自分の世界に想い、時間を過ごしてまいりたいと思っております。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

2020.11

  • まもなく師走です

     

     

    東博の銀杏の大樹

     

     

    大樹の下にて

     

     

    今、街路樹の桜の葉の紅葉がたまらなく美しいです。
    落葉になり梢に残る葉の、あの作り出せない赤々とした色彩の移行と明るさのグラデーションに思わず眼を見張ります。
    写真は一昨日の午前中に足を運んだ、上野の東博で見た銀杏です。明日29日(日)までの特別展「桃山天下人の100年」をぎりぎり間に合い観てまいりました。帰りぎわ、東博の門を出る手前の奥に、とても立派な銀杏の大樹があることに気付いて木の下まで行きました。幹周りがそうとうあり、樹齢どのくらいなのでしょう。黄色の木蔭は明るくて暖かで、大樹に守られているようで、ここで本でも読んで一日過ごせたらなあと思いつつ、銀杏の落葉をすこし拾いました。

    展覧会へは久しぶりに長谷川等伯の「松林図屏風」がとても観たくなり出かけたのですが、もしも「何かおひとつどうぞ」などと空想するなら、桃山の黄瀬戸立鼓花入 銘 旅枕を包んでいただこう、とか、織部黒沓茶碗 銘 捨小舟も好いし、などと、すこぶる気ままな思いで展覧会を観てまわりました。

     

    まもなく師走がやってまいります。

     

     

     

  • 九博「織物に魅せられて 加賀前田家伝来の名物裂」のお知らせ

     

     

    織物に魅せられて 
    加賀前田家伝来の名物裂

     

    九州国立博物館開館15周年記念 特集展示

     

    織物に魅せられて
    加賀前田家伝来の名物裂
    TREASURES FROM THE TEAROOM
    PRIZED TEXTILES OF THE MAEDA CLAN

     

    2020年12月1日(火)~2021年1月24日(日)
    *前期後期あります

     

    会場・九州国立博物館開館 4階 文化交流展示室

     

     

    九博にて素晴らしい名物裂の数々が特集展示されます。
    6月9日~8月2日の開催予定だったものが期間が変更になりました。特別展ではなく平常展の中の特集展示になる形ですので、入館予約は無いようですが、今後の状況もあるかと思いますので、入館に際しましてはご確認をされることをおすすめいたします。(休館日等も併せてご確認をおすすめいたします。)
    時間を忘れてしまいそうな、ため息の特集展示と思います。

     

     

     

  • 年内の展示会につきまして

     

     

    白地草花文ヨーロッパ更紗 19世紀

     

    展示会に関するお問い合わせを頂いておりまして、誠にありがとうございます。
    お知らせが遅くなり申し訳ございません。古裂古美術 蓮の年内の展示会は、今年はございません。楽しみにしていて下さいました皆様には、大変申し訳ございません。現在のところ未定ではございますが、今後も味わい深い古裂と魅力的な断片裂等をご紹介させていただく展示会「裂のほとり」展を、ぜひまた開催させていただきたいと思っております。十一月も後半に向かい、今年もあとひと月と少しとなりましたが、毎月古裂の仕入れに努めておりますので、商品に関しまして、また、気になる裂がございましたら、どうぞお気軽にお問合せ下さいませ。愉しい裂を探してご紹介させていただきたいと思います。

     

    なお、当店は完全ご予約制とさせていただいております。御来店のご予約につきましてもお気軽にお問合わせ下さいませ。
    どうぞよろしくお願い申し上げます。

     

     

     

  • 秋晴れの続く日

     

     

    昭和の古いビルの二階に蓮の店はあります。

     

    東京は昨日今日と、ぬけるように蒼く澄みきった空の秋晴れでした。
    写真は昨日、店の前から空を見上げたときのものです。昭和の古いビルで、蓮の店の上の階の部分には、ちょっとしたお城みたいな可愛いバルコニーの造りが装飾されています。銀座は数寄屋橋交差点から泰明小学校寄りになると、昭和だった頃の雰囲気がまだ残されています。 昨年も一昨年も、冬が来る前にこの界隈にチンドン屋さんがやってきました。裂を解いていてチンドン屋さんのあのリズムが近づいたり遠のいたりして、気になって幼い頃のように表に出てみたりして。この辺りの細い路地を三人のチンドン屋さんは何回も巡っていました。冬が来る前のチンドン屋さんに今年も会いたいものです。

     

    店といえばですが、グーグルで蓮をひくと、閉店と表示されているとのお問い合わせを頂いたことがございました。それからは気が付いた時に時々自分でひいてみるのですが、お隣の古いビルに所在するお料理のお店が当店として写っていたこともございました。なぜそうなるのかは不明ですが、蓮は隠れ部屋のようなささやかな空間でいとなんでおります。二階です。

     

     

     

  • 霜月 十一月

     

     

    黄繻子地扇面に蔦文様小袖解き裂
    江戸時代 18世紀

     

    十一月になりました。
    今年もあと二か月とささやかれるようになり、街では早くもクリスマスツリーが見られるようになりました。東京では木の種類によっては美しい紅葉が始まっておりますが、周辺の街路樹や公園は、たいていまだ緑の葉の姿です。
    これから更に秋が深まると、なつかしい柊の花が白く小さく咲きはじめます。金木犀とそっくりの柊の花は、人に知られようともせずにひっそりと葉の陰に咲きます。その様子がひそやかで良くて、晩秋の頃は通る道すがら何となく柊の木がないかと思いながら歩きます。くちなしの花に少し似たよい香りがします。

     

    写真は色とりどりに紅葉した蔦が扇面をつたうように巡らされた文様の古裂です。蔦は伝うところからその名が付いたといいますが、今はそう出逢えなくなった雑木林を散策して、緋色に色付いたからすうりや高い木々をつたう蔦の紅葉などが見たいものだと、この古裂を整えている時にふと思いました。落ちつくした枯葉を踏む音や、その匂いも。
    今月もよろしくお願いいたします。

     

     

     

2020.10

  • 雲ひとつない秋の空の一日

     

     

    路上の落葉

     

     

    並木通りの影

     

    本日東京は終日穏やかな秋晴れの一日でした。
    風も吹いて、空は雲ひとつない、ぬけるような青空。秋の陽ざしが乾いた空気に降り注いでいました。こういう空を見ていると海に行きたくなります。長い時間、浜辺を歩きたくなります。そんなことを思いながら、店までの道のりを遠くに聞こえるヘリコプターの音を聞きながら歩いていると、街路樹の花水木の落葉がとてもきれいな色で路上に散っていたので写真を撮りました。気がつけば路上の木の影も秋らしく伸びており、よい具合に見えました。でもこちらは逆光になったのか、ほとんど真黒に。

     

    今日、褪色がみられるものの黄地の美しい江戸期の古裂を撮ろうとしていたのですが、なかなか染め色が写ってくれずに断念。また挑戦しなければです。

     

     

     

  • 茜地草花文様インド更紗をアップいたしました

     

     

    茜地草花文様インド更紗 断片裂
    18-19世紀

     

    日ごとに秋も深まる中、少しばかり蒸し暑さを感じる今週です。
    茜地草花文様インド更紗の断片裂を商品紹介にアップいたしました。茜地の赤色の発色がとても美しい一点です。よろしければ御覧下さいませ。

     

    東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムでアンコール開催された「永遠のソール・ライター」展を観てからというもの、何だか赤い傘がほしくなってしまったのですが、ひとつの色でも、気に入った赤の色とはなかなか出合わないものです。赤の色は気持ちに活力をあたえてくれる色彩なので、インド更紗の特徴ある茜地の、深い赤色を眺めているととても心地よいです。一輪の赤い薔薇というのも素敵で、とくにくたびれたりした日などは帰り道に赤い薔薇を買うことがあります。山野草とまた異なる良さがあって、赤い薔薇のクラシックな雰囲気は目に心にいいものです。惹かれる赤の色です。

     

    *写真の茜地草花文様インド更紗の断片裂は御売約となりました。ありがとうございました。

     

     

     

  • 二十七周年を迎えました

     

     

    赤地草花文ヨーロッパ更紗 19世紀

     

    十月七日の本日、当店はお蔭様にて開店から二十七周年を迎えました。
    蓮の店に御来店いただき、また、古裂を通じて折々に皆様から頂く温かなお言葉に、これまでどれほど支えていただき、励ましを頂いて参りましたかわかりません。御縁を下さいました皆様に、心より深く感謝申し上げます。
    また、開店当初よりほんとうに長い間お付き合い下さり、ささやかな蓮の店のことを気に留めていて下さる皆様、この場より厚く御礼申し上げます。心より、ありがとうございます。

     

    古いものが好きという想いで、憧れていた日本民藝館のある東京・駒場に、一九九三年の十月七日に三坪の小さな蓮の店を出発させました。その後原宿、京橋、青山に移転し、ここ銀座の古いビルの二階のささやかな空間の店は、この十二月で七年目になります。どの店の時もささやかな空間で、いずれの場所も思い出深く、自分の心の中にその時々の時間と過ごした場所の風景が層になって灯っております。
    いろいろと大変な時代となり、仕事の形への模索は続くのですが、古い染織品にみられる草木からの色の深く澄んだ美しさ、江戸期の古裂の素晴らしさ、渡り裂の魅力など、古裂の愉しさを自分なりに少しでも次の世代にお伝えすることができればと願っております。
    学ばなければいけないことが多く未熟ではございますが、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

     

     

     

  • 金木犀の季節です

     

     

    二、三日前から、辺りにうっすらと芳しい香りが漂いはじめたと思っておりましたが、今朝窓を開けると、風にのってはっきりと金木犀の花の香りが部屋の中に運ばれてきました。どこから香りが届いているのか、その木の在る場所は毎年わからないままですが、郷愁を誘う金木犀のあまい香りに、深まる秋と過ぎし時間が想われます。

     

    窓を開けると、夏の間室内にかけていた白い帆のヨットのモビールが、風に吹かれてゆっくりゆらゆら動きをみせます。金木犀の花咲く季節になりましたが、ひと気のない静かな秋の海に想いを馳せて、まだこのままかけておこうと思います。
    だいぶ涼しくなり空気も乾燥してきて、古裂のアイロンかけもしやすくなってまいりました。

     

     

     

  • 神無月 十月

     

     

    慶長裂断片 秋草文(撫子 部分)
    16~17世紀

     

    十月になりました。
    水道のお水が冷たく感じられるようになりました。
    街中ではクリスマスケーキの予約やおせちの予約といった張り紙を見かけるようになり、相も変わらず時間ばかりが早く過ぎていってしまいます。いろいろとため込んだ仕事をこつこつ片付けなければです。 自粛期間を機にホームページのリニューアル作業を進めているのですが、もう少しかかります。裂を整える作業もコトコトと進めております。

     

    今年もいつもの道端で真赤な曼珠沙華を見ました。金木犀の香りには、まだ出会っておりません。そのうちに柊の白い花が咲きだすと、季節は初冬へと移行します。辺りの自然はいつも平和で、移りゆく時を知らせてくれます。先日スノードロップの球根を見つけたので植木鉢に植えました。早春の二月頃に真白くうつむいて咲く可憐な花で、コーカサス山脈に自生していると聞きます。木枯らし一号が吹く前の、この短い秋を折々に感受しながら過ごしたいものです。
    今月もよろしくお願いいたします。

     

     

     

2020.9

  • 「永遠のソール・ライター」展へ

     

     

    「永遠のソール・ライター」展

     

    Forever Saul Leiter
    「永遠の ソール・ライター」展

     

    東京・渋谷 Bunkamura ザ・ミュージアム
    7月22日(水)~9月28日(月)

     

     

    会期中に間に合い、やっと観てまいりました。
    2017年に東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで日本初の回顧展が開催され、今年1月に再び日本で「永遠のソール・ライター」展が同じく渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムにて開催されましたが、思いがけないコロナ禍の影響により開催中止となってしまいました。その展覧会が幸いにも急遽アンコール開催の運びとなった今展です。

     

    写真家ソール・ライターは1923年12月にアメリカ・ペンシルバニア州ピッツバーグで生まれ、2013年11月にニューヨークにて享年89歳で此の世を去りました。ニューヨークのアパートの同じ部屋に60年以上暮らしたというソール・ライター。彼の撮る雪の日のニューヨークの街や誰の日常にも在る時間、窓ガラスに映る人影や人びとの後ろ姿、それらをみつめる彼のまなざしを写真を通して体感していると、刻み続ける「時」の存在を感じるとともに、何かソール・ライターの心に映る心象風景、語ることはしない自身の背景、ソール・ライターに常に通底している波長のようなものが、こちら側にも通じて静かに流れ込んでくるような、そんな感覚を受けるのです。そしてソール・ライターの遺した言葉には、冬の星々のまたたきのような澄んだ美しさが在ります。

     

    We live in a world of color.
    We’re surrounded by color.
    私たちは色彩の世界で生きている。
    私たちは色彩に囲まれているのだ。

     

    「色」の存在について想うことの多い私は、この言葉がとても心に響きます。

     

    I happen to believe in the beauty of simple things.
    I believe that the most uninteresting thing can be very interesting.
    私は単純なものの美を信じている。
    もっともつまらないと思われているものに、興味深いものが潜んでいると信じているのだ。

     

    ソール・ライターの心根の言葉、
    ふたつとも本展図録からの言葉です。

     

    ソール・ライターの遺した膨大な作品資料はライターの遺言によって財団に託され、今なお新発見の作品の整理が続けられているそうです。
    私の拙い言葉を並べてみても何もお伝えできないのですが、「永遠のソール・ライター」展は9月28日(月)が最終日です。混雑が見込まれる連休中の日程の入場方法等については、会場にご確認されたほうがよろしいかもしれません。

     

     

     

  • 秋の訪れ

     

     

    タマスダレ。

     

    昨日のオークションの帰り道、道端でタマスダレの白い花が咲いていました。懐かしく、とても好きな花のタマスダレ。この花はヒガンバナ科だそうで、この花に逢うと、そろそろ赤い曼珠沙華の季節かと気付かされます。今日も別な道端で、タマスダレに出逢いました。写真の小さな一輪です。以前は植木鉢で育てており、毎年の花を愉しんでいたのですが、いつの間にか姿を消してしまいました。秋の初めに咲く楚々とした花です。

     

    道を歩いていると、チン、チン、チン、と鉦叩き(カネタタキ)の鳴く聲も聞こえてきました。小さな鉦を叩いている、そんな良い名前をつけてもらった秋の虫です。お店に入るとすだちが売られていたので買って帰り、いろいろに絞って使う。
    タマスダレ、鉦叩き、すだちと、秋の訪れを知る昨日今日です。

     

     

     

  • 天高く

     

     

    彩色画 唐船図(部分) 江戸時代

     

    日が短くなり、暮れどきが早まってまいりました。 店の外を見るともう暗いです。
    夕風はだいぶ涼しさを感じるようになりましたが、日中の暑さはまだ真夏なみです。何か九月になってからの残暑のほうが、身体にこたえるような気がいたします。それでも今日店に着くまでの間、銀座の交差点の信号待ちで空を見上げると、もう夏空ではなく、乾いた空気の秋の空が感じられました。天高く、というあの言葉が思い出された空の表情、空の蒼さでした。

     

    秋の終わり頃には、できるだけ人のいない海を見に行きたいものですが、今年は行けるかどうか。少しでもコロナ禍が落ち着いてくれますように。広い広い海を見て、あの波の音をずっと聞いていると、自然と自分が調律されてゆくような、そんな気持になります。そのようなことで、寄せては返す波の音を想いつつ、魅力の渡り裂たちを運んできた唐船の色彩画をアップしました。御覧いただけましたら幸いです。

     

     

     

  • 長月 九月

     

     

    幡裂残欠 種子阿弥陀如来図
    江戸時代 17~18世紀 絹

     

     

    九月になりました。
    猛暑の夏も過ぎつつあり、止まない蝉時雨にも季節の終わりをそこはかとなく感じます。
    この時季はなぜか桜の木がよく葉を落とすので、道を歩いていると、桜の香りがしてくることがあります。桜餅の、あの香りです。もう少し移ろうと、ある日道端で金木犀の香りにも出逢うことでしょう。秋は様々な香りを連れてやってきます。

     

    八月は休会だったところのオークションも今月から再開し、今年後半のすべてがゆっくりと動き始めました。残る四カ月は、どのような風景の日々になるでしょうか。コロナ禍の不安は伴いますが、自分の好きな世界を静かに見つめてまいりたいと思います。
    今月もよろしくお願いいたします。

     

     

     

2020.8

  • 残暑御見舞い申し上げます

     

     

    霰に見えるのは海の泡か浜辺の砂か…
    藍地蓑亀文様縮緬端裂 江戸末頃

     

    残暑御見舞い申し上げます。
    連日大変な猛暑が続いております。この夏は昨年よりも気温が高いようで、更にマスクで熱がこもるので外出時はとくにきびしいです。
    先日裂の荷物を持ちながらゆるやかな上り坂を歩いていると、何やら息苦しくなり、息を吸うのか吐くのかよくわからなくなってどきどきしてきたので、あわててマスクを外して暫く立ち止まりました。あまりの暑さにこれはまずいと思い、冷房を求めてカフェに入り、アイスコーヒーとアイスクリームにて体温を冷ましました。ひんやりと味わったその時のアイスクリームが大変美味で、それ以来暑さを理由に、いろいろとアイスクリームを買い込んでは深夜に食してしまうという、危険なパターンに陥っています。夜アイスクリーム、そろそろ意思を固く持たないとです。

     

    おとといの夕暮れに蜩の聲を聞きました。それに少し陽が短くなりましたね。
    秋は確かに近づいております。皆様も涼しくお過ごし下さい。

     

     

     

     

     

  • 葉月 八月

     

     

    蚊帳雛形 江戸時代

     

    八月になりました。
    長かった梅雨がようやく明けて、蝉時雨の夏がやってまいりました。
    今年はマスク着用の必要から、いつにも増して暑い夏になりそうです。今から涼しさが待たれる気もいたしますが、春夏秋冬巡る時候のこと、その時どきの季節を日常の中で楽しみたいものです。夕風が吹いたあとの夏の夕暮れの空の色や、夏の明るい夜空の色は、確かにこの季節特有の光り方をしています。茗荷や枝豆、平凡ですが、季節のものと分かっていただくと、美味しいですね。こうしていつもと変わらぬ静かな夏は、裂を整える作業と諸々の要件のうちに、一日一日過ぎゆくことと思います。

     

    蓮では、夏季休業以外に新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、今月八月の店舗営業を休業させていただくことにいたしました。ご不便をおかけ致しまして大変申し訳ございませんが、何卒よろしくお願い申し上げます。
    なお、トップのお知らせでもお伝えいたしましたが、店舗休業中も通販をおこなっておりますので、お探しの裂やお問い合わせ等がございましたら、お気軽にお電話にてご連絡下さい。

     

    暑さの折、どうぞ皆様も御自愛下さいませ。
    今月もよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

     

2020.7

  • 七月が終わります

     

     

    丹波布・和更紗・絹縞裂・ヨーロッパ更紗・格子木綿・唐木綿 断片裂 18~19世紀

     

    梅雨明けが遅れており、そろそろ夏空が見たくなってまいりました。
    蝉の聲もよく聞かれるようになり、雨降りの木陰にでもいるのでしょうか。
    今月は思いのほかとても慌ただしく過ごしてしまいました。眠るのも急いで眠るような、ぱたぱたと、ほんとうに時間が過ぎるのは早いです。
    七月は商品紹介のページが進まずに申し訳ございません。またいろいろと愉しい古裂をご紹介させていただきたいと思います。ぜひ御覧下さいませ。
    七月が終わります。八月も、皆様もどうぞお気をつけてお過ごし下さい。

     

     

     

     

     

  • 八月のお知らせ

     

     

    ヨーロッパ更紗の小座布団 19世紀

     

    八月は店舗の営業をお休みいたします。
    店舗休業中の間も通販はおこなっておりますので、商品のお問い合わせ等ございましたら、お気軽にお電話かメールにてお問い合わせ下さいませ。

     

     

     

     

     

  • 初蝉

     

     

    麻布 江戸末

     

    昨日の夕刻、銀座泰明小学校の後ろにある小さな公園から、初蝉の聲が聞こえました。今年初めて聞く蝉の聲は、梅雨寒の小雨が降る日にでした。行き交う人たちは皆傘をさしてマスクをして、先を急いで足早に歩いていました。
    まだ本調子ではない蝉の聲を聞きながら、夜になりかけの、きっとこのくらいの時間のことを「逢魔が時」というのだな、などと思いながら角を曲がると、もう蝉の聲は耳に届きませんでした。
    この夏は、どのような夏になるのでしょうか。皆様も引き続きお気をつけてお過ごし下さい。

    写真は洗い整えた江戸末頃の麻布(おそらく苧麻)です。
    このところ妙に涼しいですが、梅雨明けも近いのでしょうか。
    夏の夕暮れや夜空のあの色。時間が見せてくれる色に、この夏も会えるはずです。

     

     

     

     

     

  • 明日は七夕

     

     

    明日は七夕。

     

    明日は七夕です。
    雨があがりますよう。

     

     

     

     

  • 文月 七月

     

     

    浅葱地花唐草文インド更紗 17~18世紀

     

    七月になりました。
    今日は一日梅雨の晴れ間で、風がつよく、窓の外からは風の音と繁る木々たちの葉擦れの音が聞こえていました。こうした自然の音は平安時代から、もっと前の太古の時から、変わらない音でしょう。心地よい音の走りを耳で追いかけていると、近づいた七夕の“笹の葉さらさら”という言葉も音として浮かんできました。
    幼い頃は笹に七夕飾りをしました。そして七夕が終わると近くの川に、飾りのついた笹を流しに行きました。今ではとても出来ないことですね。流した笹が、流れの途中で引っかかったり、水の勢いでまた流れて行ったり。そのうちに遠く見えなくなると、広い海まで行ってくれるかな、などと子供心に空想に耽ったものです。あの川に流されて遠のいてゆく七夕飾り、願いごとを書いた短冊の色紙の、桃色や黄色のとりどりの色が沈んでは浮かぶ、その繰り返しを見えなくなるまでずっと見ていたのは昭和の橋の上でした。

     

    写真は十七~十八世紀頃に製作された浅葱地花唐草文インド更紗です。(ご購入いただいたお客様のご了承をいただき掲載させていただいております。)
    初蝉の聲が聞こえてくると、暑さでアイロン仕事も遠のきがちです。 でも、皆様に愉しんでいただける古裂をまたご紹介させていただきます。
    今月もよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

     

2020.6

  • そら豆の色

     

     

    そら豆のお歯黒。

     

    この時季そら豆をずいぶんと茹でました。さやを開けて、ふかふかの綿に守られているそら豆を見るのは愉しいです。茹でる前のものを一枚写真に。こういう色目の海気をみつけられると、裏裂をお探しの方に喜んでいただけそうです。
    「海気」は「海黄」、「かいき」とも書き、仕覆の裏裂に使われます。特徴として経糸は緯糸より細く、緯糸は太めの平糸が使われております。表裂を白色系に、裏裂をこちらのような翡翠色で。緒の色も裏裂に合わせて。ガラス盃などの仕覆にそのように取り合せられたら涼し気で、より夏を迎える気分になりそうです。

    そら豆の時期も、そろそろ終わりになります。
    お歯黒を見ていると、そら豆が笑ってみえます。

     

     

     

     

     

  • ライオン像もマスク

     

     

    お似合いです。

     

    銀座三越さんのライオン像もマスク着用でお客様をお迎え中です。
    通りかかる皆さんシャッターを押していました。

     

     

     

     

     

  • 水無月 六月

     

     

    木綿花色地波に貝文紅型裂 19世紀

     

    六月になりました。
    早いもので、一年の半分がもう過ぎてゆきます。六月三十日は夏越の祓です。 自身の今年前半の穢れを祓い、残る半年の無病息災を祈願する、古くから続く年中行事のひとつです。今年は各地で執り行われる夏越の祓に、よりいっそうの切なる願いが込められるのではないでしょうか。

    そして皆さま、六月といえば、お菓子の「みなづき」です。本来は六月三十日の夏越の祓の日にいただくお菓子ですが、今は六月の声を聞く前から和菓子屋さんに並んでいたりします。昨日デパ地下で、今年お初に「みなづき」にお目にかかりました。なんて美味しそうな、しかしまだ買わずに眺めただけです。気分の問題で、やはり夏越の祓まで(か、その日近くまで。か、あと少しだけ)待ちたいと思います。
    昨年デパ地下では七月の半ば頃まで「みなづき」が販売されておりました。季節が売りの和菓子屋さんが、お菓子の季節を通り越してどうするのだ、とふっと怪訝な思いがよぎったのも束の間で、「今日もある。」「あら、まだ売っている。」と七月のデパ地下に立ち寄るたびに目が笑い、「みなづき」を包んでもらった初夏の記憶がよみがえります。梅雨の終わりが待たれる頃でした。

    緊急事態宣言が解除されましたが、まだ安全には遠い状況です。
    皆様どうぞお気をつけてお過ごし下さい。
    今月もよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

     

2020.5

  • アヤメの染め紙

     

     

    アヤメの染め紙

     

    咲き終わったアヤメを摘むと指先が紫色に染まったので、そこにあった和紙に摺ってみると、とてもきれいな色紙になりました。どこに見せる気もなくくしゃくしゃと摺ってしまったのが少し残念です。

     

    このアヤメは花が咲くところを偶然みることができました。机で仕事の作業中、視界に何か動くものが感じられたので顔を上げると、目の前に挿していたアヤメの左側の花弁がピン、と中心から離れて揺り動き、ゆっくりとゆっくりと、横に広がり咲き始めたところでした。お祭りのような嬉しさでした。花が咲くところに立ち会えたのはこれで二度目です。花が咲く時、花はとても力を出していることが感じられます。
    最後に和紙に色に来てもらい、たった一度の時を見せてくれたアヤメにはまだここにいてもらいます。

     

     

     

     

     

  • ヤグルマギクとエジプト

     

     

    ヤグルマギク

     

    郵便局の帰り道、お花屋さんをのぞくとヤグルマギクがありました。藤色めいた色の姿のよいものを選ばせてもらい、数本持ち帰りました。

    ヤグルマギクというと、ツタンカーメンの棺の中に、ヤグルマギクの入った花束が入れられていたという美しい話を思い出します。ファラオで繋がり、MIHO MUSEUM所蔵のガラス彫刻作品「ファラオ頭部(おそらくアメンホテプ3世)」のことも思い出されました。こちらの心を掴むあの神秘の眼、その美の力たるや、MIHO MUSEUMの所蔵品の中で最も好きな作品です。エジプトの記憶を微かに纏うこの花を見ていたら、信楽の桃源郷に安息するファラオに久しぶりに逢いに行きたくなりました。その道のりは、まだ少し先のこととなりそうです。

     

     

     

     

     

  • 皐月 五月

     

     

    木綿黄地稲妻に鶴亀楓文紅型裂 19世紀

     

    五月になりました。
    錆朱色の芽吹きを見せていたケヤキの木も、今はもう青葉が繁りだして風に葉擦れの音を聞かせてくれています。外はもう初夏の日射しです。
    この度の状況が続いておりますが、皆様もいかがお過ごしでしょうか。こちらも今できることにつとめています。相変わらず一日が過ぎるのがとても早いです。
    店舗営業の再開はまだ見えておりません。ご不便をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。何かお問い合わせがございましたら、お気軽にご連絡下さいませ。

     

    写真は沖縄の紅型裂です。縁起のよいモチーフの鶴と亀です。鶴は千年、亀は万年といいます。日本のみならず世界において、末永く穏やかな時が続いてくれますように。
    引き続きどうぞ皆様もお気をつけてお過ごし下さいませ。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

     

2020.4

  • 花を買う

     

     

    瑠璃唐綿(るりとうわた)

     

    東京がこの現状となってから、2週間と少しが経ちました。
    外出や移動の自粛が呼びかけられている今、私も住いで裂の作業と裂のことで、ぱたぱたと過ごしております。いつも何かをし続けてしまうというのが、自分の普段からの過ごし方なので、時間自体にあまり変化は感じられず、一日がとても短いです。

     

    郵便局など所用で外に出るときには、決まって近くのお花屋さんの前を通ります。気分的にも今室内に花が在ってほしいので、ちょっとのぞいてみるのです。
    近くのお花屋さんは、山野草などの和花はなかなか見かけず、たいていは洋花です。一番好きなホタルブクロが、季節に並んでくれたりするとうれしいのですが。

     

    今日お花屋さんでブルースターを買いました。うぶ毛に覆われた、写真の花です。調べてみると、和名を瑠璃唐綿(るりとうわた)というそうです。うぶ毛が綿のようだからでしょうか。瑠璃の文字からつい連想して、美しい瑠璃→正倉院のガラス碗→ペルシャ→砂漠のらくだ、ときて、この澄んだ水色の瑠璃唐綿の花に、らくだの姿を呼びよせてしまいました。この花に居てもらいながら、午後も仕事を続けます。

     

     

     

     

     

  • 藍染めの無地木綿

     

     

    藍染 無地木綿 幕末

     

    写真はインスタグラムに投稿した幕末頃の藍染めの無地木綿です。
    この裂は折り込まれていた両端の部分に藍の色が色濃く残り、それ以外は使用によって自然にさらされ、染め色が淡くなっています。どういう使われ方をしたのか、布団の一部分だったのでしょうか。裂を手入れする間はずっとその色彩を目にしているので、色の効果というのか、気持ちがしだいに鎮まってゆくそのことを、これまで幾度となく感じてきました。少し大きく言えば、“森林浴”に近いような、緑の中を歩いているような、それに通ずる和むものが、草木からの色にはやはりあります。色の存在は不思議で美しいです。

     

    様々な不安がよぎる日々が続いておりますが、どうぞ皆様もおだいじにお過ごし下さいませ。ゆっくりペースかもしれませんが、HPの商品紹介やインスタグラムにて、古くて愉しいものをまたご紹介させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

     

  • 「青花の会骨董祭2020」延期のお知らせ

     

     

    雨の日の桜

     

    6月に開催予定の「青花の会骨董祭2020」は、新型コロナウィルス感染拡大の実情を受け、開催日時が延期となりました。古裂古美術 蓮では、今回も出展させていただく運びにて小企画展を準備しておりましたが、今後の機会に更にあたためてご紹介させていただければと思っております。

     

    延期後の開催日程等につきましては、今のところまだ未定とのことでございますが、当店からお知らせできることがございました折りには、あらためて御覧いただけましたら幸いです。 出展を気にかけて下さっておりました皆様には大変申し訳ございません。何卒よろしくお願い申し上げます。 どうぞ皆様におかれましても、くれぐれも御自愛されてお過ごし下さいませ。

     

     

     

     

     

  • 卯月 四月

     

     

    銀座の数寄屋橋交差点に咲くクリスマスローズ

     

    四月になりました。
    新年度の今日、東京では冷たい雨が一日中降り続きました。銀座の数寄屋橋交差点にある交番前には、一本の大きな桜の木があり、今年も見事に咲いているのですが、その桜の根元に、自然に増えていったように見えるクリスマスローズの花が、今たくさん咲いています。交番のおまわりさんにお断りして、写真を撮らせてもらいました。正午頃でしたがあきらかに人の少ない銀座です。4人のおまわりさん達は交番前にずらっと並び、あれこれと世間話をしているようでした。写真を撮り終えてひと言御礼を言うと、おまわりさん達はぴたりと話をやめ、白いマスクの上に見える目は皆揃って笑っており、頷いてくれました。平和なひとときでした。

     

    東京都の新型コロナウィルス感染拡大を予防する観点と現在の状況から、四月の開店日を変更させていただきました。大変申し訳ございません。このようなことになるとは思ってもみませんでしたが、今後も状況を考慮しながら予定を更新させていただきたいと思っております。
    なお、お店の営業はお休みさせていただいておりましても、裂の作業で店に出ていることもございますので、何かございましたらお気軽にお電話下さいませ。
    今後は少しずつ古裂を商品紹介のページにアップできるようにと考えております。さくさくと作業が進められなく、いつも申し訳ございません。愉しい裂も仕入れてございますので、整えましたら、ぜひまたご紹介させていただきたいと思います。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

     

2020.3

  • やすらい花

     

    溜池山王で見た枝垂桜

     

    本日の午前中、用事で溜池山王界隈へ行きました。大通りから裏道へ入り暫く歩くと、大きな建物の敷地内なのですが、ちょっとほっとするような景色の場所があります。人工ですが、奥の方に小さな滝が造られていて、その水音がいつも聞こえています。周囲の植物の手入れも行き届いており、何かそれが事務的な冷たい感じを受けません。その空間で、自然が愛でられているような印象です。一度その滝の前まで行ってみたい気になりますが、柵はないものの、人の行き来を見たことのない、静かな敷地に入ってゆくことがはばかられ、いつも滝が見えるところで暫し足を止めてから、今日もまた通り過ぎてきました。

     

    その敷地の手前に在るまだ若そうな枝垂桜が、花数少なく、とてもふんわりとした立ち姿で今日咲いておりました。逆光でうまく色が撮れませんでしたが、昔贈答品で薔薇の花の形をした桃色の角砂糖がありましたが、ちょうどあのような感じです。薔薇の角砂糖が、愛らしくふんわりと枝垂れているようでした。ふと、「やすらい花」のことを思いました。今の状況が少しでも早く終息に向かいますよう、無病息災を願いました。

     

    明日28日は仕入れで足を延ばす予定でおりましたが、東京都からの今週末の不要不急の外出自粛要請を鑑みて取りやめました。スケジュールどおりではございますが、明日土曜日お店はお休みにさせていただきます。お客様に御来店いただきますにも今週末の状況をふまえますと、移動中お客様に差し障りがあるといけないと思っております。何卒ご了承いただきたく、どうぞよろしくお願いいたします。
    なお、古裂のお問い合わせはいつものように、お気軽にお電話にてお尋ね下さいませ。また愉しい古裂がご紹介できますよう、引き続きいろいろとつとめてまいります。

     

     

     

     

     

  • 春をゆく

     

     

    ある日の銀座四丁目

     

    本日は気温が上がり、東京では21℃もあったようです。
    いつも歩く、郵便局のある道路沿いの桜並木は、桜の蕾がずいぶんと膨らんでおりました。この春は、どこもがいつもどおりの春ではありませんが、こつこつと古裂に向かういつもの時間は、何も変わりはありません。アイロンの音シュウシュウ、窓の外はもう暗くなりました。近くのバーから昭和の音楽らしき音が小さく聴こえてきます。蓮の店の周りは小さなバーがたくさんあるのです。

     

    写真は先週の銀座四丁目の風景です。お天気で、風のある日でした。

     

     

     

     

     

  • 弥生 三月

     

     

    桃の節句によせて  
    無地裂 麻と絹 江戸時代

     

    柳の芽吹き

     

    三月になりました。
    昨日の京都出張では、帰りの夕刻にかなりの雨が降りました。雨足の強まる中、通りかかったお花屋さんの店先に良い桃の花が売っていたので、傘をさしながら蕾の頃合いの枝を選ばせてもらいました。今求めておかないと、お雛様に飾る桃をうっかり買いそびれる気がしてです。雨がセロファンにかかり、水玉の反射で桃の花の色がいっそう濃く感じられました。

     

    ふと見ると、脇のほうのバケツに細い柳の枝がたっぷりひとまとめにされていました。柔らかに萌え出た鶸色の芽が、勢いを秘めて枝先に順々に連なっています。付いているお値段もびっくりするほどお安くありました。水に挿していると、おそらくそのうちに根がでてきそうです。さすが京都のお花屋さんは何気に素敵なものを売られはる、などと下手な京言葉?を心に浮かべて、たっぷりとまとめられた柳の枝も包んでもらい、お土産にして帰路につきました。室内に桃の花とたくさんの柳の芽吹き、江戸時代の草木染めの無地裂とささやかなお雛様。

     

    色たちに厄祓いを祈念して、暮らしに春を迎えようと思います。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

     

2020.2

  • 春の芽吹き

     

    瞬く間に二月が終わろうとしています。
    今月は、引き解いた裂を洗い整えてアイロンがけをする作業をこんこんと続けておりました。洗えるものと、そうでないものを見極めて作業をするのですが、汚れが落ちますと麻織物などは質感が蘇り、染め色も冴えてきて、目にも掌にも清々しいものが感じられます。それらの古裂を室内に広げていると、あらためて日本の色が持つ繊細な美しさや「色」の力といったものに気付かされます。古い裂の魅力ある色彩と対話しながら、また様々な古裂と出会ってゆきたいと思った今月です。

     

    道端で紫陽花の枝が芽吹いているのを見かけました。うちの鉢植えの銀杏は、まだ芽吹いておりません。春が来て、これから辺りの風景が変わり始めます。
    まもなく三月です。

     

     

     

     

     

  • 如月 二月

     

     

    籠目刺繍のある小袖断片裂 江戸時代

     

    二月になりました。
    一年の中で一番好きな月がやってまいりました。春まだ浅く、冷たい大気の中にひそむ春の気配に、移りゆくものの何か「間」といったようなものが感じられ、夜の闇も、一年の中で一番静かなような気がしてしまいます。二月には草木の芽が張る「草木張月」(くさきはりづき)という美しい別名もあります。

     

    節分に、柊や鰯の頭等と共に、竿の先に籠を伏せて鬼を追い払う習俗があるので、それにかけて籠目のある古裂を探してみました。写真はその古裂で江戸後期頃の小袖の小さな断片裂です。変わった籠目の刺繍で、何という籠になるのか名称がわかりません。深さがあるので魚籠でしょうか。ちなみに節分に籠というのは諸説あるようですが、籠は鬼の目より目数を多く持つので、鬼を怖れさせる力があるのだそうです。

     

    春が近づいてまいります。
    今月もよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

     

2020.1

  • 節分が近づいて

     

     

    溜池山王で見かけた小さな枯野

     

    少しずつ、陽の光りが力を増してきたように思われます。
    豆撒きの節分が近づいてまいりました。江戸時代には、節分前のこの時季、町中に振り売りの柊売りが歩いたそうです。振り売りとは今でいう行商です。
    節分の夜、鬼を追い払うために家の門口に柊と鰯の頭、豆がら等を挿しますが、江戸時代の振り売りは、柊と赤鰯二匹と豆がらのセットで、幕末の価格で八文ほどで売り歩いたといいます。さかのぼった「蓮の道草17 季節と江戸時代の振り売り」にその散文を記しています。お暇なとき、もしよろしければ御笑覧下さいませ。

     

    写真は先日溜池山王界隈で見かけた枯野です。冬の陽に燦々と照らされて、土の中は暖かそうに見えました。一面枯草のようですが、所々に草の若芽がかすかに萌え出でており、何となく鶸色(ひわいろ)めいた枯野であることが御覧いただけるでしょうか。
    鄙びた古裂の色を思い浮かべました。

     

     

     

     

     

  • 空色の麻をアップいたしました

     

     

    空色の麻 江戸末頃

     

    解き洗いして整えました空色の麻を、インスタグラムにアップいたしました。
    写真では実物の染め色がなかなか表せないのですが、とても美しい麻織物です。
    よろしければ御覧下さいませ。

     

     

     

     

     

  • 空色の麻を洗う

     

     

    空色の麻を洗う

     

    写真は先日解き終えて洗っている、江戸末頃の麻の裃です。おそらく経糸緯糸大麻と思われます。この浅葱の麻は、それなりに時代の汚れがあったのですが、丁寧に手洗いすると、めずらしいほどみるみる汚れが落ちてくれて、とても美しい明るい染め色を見せてくれています。澄んだ空色、空色の麻です。写真は室内の光もあって、この空色がなかなかお伝えできていないのですが、裂の端のほつれた糸を整えてアイロンが出来ましたら、そのうちインスタグラムに載せられたらと思います。

     

    今日、東京で雪が降りました。お正月に初雪が舞ったので、今年に入って2度目になります。雪の結晶見たさに、着ぶくれしたコートの肘を傘から出して小雪を受けると、半欠けになった雪の結晶が見られました。さすがに冷え込んだ一日でした。
    皆様も暖かくされてお過ごし下さい。

     

     

     

     

     

  • 2020年 明けましておめでとうございます

     

     

    唐木綿 19世紀

     

    新年明けましておめでとうございます。
    新たな一年が始まりました。

     

    穏やかなお天気のお正月です。皆様いかがお過ごしでしょうか。
    元旦の本日は、ハサミを持たない、解きものをしない、お正月の福の神様との御縁を解かないことにかけてです。ついコトコトと、何かをし続けてしまう性分は、今日ばかりはおとなしくしててもらいましょう。白く温かな甘酒などをのみながら、本のページをめくったりして、ゆっくり一日を過ごします。読みたい本が、ありすぎです。

     

    今年も味わいのある、時代の愉しい裂と出逢いたいものです。
    またいろいろとご紹介させていただけましたら幸いです。
    本年もどうぞよろしくお願いいたします!

     

     

     

     

     

2019.12

  • 「蓮の道草」49,50アップいたしました

     

     

    鳳凰のような雲

     

    「蓮の道草」49と50をアップいたしました。
    とても気ままに続けている「蓮の道草」、いつのまにか50になりました。
    止まっている時は、延々と冬眠しているごとく音沙汰なく、動き出すと、いきなり章がふえているという。お暇なときに、もしも思い出されましたら、御笑覧いただけましたら幸いです。

     

     

     

     

     

  • 今年も暮れゆきます

     

     

    赤地紬おもちゃ尽くし文様型染裂 
    江戸末~明治

     

    今年もあと数時間で暮れゆきます。
    この一年も、たくさんの方から励ましとお力添えをいただきまして、無事に一年の終わりを迎えることができました。皆様に大変お世話になりました。心より御礼を申し上げます。
    ありがとうございました。
    今年は東京以外で初めての展示会を名古屋の月日荘さんにておこなわせていただくなど、多くの出逢いとご縁を頂いた年でした。名古屋の展示会にお運び下さいました皆様、そしてお声掛けを下さいました月日荘さんに、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

     

    東京の展示会に於きましても、お忙しい中たくさんの皆様にお運びいただきまして、心より感謝申し上げます。新たな出逢いや御縁を頂く中、今年は古い裂を探してご紹介をさせていただくことの意義について考えさせられたり、様々な意識の芽生えのようなものを感じられた一年だったかもしれません。引き続きこれからも一生懸命古い裂を見つけ、古い裂の世界をいろいろな方に知っていただけますよう、愉しいものをご紹介させていただけますように、努力してまいりたいと思います。少しずつですが、今後も愉しい試みを続けてまいりたいと思っております。来年もどうぞよろしくお付き合いをいただけましたら幸いです。

     

    来る年が皆様にとって幸多いお年となられますよう、心よりお祈り申し上げます。
    皆様どうぞ良いお年をお迎え下さいませ。

     

     

    古裂古美術 蓮

     

     

     

     

     

  • 「蓮の道草48」アップいたしました

     

     

    能装束断片裂 江戸時代


    久しぶりに「蓮の道草」をアップいたしました。
    昨年の暮れに、東京・共立女子大学の「染織品保存修復実習」の授業に参加させていただいたときのことを記しました。
    よろしければ、お暇なときにでも御覧いただけましたら幸いです。

     

     

     

     

  • 2019 Merry Christmas!

     

     

    ヨーロッパ更紗 19世紀末
    日本の無地木綿 江戸末~明治

     

    まもなく今年もクリスマスがやってきます。
    銀座の街は、街路樹に豆球?のような灯が飾られていて、夜はいっそうクリスマスのムードです。今日も無事に一日が終わろうとしています。明日は今年最後の出張です。

     

    クリスマスといえば、クリスマスケーキです。
    デパ地下には、とびきりお洒落なスイーツが並んでいますが、私は昔の、昭和のクリスマスケーキが大好きです。バタークリームは少々苦手なのですが、昭和のあのクリスマスケーキの可愛らしいこと。ケーキの上に、サンタや鹿のロウソクや、ウエハスの小さなおうち、ピンクの薔薇のクリームの上には、銀色の粒々が光っていました。もみの木の飾りもありましたね。ああいうようなクリスマスケーキ、今もどこかにあるのでしょうか。のどかなケーキ。復活してもらいたい、食べずにずっと眺めていたいほど、夢のあるケーキでした。

     

    写真はヨーロッパ更紗と日本の緑地の無地木綿です。ちょっとクリスマスのイメージで。
    出張が終わると、いよいよ年の瀬です。
    皆様、よいクリスマスをお過ごし下さい。

     

     

     

     

     

  • 師走 十二月

     

     

    古裂断片・絣入縞裂 和更紗 金襴 江戸~明治
    インド更紗・唐木綿断片 19世紀

     

    12月になりました。
    今年もとうとう師走となりました。このところの冷え込みと、室内の乾燥からか、十分注意していたつもりが、突如スタートから風邪をひいてしまいました。 今月は年越しを待つせわしないひと月ですが、早くに治して、師走を取り巻く空気感、街の華やいだざわめきも、クリスマスの彩りも、落ち葉の公園の静けさも、季節の様々な音と表情を味わいたいと思います。

     

    先月末の出張では、京都の鴨川沿いの桜も銀杏も、もう落ち葉になっており、美しく紅葉した赤色や黄色の葉は、梢にわずかに残るのみでした。残照と言いたいほどに、素晴らしい色だったです。
    散り敷いた落ち葉の吹き寄せのように、いろいろな古裂の断片を並べてみました。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

     

     

2019.11

  • 霜月 十一月

     

    帯芯に使われていた木綿地絞り裂 江戸末~明治

     

    11月になりました。
    ようやく天候が落ち着いてきたようで、ここ数日の東京は秋空が続いております。
    10月27日に特別企画展 裂のほとりⅥ「-縞・格子・絣 展-」を無事終了し、すぐに関西に出張、今回は奈良にも足をのばしました。奈良国立博物館の正倉院展です。大変な混みようでしたが、出陳の「七條刺納樹皮色袈裟」が拝見でき、暫し我を忘れて尊く美しい目の前の宝物を、心静かに眺めてまいりました。
    久しぶりに興福寺の阿修羅像にもお目にかかりました。祈るとも、気持ちを預けるとも異なる、ただ今の時に手を合わせるような、そんな気持ちで阿修羅像を見上げ、見つめてきた今回です。時間になったので近鉄奈良駅までの下り坂をゆっくりと歩きました。普段では、ゆっくり歩くことすらしていないなあ、などと思いつつ、鹿せんべいをもらう鹿の横を通りすぎながら、来る師走のことを思い浮べた次第です。

     

    冬将軍、木枯らし一号、これからの季節は、ある日突然冬が来るのでしょう。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

     

2019.10

  • 裂のほとりⅥ「-縞・格子・絣 展-」無事終了いたしました

     

     

    特別企画展 裂のほとりⅥ
    -縞・格子・絣 展- より

     

    裂のほとりⅥ「-縞・格子・絣 展-」無事終了いたしました。
    今展はたいへんな大雨から始まりました。横なぐりの雨の中にも御来場下さいました皆様、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。日本の江戸時代を軸にした今展の「縞・格子・絣」をご紹介させていただき、今回の機会に於きまして、皆様から様々なご縁を頂きましたこと、大変感激しております。これからもひとつづつ古い染織品と向き合い、古いものを探してまいりたいと思います。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

     

     

     

     

     

  • 裂のほとりⅥ「-縞・格子・絣 展-」はじまります

     

     

    特別企画展 裂のほとりⅥ
    -縞・格子・絣 展-会場

     

    本日より特別企画展 裂のほとりⅥ「-縞・格子・絣 展-」がはじまります。
    お越しいただけます時が、少しでも雨足がよわくありますよう、どうぞ皆様、お気をつけてお運び下さいませ。
    御来場を、心よりお待ち申し上げます。

     

     

     

     

     

  • 「裂のほとりⅥ」まであと3日

     

     

    特別企画展 裂のほとりⅥ
    -縞・格子・絣 展-

     

    裂のほとりⅥの開催日まであと3日となりました。インスタグラムでの今展出品ラストのご紹介を先程投稿いたしました。古裂をいろいろと御覧いただきまして、どうもありがとうございました。数えるだけの日にちとなり、どきどきと緊張気味です。会期までのあと少しの間、古裂を整える作業を続けます。

     

    今週末のお天気が気がかりですが、どうぞ様々な縞・格子・絣の古裂を御覧いただけますように。
    皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。

     

     

     

     

     

  • 開催日が近づいてまいりました

     

     

    久米島紬 濃茶地黄格子の中に緯絣
    19世紀頃と思われる

     

    特別企画展 裂のほとりⅥ「-縞・格子・絣 展-」まであと数日となりました。
    ご紹介させていただきたい古裂の数々、只今準備を続けております。
    時代の縞・格子・絣が持つ、普遍的な魅力と美しさを御覧いただけますよう、
    愉しいひとときとなりますよう、
    皆様にお目にかかれますことをたのしみにいたしております。
    引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

  • 秋のメニュー

     

     

    展示会出品予定 絹地幾何学文経緯絣帛紗 
    裂・インド 19世紀

     

    展示会までの日にちを数える頃となりました。
    裂を整える作業を続けております。こうして毎日裂に触れ、ルーペで見て確認等していても、裂の世界は広範でほんとうにむずかしく、ひととおり分かったような気にならないので、更にもっと歩いていかなければならない、道また道です。奥深い森を彷徨っている感じです。
    少しひと息ついて、秋の夜なべに温まる、お豆のたくさん入ったミネストローネでも作っておきたい気分です。しかし、作るのにも時間が要る。・・・作りたい。作ってあったら。・・・希望にて終わるでしょう。
    インスタグラムに美しい幾何学文経緯絣の帛紗をご紹介させていただきました。御覧いただけましたら幸いです。

     

     

     

     

     

  • 神無月 十月

     

     

    縞帖 江戸時代

     

    10月になりました。
    残暑と言いたいほどにまだ暑さが続いておりますが、東京では彼岸花も咲き終わり、もうすぐ金木犀が香ってくる頃と思います。金木犀の花の香りには、何か郷愁を呼び起こすものがあって、あの香りは自然が用意した想い出の扉なような気もします。ふと道を曲がって、どこかからか運ばれてきたあの香りに出会うとき、それがわずかな間でも、此処ではない時間の中へ、記憶も気持ちも持っていかれます。
    この時季が来ると電車に乗って、金木犀のお酒を呑みに出かけるたくなる。人の波が引いた、秋の海を見に行きたくなる。散らかった部屋を見渡しながら、そのうち、そのうち、と口をもごもごさせて、目の前のなかなか進まない片付けごとに、目をしばたたかせるのが常ですが。

     

    早くも10月となり、いよいよ今月は特別企画展 裂のほとりⅥ 「-縞・格子・絣 展-」を開催いたします。現在出品させていただく古裂を整える作業にいそしんでおります。展示会準備のため10月はお店の営業が叶わず、普段でも出張や仕入れ等で不在がちのところ、誠に申し訳ございません。お問い合わせはどうぞお気軽にお電話下さいませ。
    熱を込めて特集の今展、魅力のある縞・格子・絣の古裂を、ぜひご覧いただけましたら幸いです。皆様のご来場を、心よりお待ち申し上げます。

     

     

     

     

     

2019.9

  • 秋になりました

     

     

    特別企画展 裂のほとりⅥ -縞・格子・絣 展-
    麻地格子に銀杏文様型染大風呂敷 江戸時代

     

    ことん、と気温が下がり、ずいぶん涼しくなりました。日射しも、とくに夕方には、もう秋だなと思えます。
    先日道端でとても好きな玉すだれの白い花を見かけました。店が原宿に在った頃は、ベランダにいくつもの山野草を持っていて、その中には玉すだれもあり、毎年花を楽しみに眺めたものです。

     

    植物には幼い頃の想い出と重なるものが多くあります。玉すだれの花も、幼い頃遊んだうす暗い通り道の塀の脇に、いつも季節になると咲く花でした。とりたてて目立つ花ではないことが、子供心にもわかりましたが、何か静かな女のひとのようで、その花が咲いている間は、塀の道を玉すだれを見ながら自分も静かにして通った記憶があります。大人になり、この花の好さがわかるようになってから、秋の訪れを知らせてくれるこの花のことがとても好きになりました。やはりもの静かな女のひとのように思えることは、今も変わりありません。

     

    麻地格子に銀杏文様の型染は、秋の季節を映して染めあげられたものでしょうか。
    10月の展示会の準備を進めております。
    いつもインスタグラムもご覧いただきまして、皆様どうもありがとうございます。

     

     

     

     

     

  • 特別企画展 裂のほとりⅥ DMができました

     

     

    特別企画展 裂のほとりⅥ
    -縞・格子・絣 展-

     

    ようやく涼しさがやってまいりました。
    10月展示会のDMが出来上がりました。おところを頂いておりますお客様に、週明け頃からお送りさせていただく予定です。ご覧いただけましたら幸いです。

     

    縞・格子・絣の古裂、自分なりに時間をかけていろいろと集めましたが、その間、つくづく裂の奥深さと、古手の裂が見つからないこと、補充がなかなかかなわないことをつよく感じてまいりました。繊維製品の古裂の世界は、やきものの世界とはまた異なり、経年の使用と繊維の持つ性質上、伝存することが大変困難です。しかし たとえひとひらの姿になっていても、天然染料で染められた時代の日本の染織品の美しさには独特のものがあります。やはりそこには日本の風土から生まれたことによる、和みを持つ日本的なもの、それは色調であったり、線のリズムであったり、ある”調べ”といったものが織や染めの中に静かに宿っている、染織の世界から、この国が深く持つ本来の香りのようなものに気付かされるような、そんな思いになることも、ふとあります。遠く続く時間の中で、今に伝え遺された裂の色彩や風合いから、時折り多くのことが感じ取れるような気がいたします。染め色ひとつにしても、その染料となる草木を採取した人がいます。そこには季節があります。遠い時代の季節に思いを巡らせるのも愉しいことです。「特別企画展 裂のほとりⅥ -縞・格子・絣 展-」、ぜひご覧下さいませ。

     

     

     

     

     

  • 長月 九月

     

    納戸地兎に一重蔓牡丹唐草文金襴 江戸時代

     

    9月になりました。
    猛暑の8月がようやく終わり、これから少しずつ涼しさへと向かいます。耳を澄ますと、昼間でも草むらからは、虫の音が聴こえてくるようになりました。9月で思い浮かべるのは、十五夜、秋祭り、彼岸花… 秋の訪れを日ごとに感じて、残る今年の月日のことなどを思い巡らせたりするのです。

     

    来月10月は、古裂古美術 蓮の展示会を開催いたします。
    展示会や小冊子のタイトルにある「裂のほとり」。2017年の24周年記念に際し、初めて編んだ小冊子のまえがきの中で、こちらについて記したことがあります。「山のほとり、湖のほとり、といいますが、古い裂の傍にいることを「裂のほとり」と表現させていただき、冊子のタイトルにいたしました。古いものと関わる仕事の中で、私はこの言葉を傍に置きたいと思っております。(略)」以来、「裂のほとり」という名の展示会をおこなわせていただいております。

     

    時間の経過の中で、小さくひとひらになっていった時代の染織品たち。これからも続けられるところまで、古い裂の美しさと愉しさを探してまいりたいと思います。
    9月から出品予定の裂をHPとインスタグラムにてご紹介させていただきます。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

     

     

2019.8

  • 「蓮の道草47」アップいたしました

     

     

    残暑お見舞い申し上げます。

     

    東京の今朝はいつもより涼しい朝で、窓を開けたときの風に秋が感じられるようでした。

     

    久しぶりに「蓮のみちくさ47」をアップいたしました。
    お暇なときにでも、よろしければお付き合いいただけましたら幸いです。

     

     

     

     

     

     

  • 葉月 八月

     

     

    萌黄地格子入熨斗目小袖断片裂 江戸時代

     

    八月になりました。
    今年も猛暑の夏が始まりました。蝉時雨、緑の木々から降り注いでおります。
    夏の黄昏どき、稀に空が紫色の、ものすごい色に染まるときがありますね。
    夏は夜空の色も、かなり明るさがあって、群青の色が浅く照るようで、空が晴れ渡っていることがわかります。四季をとおして、夜空の色にとても惹かれますが、色を見ようと思って見ていると、色の奥行きのようなものが感じられてきて、決して黒の色ではない夜の空の、青に属した深い色が見えてきます。昔の夜には聞こえなかった、蝉の聲も聞こえてきます。

     

    八月は十月の特別企画展、裂のほとりⅥ「-縞・格子・絣 展-」の準備で、裂を整える作業にいそしみます。何が“特別”企画展なのかというと、縞・格子・絣の奥深さに惹かれてやまず 集めてきたので、つい“特別”が付いてしまったのでした。特別な気持ちを託しながら、愉しく魅力ある裂たちをご紹介させていただきたいと思います。
    今月はお店の夏季休業がございますが、お問い合わせ等ございましたら、お電話でご連絡下さいませ。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

     

2019.7

  • 九州国立博物館 館蔵名品展「更紗 生命の花咲く布」のご紹介

     

     

    九州国立博物館 館蔵名品展「更紗 生命の花咲く布」チラシ

     

    展覧会のご紹介です

     

     

    九州国立博物館  Kyushu National Museum
    館蔵名品展「更紗 生命の花咲く布」

     

    会期:2019年7月30日(火)~10月20日(日)
    会場:九州国立博物館4階 文化交流展示室 第9室

     

    〒818-0118
    福岡県大宰府市石坂4-7-2

    www.kyuhaku.jp

     

     

    16世紀後半から交易品としてオランダ船が持ち渡った文様染めの木綿布である更紗は、それまでの日本の染織品にはない多彩で色鮮やかな染め文様で異国性、装飾性に溢れ、希少で高価な舶載品は、異国への憧れをもって江戸時代の人びとに熱烈に迎えられ、流通しました。
    日本においての更紗の使われ方は、陣羽織、小袖、襦袢、茶器の仕覆、道具の包み裂、煙草入れ、袂落し等の袋物があります。インドの地で染め上げられた赤色の鮮烈な色彩と華やかな意匠を大胆に衣服に取り入れた一方で、日本独特の使われ方として、ごく小さな寸法に裁断された更紗を効果的に使用して、細部にまで日本人の美意識を反映させた美しい喫煙具入れや紙入れ等の懐中物が大切に伝え遺されております。
    時代が大きく動く中、日本にもたらされた舶載の文物が、江戸時代の人びとの心にどれほどの憧れと異国の情景を思い描かせたことかと思うとき、その時代に彼の地から遠く海を越えて持ち渡られた更紗が、21世紀の現代においても私たちを魅了し取引されていることに、何か不思議な感覚を覚えて江戸の時代と気配は今の時間の中に在り続けていることを思うのです。

     

    7月30日(火)から九州国立博物館にて開催される館蔵名品展「更紗 生命の花咲く布」では、九博が誇る更紗のコレクションから厳選された作品の数々が展示されます。長崎に入津したオランダ船の荷卸の際に、輸入反物の見分けをおこない、織物の種別と鑑定を手触りによって選別した「反物目利」(たんものめきき・その職務にあたる役人で、数名が存在していた)によって作成された、九博所蔵の貴重な「端物切本帳」も展示されます。「端物切本帳」は、持ち渡られた反物の裂が二寸ほどの小片で貼られている見本帖になり、これは反物目利が輸入品目を照合する目的で作成された以外に、後年の参考として作成したのではないかともいわれています。
    夏から秋にかけた、とても楽しみな展覧会です。
    10月20日(日)まで。

     

     

    チラシの写真
    赤地花唐草文様西洋更紗掛袱紗
    ヨーロッパ 19世紀末
    展示期間:前期7月30日~9月8日

     

    Kyushu National Museum

     

     

     

     

     

  • 文月 七月

     

     

    萌黄地荒磯文金襴断片裂 17-18世紀

     

    七月になりました。
    夏越の祓が行われた六月三十日は水無月をいただいて、今年後半の息災を願いました。水無月はこの日のお菓子であるのに、今年はことのほか美味しく感じられ、いそいそと、何度もお菓子屋さんに足を運んでしまいました。
    先月末の京都出張の折り、帰りまでに時間が空いたので、思い出して自分が初めて口にした水無月の、そのお菓子屋さんに行ってみました。夕刻で、そろそろお店も閉じる時間のはず。間に合うかなと行ってみると、水無月は白い外郎のものはすでに無く、抹茶のものだけ、ぽつんとひとつだけ残ってくれておりました。そのひとつと、味噌餡の柏餅を包んでもらい、和菓子の重さをバッグに仕舞いました。

     

    このお店で初めての水無月を買ったのは、かれこれもう三十五年も前のことです。京都に焦がれて繰り返し読んだ大村しげさんのご本で知った水無月は、当時の東京のお菓子屋さんでは、今のようにそう多くは見かけなかったというか、その頃の自分の行動範囲にあるお菓子屋さんでは、ついぞお目にかかることはありませんでした。そのため丁度六月の時期に当たった旅行先の京都で、初めて買い求めることができたという、うれしさの想い出です。今ではそう探さなくとも、東京のあちらこちらのお菓子屋さんで求めることができますが、一年の節目をつよく感じる、そして、和のものごとに急速に傾倒していった自分の時代を思い出すこの水無月は、やはり特別な食べもので、賑やかにお喋りしながらよりも、窓の外を見ながら一人静かにつつきたい、そんな想いのする、自分にとっての風物詩です。

     

    今年も後半に入りました。十月には古裂古美術 蓮、特別企画展 裂のほとりⅥ・「- 縞・格子・絣 展 -」の開催を予定しております。古い裂の魅力をお伝えできますよう、引き続きいろいろ学び、探してまいりたいと思います。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

     

2019.6

  • 青花の会骨董祭2019 無事に終了いたしました

     

     

    青花の会骨董祭2019
    裂のほとりⅤ
    縫の世界 –刺繍 –
    無事終了いたしました。

     

    梅雨入りした東京の、雨足が心配なお天気にもかかわらず、たくさんの方に会場にお運びいただき、いろいろと古裂を御覧下さいまして、心より御礼申し上げます。
    小企画として取り上げた「刺繍」について、また、「縫」の行為に関わる諸々のお話など、短いお時間でしたがご一緒にお話できまして、とても愉しいひとときでした。ありがとうございました。引き続き、今後も縫に関わることは、テーマのひとつとしてゆきたいと思います。

     

    遠方からお運び下さいましたお客様、お久しぶりにお会いできましたお客様、また、昨年の青花の会骨董祭より一年ぶりにお目にかかることのできましたお客様、お運び下さりとても嬉しかったです。ありがとうございました。
    いろいろな出会いと学びを頂いたこの三日間を心に置いて、今年後半も古い裂に向かいたいと思います。

     

    青花の会骨董祭2019が終わり、季節は夏へと向かいます。
    気候の変わり目の時ですが、どうぞ皆様御自愛下さいませ。

     

     

  • 水無月 六月

     

    濃茶地草花文紋章刺繍裂 17世紀

     

    六月になりました。
    七日(金)から開催されます「青花の会骨董祭2019」が近づいてまいりました。
    今年も出展させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
    開催まであと少しですが、裂をいろいろ整えて、小さな裂も、御覧いただきたいと思います。

     

    昨日関西出張から戻り、本日からは三日間大きな会が続きます。
    相変わらずばたばたと過ごしておりますが、道端では初夏を知らせるようにヒルガオが咲いていて、スーパーでは青梅も見られるようになりました。和菓子屋さんでは六月三十日にいただく水無月もみられます。日常のささやかな周辺に季節を感じていられることは、平和で幸せなことと思います。
    引き続き、古裂の愉しさをご紹介させていただきます。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

     

2019.5

  • 皐月 五月

     

     

    能装束解き裂 部分 江戸時代


    五月になりました。
    令和元年五月一日。今日、新たな時代が時を刻み始めました。
    ひとつの時代が終わりを迎え、改まる時の移り変わりにこうして静かに過ごせることに、何かどこかで白い花を摘んできて、何か「時」に向かって小さな花でも手向けたくなるような、そんな想いがふと浮かんだりしました。
    それなら花数の少ない宝鐸草がいい、宝の文字が入っているし、ことほぐ今日の日にはわるくない、などと、新緑の谷戸でも歩いて宝鐸草を見つけに行きたくなるような気になりました。残念ながらこの辺りに谷戸などあるはずもなく、窓の外の緑を見ては、暫しの想像はやがてしぼんで消えていったのですが。

     

    さて、薫風の五月も一気に過ぎてゆきそうです。六月は青花の会骨董祭に出展いたします。詳細は追ってお知らせいたします。そして誠に恐縮ですが、六月の準備のため、五月の開店日を九日(木)のみとさせていただいております。裂を整える作業は常に続いていることなのですが、細かな手作業につき、今月は特にこのようで、誠に申し訳ございません。お問い合わせ等はお気軽にお電話にてご連絡下さいませ。
    令和の新緑の季節です。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

     

2019.4

  • 平成の時代が終わります

     

     

    断片裂3点 渡り裂嶋海黄19世紀ほか


    平成の時代が終わります。
    平成5年に開店して出発した蓮の小さな店が、平成の終わりまで続けることができましたことを、心より感謝いたしております。ありがとうございます。
    令和の時代を迎えても、引き続きごく小さな断片裂にも大切に目を向けて、そこに示されているはずの染織品からの多くの情報に気付くことができますよう、いろいろと学んでゆければと願っております。

     

    愉しい古裂をご紹介させていただきたいと思います。
    今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
    来る令和の時代が穏やかな時間に包まれますように。

     

     

     

     

     

  • 卯月 四月

     

     

    緑地春草と柳にツバメ文様友禅染

     

    四月になりました。
    東京のサクラはそろそろ終わりのようで、郵便局の前の桜並木の道路には、ずいぶん花びらが風に舞っていました。

     

    お蔭様で名古屋の月日荘さんでの展示会が無事に終了し、諸々の片付けをしながら、もう一週間経つのだなあ、と、愉しかった会期中の日々のことをいろいろと振り返っております。ほんとうに多くの良き出会いを頂いて、お目にかかりました皆様の笑顔がとても心に余韻として、今も温かく残り続けています。
    愉しかったですね。ありがとうございました。幸せでした。

     

    これから次は若葉の季節になります。季節のスピードが早まってくるときです。
    引き続き、古裂を整える作業を始めて、皆様に古きよき味わいの古裂をご紹介させていただければと思います。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

  • 名古屋での展示会が無事終了いたしました

     

    最終日の朝の月日荘さん

    名古屋の月日荘さんにて、3月29日から31日までの3日間開催いたしました展示会が無事に終了いたしました。会場にお越し下さいましたお客様、インスタグラムを御覧下さいました皆様、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

     

    東京以外で初めて開催する今回の展示会でした。開催するまでどきどきでしたが、月日荘さんにいろいろとお力添えをいただきながら、お蔭様で、とても愉しい古裂のひとときを過ごすことができました。月日荘さんに、心より御礼申し上げます。

     

    お忙しい中、遠方からお越し下さいましたお客様、また、東京にいてもこれまでお目にかかる機会のなかったお客様、関西に行かれる途中下車を下さりお越し下さいましたお客様、3日間ともお運び下さったお客様、御来場下さいましたすべての皆様から、とても多くのことがらを頂いたと思います。心から有り難く、感謝しかございません。この度の展示会で過ごさせていただいた意義深いひとつひとつを心の糧に、これからも古裂を学んで精進してまいりたいと思います。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

     

2019.3

  • 桜咲く

     

    浅葱麻地段替り型染被衣解きもの 江戸時代


    東京で桜が咲きはじめました。
    夜の帰り道に咲く桜は、風に枝が揺れていて、まだ肌寒くて、少しだけ咲いている。
    こんなふうにひとりで見る桜が一番心に届く気がします。
    風が吹く夜の桜は、ひっそりと何かを物語っていていいものです。

     

     

     

     

  • もうすぐ名古屋にて展示会です

     

    綸子地春草模様描絵裂


    ずいぶんと春めいてまいりました。
    名古屋の月日荘さんでの展示会まで、あと少しとなりました。
    しだいに緊張しつつも、お持ちする古裂を愉しみに日々整えております。

     

    インスタグラムにて、出品の裂たちをご紹介させていただいております。
    御覧いただきまして、皆様ありがとうございます。
    引き続き、御覧いただけましたら幸いです。

     

     

     

     

     

  • 弥生 三月

     

    裂のほとりⅣ -名古屋 月日荘にて-


    三月になりました。
    天候が少しずつ変化してきて、何となく大気にもやがかかったような、春が忍び足で近づいてきています。
    出張から戻り、昨日あわててお雛様を飾りました。江戸期の越谷段雛に憧れて、自作したお雛様です。桃の花を買いそびれています。蕾が残っている枝ぶりのもの、はたしてまだあるでしょうか。

     

    今月は名古屋の月日荘さんにて展示会をおこないます。只今裂の準備に入っており、できるだけ良好な状態で御覧いただけるように、自分流ですが、裂を整える作業にいそしんでおります。ごく小さな断片裂もお持ちいたします。裂は不思議と小さくなればなるほど、その裂が持つ個性というか、魅力が前面に感じられる場合があるようです。小さな断片裂は、資料の点でもほんとうに愉しい世界です。古裂の愉しさをいろいろと御覧いただけましたらうれしいです。

     

    月日荘さんで開催する頃は、今よりもっと春めいていることでしょう。
    あわただしく過ごしつつも、身近な草木や大気から、季節の移ろいを感じたいと思います。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

     

2019.2

  • 裂とともに

     
    お知らせのトップに記させていただきましたが、名古屋・月日荘さんでの展示会準備のため、誠に恐縮ですが3月はお店をお休みさせていただきます。何卒よろしくお願い申し上げます。
     
    月末の出張を終え3月に入りましたら、裂、裂、裂、ひたすら裂とともに過ごし、準備に専念いたします。裂を整える作業はとても時間が要る手仕事ですが、それぞれの裂の見どころと佳さを、やはり良好な状態で御覧いただきたく思い、時間が許す限り裂に向かいます。もう少し早く仕事が進むとよいのですが、これがなかなか簡単にゆかず、、古いもの、古い裂と過ごせる時間に感謝して、こつこつと準備を進めてゆきたいと思います。
     
    展示会は今回で4度目となり、東京以外で初めての開催になります。まだお会いしていない名古屋の皆様やお近く皆様に愉しんでいただけますよう、準備にいそしみます。
    どうぞよろしくお願い申し上げます。
     
     
     
     

  • 『GINZA』3月号の記事に取材協力させていただきました

     
    2月12日(火)発売のマガジンハウス社『GINZA』3月号、P.201「はじめまして、ザ・クラッシックス」という記事の最終回で古裂がテーマになり、取材協力させていただきました。
    「古裂」という言葉をご存じない方にも、古いものや、古い裂の世界のことをお伝えできればと思い、少しでも古裂に関心を持っていただけるきっかけになれば幸いです。
    よろしければ、御覧になって下さいませ。
     
     
     
     

  • 明日は節分

     

    節分

    節分の用意ができました。
    明日の夜は豆撒きです。
     
    江戸時代はあらゆるものが振り売りされて、季節の時々に必要とする品目などが、町中や家々を巡って売り歩かれたそうです。節分前には柊売りも来たそうで、赤鰯二本と豆がらと柊のセットで売られていたようで、売価は幕末の値段で八文だったという。以前「蓮の道草17」で振り売りについて触れました。
    現代では柊売りはいなくなりましたが、籠からのぞくとげの葉と、町中を売り歩く呼び声が偲ばれて、節分になると江戸の早春を想います。

     
     
     
     
     

  • 如月 二月

     

    柳に蹴鞠と桜 江戸時代


     
    二月になりました。
     
    冷たい北風とぬけるような冬の青空。
    陽の光が独特で、寒くて、静かで、一年で一番好きな月がやってきました。
    夜更けになると、火の用心の声と拍子木の音がいっそう闇を感じさせ、遠ざかる音に、夜空や夜道の寒さを重ねます。
    間もなく節分、豆撒きです。そろそろヒイラギも見つけておかないといけません。
    豆撒きを終えると、暦はもう立春です。こうして日本の季節はめぐり、ふとした時に、春の足音に気付くのです。
     
    三月に、名古屋の月日荘さんで展示会を開催いたします。
    御来場の皆様にいろいろと愉しんでいただけますよう、古裂を整える作業と準備を始めております。手作業に専念するため、二月・三月と開店日が少なくなりますこと、誠に申し訳ございません。何卒よろしくお願い申し上げます。
    お問い合わせや御来店のご予約は、どうぞお気軽にご連絡下さいませ。
     
    秋十月には、昨秋と同じく、東京・神楽坂のアユミギャラリーさんに於きまして、蓮の企画展をおこなう予定をしております。こちらも楽しみにご予定いただけましたら幸いです。
    古い裂の存在と、美しい染織の世界を一人でも多くの方に知っていただきたいという願い、あまりにも微力ですが、古い染織品を探して伝え遺すこと、好きな世界に携わり、少しでも学んでゆければと思います。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     
     
     

2019.1

  • 初雪舞う

     
    今日、東京都心は初雪が降りました。
    道を歩いていて、白いものが舞い降りてきました。
    今は冬なんだなあ、と思いながら、特別寒い空気の中、先を急ぎました。
    「蓮の道草42」、少し記しました。
     
     
     
     

  • 睦月 一月

     

    立縞地梅花蝶文仕覆裂


     
    新年明けましておめでとうございます。
    旧年中は大変お世話になりまして、ありがとうございました。
    今年も皆様に趣のある裂をご紹介させていただけますよう、いろいろと努めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
     
    新春にふさわしく、東京は雲ひとつない、ぬけるような青空の元旦となりました。
    今はその光景をあまり見かけることもないのですが、空があんまり青かったので、何だか凧揚げでもしてみたいような気分になりました。
    幼い頃のお正月には、道を歩いていると、姿は見えなくても辺りのどこかから、誰かが羽根つきをしている音が聞こえてきたりしたものです。暮らしの中の、そういった一瞬の時間を見事に描いて表現し、見せてくれた谷内六郎さんの絵の世界が、今日のような穏やかなお正月には心に映し出されます。冬枯れの雑木林の中を、小枝を踏みながらてくてく歩いてみたくなります。
     
    穏やかな陽ざしに、つい裂を整える作業をしたくなりますが、元旦は糸を切ったり、鋏を持つことはしないものなので、今日ばかりはゆっくりと。街路樹の桜は季節を知っていて、その枝先にふくらみを見せていました。春が待たれます。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     
     
     

2018.12

  • 今年も大晦日となりました

     

    出張先の朝の虹


    とうとう本日大晦日となり、今年も暮れゆきます。皆様いかがお過ごしでしょうか。
    こちらは相も変わらず諸々の作業や時間に追われ、予定していたはずの大掃除までとても行き着かず、時間が足りませんでした。ひとまずこのまま年を越すことにいたします、、
    今年は本当にいろいろとあわただしく過ごしてしまいました。
     
    暮れも近づいた月末に、2か所の出張がありました。京都に一日泊まった日は、夕刻から急に冷え込んできて(←理由は何でも良いのですが)、お店をみつけて温かいお酒を呑みました。翌朝起きて、ホテルのカーテンをシャッとあけたところ、街の中に、小さな虹がかかっている光景を目にしました。写真がそのときのものですが、虹を見たのは何年ぶりで、肉眼ではもっと美しい虹で、暫く見とれて窓の外を眺めました。
     
    今年の終わりに虹が見れたことに満足し、束の間一年を振り返りました。25周年記念でした今年の秋は、神楽坂のアユミギャラリーさんにて記念展を開催させていただきました。
    多くの皆様にお越しいただきまして、心より、感謝申し上げます。
    来年も引き続き、裂をみつめてまいります。
    皆様どうぞよいお年をお迎え下さいませ。
     
     
     
     
     

  • 師走 十二月

     

    ヨーロッパ更紗と丹波布 19世紀


    今年も師走となりました。
    年の瀬が見えてまいり、しだいに忙しなくなってくる、このひと月です。
     
    裂を整える仕事がなかなか進まないものの、裂のことで、日々が過ぎてゆきます。
    街中は、あちらこちらクリスマスのディスプレイや音楽が流されており、なんとはなしにうきうきする、そんなムードに彩られています。12月の蓮のホームページの小窓写真も、少々クリスマスを意識して、赤くて華やかなヨーロッパ更紗と、渋い味わいの丹波布断片を取り合わせてみました。こうしてみていると、赤いヨーロッパ更紗をもう少し集めてみたくなります。
     
    出張で一昨日の朝、新幹線から京都駅のホームに降り立ったとき、東京とは異なるつめたい朝の寒気におどろきました。いよいよ冬が来るなと思いながら、ホームの風をさけるべく早足で、階段へと向かいました。
    暦には冬至の文字もみられます。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     
     
     

2018.11

  • 霜月 十一月

     
     

    綾地唐花幾何学文錦断片裂

     
     
    十一月になりました。
     

    蓮の25周年の記念展が無事終了し、早やひと月が経とうとしています。
    三日間開催の会場で、色とりどりの古裂たちの中、皆様と過ごさせていただいた数々の愉しいひとときを思い返しながら、新幹線の窓から流れゆく景色を眺めました。早朝の富士山は、その頂にもう白く雪をまとっていました。
     
    出張にからめて、奈良の正倉院展を観てまいりました。今展では、屏風を納めるための麻布製の袋や、山水景観が描かれた麻布など、麻製品の宝物の出陳が注目されました。私は「雑色縷」(ざっしょくのる・暈繝柄の紐)という、暈繝の配色で綯われた紐がひとまとめにされた宝物と、「櫃覆町形帯」(ひつおおいのまちがたのおび・櫃覆いの押さえ帯)という、日本茜で染められているという絁の、素晴らしく美しい赤色に大変感動いたしました。女性用の裳である「錦紫綾紅臈纈絁間縫裳」(にしきむらさきあやべにろうけちあしぎぬのまぬいのも)も、よくぞここまで姿が在ってくれたという見事さで、いつまでも観ていたい日本の宝物でした。帰り道の鹿を通り過ぎ、奈良駅までの下り坂をゆっくりと歩きながら、もっと裂のことが知りたいと心に思いました。
     
    今年も残すところ、あと二ヵ月です。
    また展示会がおこなえますよう、裂を探してまいりたいと思います。
    今月も、どうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     
     

2018.10

  • 記念展が無事に終了いたしました

     
     

    「-小さな金色展ー」の日


     
    25th Anniversary
    古裂古美術 蓮
     
    裂のほとり3 -小さな金色展ー
     

    会場にて

     

    3日間開催いたしました25周年の記念展を、無事に終了いたしました。幸いお天気に恵まれて、10月にもかかわらず、気温が30℃を超える日もありました。お忙しい中にたくさんの方に御来場いただき、様々な古裂を御覧いただきまして、心より感謝申し上げます。小さな断片裂の美しく愉しい世界のことも、引き続きご紹介させていただきます。今後も展示会の機会を考えてまいりたいと思いますので、古裂を愉しみに御覧いただけましたら幸いです。
    25周年の節目を迎え、この度の記念展は、本当に大切な時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。
    今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
     
     
     
     

  • 神無月 十月

     

     
     

    能装束 段替り波兎に牡丹文印金裂

     

    十月になりました。
     
    いよいよ今週の十月六日(土)から三日間、東京・神楽坂のAYUMI GALLERYさんにて記念展『25th Anniversary 裂のほとり3 「-小さな金色展ー」』を開催いたします。楽しみに準備しつつも、日にちが近づいてまいり、お忙しい中お運び下さるお客様に愉しんでいただけるだろうか、気にしていただけるものが小さなひとひらでもご用意できないと…と落ち着かない時間を過ごし、裂と向き合っております。でもそういった不安な時間をも楽しむことにしよう!手を止めずに裂を整え続けるのだ!…と、夜中のアイスクリーム(←とてもきけん)でひと息つきながら、やっぱり不安に舞い戻りつつ、この裂いいな、などと手に取り、手に取り、夜も更けてゆくのです。記念展、どうぞお越しいただけましたら幸いです。間もなく発行の古裂古美術 蓮の小冊子『25th Anniversary 裂のほとり』も、御覧いただけましたら幸いです。
     
    もう年賀はがきの広告を目にするようになり、早くも「年末」の言葉がよぎります。
    大変な大風だった台風一過の、今日のぬけるような空の蒼さを見ていると、暫く行っていない海が見たくなります。できれば年内に浜辺を歩きにでかけたいものです。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     
     
     

2018.9

  • -小さな金色展ー のDMができました

     

    25th Anniversary 裂のほとり3
    ー小さな金色展ー


     
    10月の記念展まであとひと月となりました。
    ご案内させていただくDMができあがりました。
    お届けは週明けの月曜か火曜以降になるもようです。
     
    開催時間は3日間とも11時からです!(繰り返し、すみません。)
    チラシをお持ち下さいましたお客様には、大変申し訳ございませんでした。
    くれぐれもお時間にお気をつけて御来場下さいませ。
    「ー小さな金色展ー」のほかにも、趣のある江戸期の古裂を3日間出品させていただきます。
    古裂がもつ独特の色彩や風合いを、秋の一日、ぜひ御覧にいらして下さいませ。
     
     
     
     

  • 長月 九月

     
     

    遠山文竹屋町裂 断片 約41,2×17,0cm


     
    九月になりました。
     
    厳しい残暑が続いているものの、少しずつ日が短くなり、夕方に吹く風には秋の気配を感じるようになりました。今の時季、街路樹のサクラの木が葉を振り落としていて、いつも歩く郵便局の歩道沿いに、落ち葉が多く吹き寄せられています。辺りは桜餅のあの葉の香りが漂っていて、真夏の木陰とは様子を変える木々たちを見上げては、せかせかと通り過ぎ、先を急いでしまう毎日です。
     
    10月の蓮の記念展25th Anniversary『裂のほとり3 ―小さな金色展―』まであとひと月となりました。諸々裂の準備にいそしんでおります。
    いつか金色をテーマにした展示会ができたらと思っており、その時に裂とともに並べられたらと、金色に因んだ暮らしの小さな道具を少しずつ集めていました。そうはいっても、数を揃える目的では集めることができなかったので、そう多くは出品できないのですが、好みに合った、少数の「小さな金色」たちを出品させていただこうと思います。その他の古いものも、今後インスタグラムにてご紹介させていただきますので、御覧いただけましたら幸いです。
    なお、9月の開店日を4日のみとさせていただきますこと、誠に申し訳ございません。記念展やその他のお問い合わせは、お気軽にお電話にてお問い合わせ下さいませ。メールの場合、都合によりお返事がかなり遅くなってしまうことがございます。できましたらお電話で頂けましたら幸いです。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     
     
     

2018.8

  • 開催スケジュールがアップされました

     

    AYUMI GALLERY


    10月6日(土)、7日(日)、8日(月・祝日)に東京・神楽坂のAYUMI GALLERYさんにておこなう記念展の開催スケジュールがアップされました。
    ぜひ御覧下さいませ。
     
    AYUMI GALLERY
    https://www.ayumi-g.com/exhibiton
     
     
     
     

  • 葉月 八月

     

    白麻地雁模様型染


    八月になりました。
    昨日は今年前半最後の出張でした。一泊したいところですが、翌日の予定があるので、せわしなくも日帰りです。仕事が終わると、どこかへ足をのばすほどの時間もなく、時はすでに夕刻です。帰りの新幹線までのひとときは、その時々で気の向くお店に入り、一人冷たいビールを呑んで一息つく。昨日立ち寄ったお店のおつきだしは、小鯵の南蛮漬けでした。上品に小さな小鯵の、甘くないお酢加減が、暑かった一日の疲れを取るようで、おかわりしたいくらい美味しかったです。七月最後の日で、今年の祇園祭りも今日で終わり。明日はもう、八月なんですね。早いですよねえ。そんな会話を女将さんと交わしながら、まだ日の暮れない外の明るさを、お店の引き戸のガラスから眺めつつ、お箸を動かしていました。ひんやりと汗をかいたガラス徳利の冷酒も、もちろん片付けてきました。時間になりお店を出ると、昼間の熱気は残るものの、いい風が。今年も半分が過ぎたのか…と、いろいろと振り返る想いをこの地に残して、駅へと向かった昨夜です。
     
    八月は、お店をお休みさせていただきます。古裂を整える作業にいそしみます。十月の25周年記念展についてのお問い合わせや、そのほかのお問い合わせがございましたら、お気軽にお電話かメールにてご連絡下さいませ。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     
     

2018.7

  • 『暮しの手帖』4世紀95号「ひきだし」で取材いただきました

     

    『暮しの手帖』95号 「ひきだし」


    7月25日発売の『暮しの手帖』4世紀95号で取材いただきました。
     
    蓮の道草41に散文を記しました。
    『暮しの手帖』4世紀95号「ひきだし」 後記にかえて
     
     
     

  • 猛暑が続いています

    夕どきの店内から


    連日たいへんな猛暑です。
    皆様もお気をつけ下さいませ。
     

    窓を開けると、とたんに室内の温度が上昇するので閉めている窓。
    それでも夕方になると風が吹いてきて夏らしい。
    このあたりは小さなバーがひしめきあっていて、
    夕方になるとどこかから、昭和の歌謡曲が聞こえてきます。
    風鈴の音も、風に乗って聞こえてくるのですよ。
    近くの小さなお店の入口に、風鈴があるのを知っています。
     
     
     
     

  • 文月 七月

     
     

    丹波布 江戸末~明治


    七月になりました。
    東京ではもう梅雨が明け、猛暑の夏がやってまいりました。七夕飾りも街のあちらこちらに見られ、願いごとが書かれた短冊が、なまあたたかい風に吹かれて揺れています。
    こちらは今月がお盆です。迎え火に使う、ぽきぽきした苧殻。お茄子ときゅうりの牛馬に、お供えの桃の香りとお線香のかすかな匂い。幼いころの、七月の家の中の記憶です。
     
    蓮はこの10月に25周年を迎えます。二度とない節目の日にかけまして、思いきって25周年の記念展をおこなうことを予定いたしました。会場は、ご縁あって東京・神楽坂のAYUMI GALLERYさんで開催させていただきます。味わい深い昭和の木造建築、洋館の建物と古裂とが、きっと素敵に調和するのではと思います。今後少しずつご案内させていただきたいと思います。
    さてさて、夏バテしないよう、皆様も御自愛下さいませ。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     

2018.6

  • 青花の会骨董祭2018 無事終了いたしました

     

    染織資料 渡り裂断片 19世紀

     
    6月8日から3日間開催されました「青花の会骨董祭2018」が無事終了し、早いもので1週間が経とうとしております。御来場いただいたお客様には御覧いただく裂について、自分がわかる範囲で少しでもお役に立つご説明をさせていただければと思っておりましたが、いろいろと行き届かないことが多く、お待たせもしてしまい申し訳ございませんでした。お越しになれませんでしたお客様も、ご親切にご連絡を頂いたり、インスタグラムを御覧いただけたりと、心より御礼申し上げます。お世話になりまして、ありがとうございました。
     
    また、会期中に仕覆裂についてのお問い合わせをお電話とメールにて多く頂き、今後裂を探すうえでとても勉強させていただきました。会期当日だったこともありご連絡頂いたお客様方にはご対応のお時間をお待ち頂いてしまい、大変失礼いたしました。お問い合わせ頂き感謝申し上げます。
     
    いろいろなご縁を頂き、学びの多い3日間でしたが、中でも印象的でしたのは“古裂”というものを初めて買われたとおっしゃるお客様が数人いらして下さったことでした。ものとの出逢い、そのだいじな最初の入口で、ほんの少しでもその裂の見どころを自分なりにお伝えできたことはうれしいことでした。自分が古いものの世界に入り、最初に買い求めた古裂はどのようなものだったかと、その夜遠い記憶の糸を手繰りました。
     
    この度は主催・出展者の皆様方には大変お世話になりまして心より感謝申し上げます。これからもひとつひとつ精進してまいりたいと思っております。
    ありがとうございました。
     
     
     
     

  • 水無月 六月

     
     

    青花の会骨董祭2018出品 赤地十字文旗


     
    六月になりました。
    「青花の会骨董祭2018」がいよいよ近づいてまいりました。
    初出展させていただきますこと、様々に緊張いたしております。
    でも、とても楽しみに裂の準備をしております。
     
    今年は蓮の店を出発させてから25周年となる年です。
    以前京橋で店をしておりました時には「日本橋・京橋骨董まつり」に参加させていただいたのですが、その際は蓮の店に於いての参加でしたので、店から離れての出展、展示会は、昨秋京橋の草友舎さんと大分の花元さんと開催させていただきました三人展「艸ノ会」が、まるではじめてのことでした。その意味では今回の「青花の会骨董祭2018」は2回目ではありますが、大きな骨董祭の現地会場で出展させていただくことは、25年中まったく初めてのことになります。
     
    時折りお客様や業者さんに、「どうしてこれまで催事に出なかったのですか?」と訊かれることがあるのですが、どうしてでしょう。たぶん、人がたくさん集まるところに、自分が出展する勇気も自信もなかったことと、自分が自分のちいさな店から離れて古裂を多くの方に御覧いただくということが、私にとりましてはイメージできなかったからかもしれません。素敵なギャラリーやそのような場所は、数多くあるというのに。
    ですので「艸ノ会」出展は、小舟の櫂をはじめて手に持ったような、小舟に乗り、櫂を漕いで、一度広い湖か海に出てみるような、そんな気持ちも想いも心にありました。(おおげさではなく、ほんとうにそんな気持ちもありました。)結果はいままでお会いすることのなかった古裂をお好きな皆様にお会いすることができ、また、長年蓮を支えて下さる裂に情熱を注ぐお客様方も楽しみにいらして下さったりと、心から感謝のひとときをすごさせていただきました。
     
    先程、勇気も自信もなかったことと記しましたが、自信はいくら年数を経ても、やっぱり生まれてきてはくれません。(つくづく年数は積むことができなく、経てゆくものだなと思います。)けれど、自分が好きな世界を続けてゆきたいことの中に、展示会、展覧会はおこなってゆければという願い、想いは確かに生まれたので、一層の努力の中、裂のほとりにこれからも居続けていられれば自分はそれでいいと感じております。さいごまでお読み下さり、ありがとうございます。
    水無月六月。今月は青花の会骨董祭2018があります。掌にのるほどの、ちいさな美しい古裂より出品させていただきます。御覧いただけましたら幸いです。
     
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     

2018.5

  • 「柚木沙弥郎の染色 もようと色彩」展に行きました

     

    柚木沙弥郎の染色 もようと色彩 展


     
    東京・駒場の民藝館で開かれている「柚木沙弥郎の染色 もようと色彩」の展覧会を、少し前に観てきました。展示されている作品の多くが眼に気持ちに心地よく、民藝館の建物の中の空気と相まって、「模様」というものの楽しさをあらためて感じることができました。
     
    写真の着物は広間正面に展示されておりました。「型染むら雲三彩文着物」です。
    午前中早めで人もまばらだったので、この着物の前に少しの間いることができました。
    眺めているうちに、むら雲のもようとその空間とがかもしだすものに、山の稜線をみているような、海の水平線をみているような、何か自然に迎えられているような、そんな気分にさせられる、自然がここに在るようで、この素晴らしい作品にひたすら感激して帰ってきました。
    その日は雑木林の中を散歩したあとのような清々しい気分で一日を送りました。
    日本民藝館で6月24日までです。
     
     
     

  • 青花の会骨董祭2018の出展DMができました

     

    青花の会骨董祭2018出展のDM


     
    五月も後半になり、「青花の会骨董祭2018」が近づいてまいりました。
    「裂のほとり2 ― 暮らしを紡いだ古裂たち ―」のDMができあがりました。
     
    『絵巻や屏風などの絵画資料には、人びとの様々な装いをはじめとして、点景にみられる幕や家屋の中にのぞく簡素な垂布、道ゆく僧侶の衣、旅姿の装束や、美しく赤色に染められた馬の手綱など、多くの染織品、繊維品がみてとれます。庶民の世界、上流階層の生活、寺社、芸能、そして茶の湯。それぞれにおける生と人びとの暮らしを紡ぎ、今に伝えられた古裂たちは、古から続く日本の暮らしの記録そのものです。時代の糸と美しい色彩が織りなす染織分野、その入口を御覧いただけましたら幸いです。』(DMより)
    青花の会骨董祭2018にて、古から続いてきた日本のかたちと暮らし伝える「古裂」の愉しみ方を、少しでもご紹介させていただけましたら幸いです。
     
    蓮では掌にのるごく小さな断片裂を大切に考えます。本来大きな形状だった時代の染織品が、時を経て小さな姿となり、現代にまで伝え遺されてきたことは意味深く、数センチほどの断片の中に染織の美しさと世界が在ります。
    青花の会骨董祭2018に於きまして、よりよいコンディションで古裂を御覧いただけますよう、古裂を整えて楽しみに準備しております。6月もあと少しです。
     
     
     

  • 裂のほとり2 ー暮らしを紡いだ古裂たちー のこと

     
     

    青花の会骨董祭 2018


    3年前、散文「蓮の道草9」の『裁縫と“をさな”と“おとな”』vol.4の最後に、このように記したことがありました。「針と糸、縫い合わされた色とりどりの古い裂、草木からいづる深い色、人の暮らしと在りし歴史は美しいものに寄り添いながら、時間の粒子に運ばれてずっと遠くまで紡がれてゆく。古くから遺る形あるもの無いものが、どこまでも紡がれてゆきますように。」
     
    しだいに小さく姿を変えながらも、今の時代まで伝えられてきた古い染織品が、次の時代、その次の時代にも、もっと小さなかけらになったとしても、美しいものを宿したままに、日本に遺ってゆくことを願っております。ささやかですが、一生懸命あつめておりました古裂たちを御覧いただけましたら幸いです。「裂のほとり2 ―暮らしを紡いだ古裂たちー 」とタイトルし、青花の会骨董祭2018に出展させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
    出品させていただく古裂を、これから少しずつインスタグラムにご紹介させていただきます。
     
     
     

  • 皐月 五月

     

    衣裳修繕部分 江戸後期

    五月になりました。
    お天気に恵まれたゴールデンウィークの前半、気温は初夏の暑さとなりました。
    窓を大きく開けて、いろいろな作業をしております。この頃は何だか一週間の早さなどではなく、一日の時間の早さがとても加速しているような気がしてきました。六月はすぐにやってきそうです。
    五月は裂を整える作業の都合により、誠に申し訳ございませんが、お店をお休みさせていただきます。仕入れも出張も毎月と変わらず、ぱたぱたと移動しております。愉しい古裂と出逢えますように。
     
    木々の緑がいっそう濃くなってまいりました。たんぽぽは、すらりと伸びた茎に綿毛の姿で道路脇で風に揺れています。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     
     

2018.4

  • 6月の「青花の会骨董祭2018」に初出展いたします

     

    日本の木綿格子裂 江戸末~明治時代

    このたび6月開催の「青花の会骨董祭2018」に初出展させていただきます。ご案内の詳細はもう少し先になりますが、本日ホームページトップのお知らせ欄に〈予告〉を記しましたのでご覧下さいませ。
    これから青葉の美しい季節をむかえます。窓をあけてさわやかな風を入れ、古裂たちの準備にいそしみます。
      
     
     
     

  • 卯月 四月

     

    梵字刺繡裂残欠 江戸後期


    四月になりました。
     
    いつもみているケヤキの木が、新芽から、ようやく小さくてやわらかな葉をひろげはじめました。今はまだ緑色になる前の、赤茶色を帯びた葉の色です。一日ごとに様子を変え、内からこぼれるようにして芽吹いてくるその様を目にしていると、生きものである木々たちの一年が、また巡り始めたのだなと思います。このケヤキの対角の場所に在る、もう少し大きなケヤキはもっと陽当りがよいせいか、みるみる緑色が濃くなりつつあり、葉を繁らせてきています。
    早春までは枝ぶりだけの風景だった空との境に、風の流れのとおりにさわさわと葉が揺れうごいている。まるで時間が吹いているようです。葉擦れの音が聞こえる季節へ、時は移りかわりました。
     
    今月から、暫くの間ですが、店の開店日が少し少なめになります。
    出張も変わりないのですが、古裂をととのえる作業を、少しばかり集中しておこなうことを予定いたしました。ご紹介させていただく裂の準備にいそしみます。何卒よろしくお願い申し上げます。御来店のご予約や、お問い合わせは、どうぞお気軽にご連絡下さいませ。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     
     

2018.3

  • 弥生 三月

     

    紬地の和更紗 江戸末頃


    三月になりました。
     
    もうすぐひな祭りなのでうっかりしないようにと、出張先の京都で桃の花を買いました。あたりが暗くなる少し前の、夕刻でした。
    店と自宅に飾る分の菜の花と桃の花を包んでもらい、ほかにも求めたかった枝ものや花を眺めつつ、これ以上荷物が多くなることをおそれてお勘定を置きました。菜の花は緑のかたい蕾ですが、黄色く咲き始めるとぐんぐん丈が伸びてきますのでこのくらいでよいこと、桃の花は、ふっくりとほどよくふくらんで、濃いその色を順々に枝に灯しています。桃色が、ひな人形が飾られた温かな部屋を連想させてくれます。
     
    江戸時代は、桃の節句が近づく二月の半ば頃から三月の初めまで、町なかを振り売りのひな売りが歩いたそうです。雛市も立ちました。振り売りは、季節ごとにみられる様々な商いが楽しく、節分の時分には柊売り、端午の節句前には柏餅の柏の葉売り、振り売りに関した本を読むと、江戸の暮らしの季節の確かさに惹かれてしまいます。そんな江戸時代の染織品が、姿を消さずにこうして今に伝わり遺ってくれていること、糸や染め色の美しさを、次に伝えてゆければと願います。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     
     

2018.2

  • あられやこんこ

    鶸浅葱色の江戸期の紬 残片裂


     
    早春のきびしい寒さだった今日、所用があって店に14時少し前に着きました。
    午前中の出先では、少しの間小雪が舞った時がありましたが、銀座に着くと、あられが降っていました。空からごま塩のような小粒が降り落ちて、路にころころと弾むのを見て、ピーコートの濃紺のひじを傘から出してみました。また雪の結晶が見えたらいいと思ったのですが、あられはほんとうに小さな小さな氷の粒なのですね。弾むわけです。雪の結晶見れず。(いつも携帯のルーペをのぞいたという。)
    あられの降る二月もあと数えるほどになりました。早春からしだいに春へと季節は移りゆきます。
     
     
     

  • 今日のできごと

     
     

    型染め蝙蝠図半纏 大正頃か


     
    本日店まであと少しのところに来た時、何やらわらわらとたくさんの人たちが群れていて、路の角やこちらの路上でスマホを見たり、何かを待っているような、辺りに異様な緊張感?が漂っていたので、これから芸能人のどなたかの撮影でもこの界隈であるのだろうか、などと思ったら、その緊張感の発生もとは泰明小学校でした。ニュースを思い出しました。
    泰明小学校の校門前には特大レンズのカメラが来ておりましたし、にわかカメラマン?らしき方々もたくさんでした。校門のすぐ前には覆面パトカーも停まっておりました。
     
    昨日もこの様だったのか、昨日は出先だったため店に来られず様子がわかりませんでした。
    はあ、何だかリアル、と思い、漂う緊張感の横を通り過ぎました。
    お洒落な洋式の校門がとても素敵なこちら、泰明小学校は、夏には校庭に櫓が立ってほのぼのと盆踊りもおこなわれています。
     
    写真は今日のできごととまるで関係ありませんが、型染め蝙蝠図の半纏です。
    襟部分が欠損して現れたのですが、その事は何ら鑑賞に影響せず、いきいきとした蝙蝠の躍動感とその迫力にぱっと心を掴まれました。蝙蝠は縁起の良いアイテム。立春が過ぎた一年の始まりに、蓮のささやかな店内で蝙蝠にはばたいてもらいました。
    今日のできごと、終わります。
     
     

  • 二月 如月

     

    蹴鞠装束 葛鞠袴の露革  江戸時代


     
    草木張月の二月になりました。
     
    昨年とくらべて今年の冬の寒さはことのほか厳しくて、たくさん着込んでいても店の中は足元が温まらないものです。寒いことが理由なのか、単にそれを理由にしているだけなのか、この冬はどうも甘いものに目がなくて餡子ものについ手が伸びてしまいます。
     
    四谷のわかばさんの、こんがりと焼けたたい焼きを受け取るときにいつも熱烈に見てしまうのは、たい焼きのおつりを乗せる真四角な木の台です。
    大きなサイコロのような、何の飾り気もない木材(もし何か由緒あるものでしたらすみません。)なのですが、お客様のおつりの受け渡しで長年使い込まれて、手ずれで台の中央がすり減りくぼんでいるのです。そのなだらかで自然な曲線、時間が刻まれた風情といったら、無口で貫禄があってなんと素敵な!と惚れ惚れしてしまうおつりの台なのです。初めて目にしたときはあまりの素敵さに動揺して、たい焼きとともに盃も手にしたいくらいの気持ちになりました。憧れのおつりの台、きっとご存じの方もいらっしゃると思います。
    先日も甘いものに呼ばれて夜空の下四谷に向かいました。束の間おつりの台に熱い視線を送り、焼きたての熱々のたい焼きを店内で頂きながら、アイロンがけや整えたい江戸の古裂の宿題ごとを、あれこれと思い浮かべました。
    間もなく節分です。季節の足音がしています。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     
     

2018.1

  • 明けましておめでとうございます

     

    舞楽装束 江戸後~末期

     
    新年明けましておめでとうございます。
    今年も古くから遺されてきた日本の美しい染織品を探して皆様にご紹介させていただきたいと思います。趣きのある古裂、植物からの深く美しい染め色、ひとすじの糸の存在、それぞれの裂の時代感…古裂から様々を感じたり学び続けながら、この一年も古裂に励みたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
    もしお探しの古裂がございましたら、どうぞお気軽にご連絡下さいませ。
    古いものは出逢いものですので、すぐには難しいかもしれませんが、心がけたいと思います。
     
    新たな一年が始まります!
    本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
     
    2018年 元旦
     
     

2017.12

  • 今年も暮れゆきます

     
     
     
    12月31日、今年も大晦日になりました。
    一年の最後の一日は、カチカチと時計の振り子の音がどこからか聞こえているような、時の刻みを感じます。皆様もきっと今頃はお忙しくお過ごしで、それでも夜が更ければ大晦日の除夜の鐘を静かに聴かれることでしょう。
     
    この一年、心よりありがとうございました。
    また来年も、何卒よろしくお願いいたします。
    もうすぐ来る新たな年が、皆様にとって幸多き一年でありますよう、お祈り申し上げます。
     
    古裂古美術 蓮
    田部浩子
     
     
     
     
     

  • 十二月 師走

     

    江戸期の単色裂でクリスマス色を意識して


    十二月になりました。
     
    あわただしく過ごしながらも楽しみに準備してまいりました艸ノ会を無事終えることができました。
    二日間の会期中は会場にお越し下さいました皆様と古裂の愉しさを味わい、とりどりの美しい色彩に囲まれて過ごさせていただきました。
    日を置いて出張にでかけた新幹線の車窓から、山々の紅葉を目にして師走という言葉を思い浮かべたりしていました。
    師走は十二ヵ月のなかでもとりわけ駆け足で日がすぎてゆきます。半ばの二十日を過ぎれば大晦日もみえてまいります。
    今年も冬至がやってまいりますね。太陽を想い、最大の自然であるという「時間」を想い、時を繋げてゆくということを想い、今年さいごのひと月を、丁寧に過ごせたらと思います。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     
     

2017.11

  • 艸ノ会を終えて

     

    能装束断片 江戸時代


    11月25日(土)、26日(日)の二日間開催いたしました三人展艸ノ会はお蔭様をもちまして無事に終了いたしました。
    両日ともお天気にも恵まれて、ほんとうにたくさんの方々が会場にお運び下さり、とても感激いたしました。
    古裂古美術 蓮では企画展といたしまして「裂のほとり展 ー断片裂を中心にー」をおこないました。江戸期の木綿、絹、紬、麻、様々な小さな断片裂をご紹介させていただきました。能装束の断片裂や慶長裂の断片裂なども並べさせていただいたのですが、中でも長い間集めてまいりました渡り裂の「嶋かいき」の断片裂を展示させていただきましたことは、蓮の店として記憶しておきたく思う点でした。渡り裂の参考資料になりますが、お好きな方にお持ちいただいて新たなコレクションに加えていただけましたら幸いです。
    そのほか、小さくても魅力ある金襴、銀欄の断片裂、ヨーロッパ更紗の素敵な断片裂など、掌にのる楽しい断片裂を催しさせていただきました。断片裂のテーマでは、いずれまた企画展をおこなえればと思っております。この度は会場となりました京橋の草友舎さん、大分の花元さんと三人展艸ノ会を開催させていただきましたこと、お二人に心から感謝しております。そして皆様ほんとうにありがとうございました。引き続き、古裂の魅力を追いかけてゆきたいと思います。
     
     
     

  • 「艸ノ会」開催いたします。

     
    艸ノ会の開催です
     

    艸ノ会 「裂のほとり展」


    本日11月25日(土)12:00から三人展 艸ノ会を開催いたします。
    26日(日)は11時からです。
    草友舎さん、花元さんの出品される古く美しいものと古裂たちをご覧いただけましたら幸いです。
     
    古裂古美術蓮は企画展として「裂のほとり展 -断片裂を中心にー」をおこないます。
    会場では24周年を記念して先日発行いたしました小冊子『裂のほとり』一部500円を販売いたします。どうぞお気軽にご来場下さいませ。
     
     
     

  • もうすぐ艸ノ会が始ります

     
    今週末はいよいよ艸ノ会が開催いたします。 
    いろいろ古裂を整えて準備しているところです。
    皆様に愉しんでいただけますよう、どうぞお気軽にお出かけ下さいませ。 
     
     
    出品の古裂の風景

    うさぎと唐草の型染め

    能装束断片裂


    小さなサイズのものたちです。少しづつ、いろいろを、お楽しみ下さいませ。

     

     

     
     

  • 小冊子『裂のほとり』を編みました

     

    『裂のほとり』


    蓮は1993年の秋に小さな店を出発させて、今年24年を迎えます。 
    これまで支えて下さいました皆様に、心より感謝いたしております。 
    年月を記念して、この度古裂に関わるささやかな冊子『裂のほとり』を編みました。 
    A5横サイズ、カラー20ページ、価格は500円です。 
     
    ご購入のご希望とお届けの詳細につきましては後日あらためてお知らせいたします。 
    展示会準備のため現在冊子のご配送に関するご対応ができず後日になってしまいますこと大変申し訳ございません。何卒よろしくお願いいたします。 
     
    『裂のほとり』もくじ 
    まえがき / 地蔵菩薩 / ひとつの色 / たとう紙の更紗 / 縞と格子の絹織物 / 
    嶋かいきによせて / 沖縄が湛える / 理想の休日 / あとがき 
     
     

     

    『裂のほとり』より


     
     

  • 十一月 霜月

     
     

    能装束断片裂芒図刺繍部分 江戸後期頃


     
    十一月になりました。
     
    先日東京は木枯らし一号が吹きました。
    郵便局へゆく道の、街路樹の並木がつよい風にあおられてずっと葉擦れの音をさせていました。木々は落ち葉になり冬になると葉擦れの音は聞けなくなるので、その自然音をよく聞きました。冬から春になり、芽吹きの季節が過ぎて若葉が揃う五月頃になると、再び葉擦れの音が聞けるようになります。今頃の風のつよい日は木々の音がしていいものです。
     
    いよいよ三人展「艸ノ会」が今月開催いたします。
    このたびDMをご希望下さり初めてご連絡を頂きました皆様方、また、艸ノ会のお問い合わせを頂きました皆様方、そのほか思いがけない反応を頂き心より感謝申し上げます。二日間の短い会期ですが、皆様に古裂の愉しさを少しでも味わっていただけますよう、お気に留めていただける裂をご用意できればと思います。お時間ございましたらぜひお越しいただけましたら幸いです。
     
     
     

2017.10

  • 十月 神無月

     

    縞・格子・絣 江戸~明治初


     
    十月になりました。
     
    しだいに秋が深まってきて街路樹のサクラがよく葉を落とすようになりました。
    不思議に思うのはサクラの木の横を通るとき、夏にはあまり感じられなかったサクラの香りが、今この季節によく香ってくるような気がするのです。桜餅の、あの香りです。
    これから季節はさらに移ろうことを、サクラは、草木たちはきちんと知って、内を様々に循環させて来る季節に順応しようとしているのかもしれません。香りはそれと関係があるでしょうか。
     
    秋の企画展まであとふた月ほどとなりました。皆様に愉しんでいただける古裂をお持ちしたいと思います。少しずつ準備を進めています。
    艸の会のお知らせが整いましたら、ホームページ、そしてインスタグラムからも、詳細をお知らせいたします。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     

2017.9

  • 九月 長月

     

    型染 木綿  江戸末―明治初頃


    九月になりました。
     
    八月はお店のお休みをいただきましたが、早くも今年後半が始まりました。
    夕風に感じる涼しさや、日も短くなって暮れ時が早まってきたあたりの様子に秋の表情を見つけています。
    秋になったら海に行こう、波打ち際を歩くんだ、などと空想を重ねていますが、どうも秋も早足で過ぎそうです。
     
    都合によりお店の開店日がこれまでよりすこし少なくなるかもしれません。
    お知らせ欄に記させていただく日にちをご確認いただけましたら幸いです。
    ご来店日時のご予約等、どうぞお気軽にお問い合わせ下さいませ。
     
    夏の暑さの名残りがまだ続いておりますが、皆様も御自愛下さいませ。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     

2017.8

  • 11月企画展 「艸の会」の予告です

     
     

    11月開催 艸の会 出品予定の古裂たち


    この秋11月25日(土)、26日(日)に東京・京橋の草友舎さんに於きましておこないます三人展「艸の会」(大分の花元さん、会場となる草友舎さん、古裂古美術蓮です)に出品予定の古裂を少し予告させていただきます。
     
    古裂古美術 蓮では “断片裂を中心として”、企画展をおこないます。
     
    長い間少しずつ集めてきました断片裂で日本の縞・格子裂、インド更紗・ヨーロッパ更紗の断片と渡り裂の断片少々、そして草木からの美しい染め色の江戸時代の断片裂たちを各ご紹介させていただきます。
     
    小さなひとひらの古裂たちは小品や酒器のお仕覆に、工夫の表具裂や額装に、鑑賞に、作品との取り合わせに、そして染織資料としてとても奥深く糸と色彩の凝縮した世界がそこに広々と展開されております。
    遠く時代を経ていつしか断片となっていった古裂の気分を皆様に愉しんで御覧いただけましたら幸いです。
     
    また、個人的ではございますが、時代のある美しい「単色無地」の古裂だけで展示会をおこなってみたいことは、長年の想いとしてあたためております。
    空間を古色でうめつくす「色」が持つ美しい世界を皆様に御覧いただける時がいずれやってまいりますよう、古裂古美術蓮はひとひらの古裂をこれからも探してゆければと願っております。
     
    艸の会開催が近くなりましたら、あらためて出品の古裂をご紹介させていただく予定です。
    どうぞよろしくお願い申し上げます。
     
     
     

  • 八月 葉月

     
     

    つぎあて 江戸時代の麻織物より


    八月になりました。
     
    出張で出かけた京都はまだ梅雨明けしていないようなお天気の日で、その蒸し暑さとクマゼミの鳴き聲に京都に来ている感が増しました。
    帰りは余裕をもって京都駅に入り、出張一日の一人反省会で入ったお店で注文したビールは緊張と汗を流したぶん気分を和らげてくれ、とても美味しい一杯でした。おかわりをしたのは言うまでもありません。
     
    古裂古美術 蓮は八月は古裂を整える作業月とさせていただき、お店をお休みさせていただきます。お問い合わせ等がございましたらお電話かメールにてご連絡下さいませ。
    インスタグラムは今月も折々に投稿させていただければと思います。
     
    九月の開店は一日から続く大きな会を終えてからとなり、開店日は追ってお知らせさせていただきます。
     
    いろいろと古裂の作業を進めて過ごす今年の夏。涼しさが待たれます。
    皆様も猛暑の折り御自愛下さいませ。
     
    このところ「蓮の道草」がストップしておりますが、古裂の作業に追われており機会を見つけているところです。。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     

2017.7

  • この秋 企画展をおこないます。

     

    小袖解き裂 経糸 絹 緯糸 木綿


    企画展のお知らせです。
     
    この秋 11月25日(土)、26日(日)に東京・京橋の「草友舎」さんに於きまして、
    大分の花元さん、草友舎さん、古裂古美術 蓮の三人展「艸の会」(そうのかい)を企画いたしております。ささやかではございますが、それぞれの持ち味を活かした愉しい企画展にて皆様をお迎えできますよう、三人で準備を進めてまいりたいと思います。
     
    会の名前は「艸の会」です。
    会の名を、さて何としようと皆さんで話し合っている時に、三人とも店の名に“くさかんむり”があることに気がつきました。そこからこの名が生まれました。
    艸は草の総称になります。
     
    古裂古美術蓮では、少しずつ集めてきました心惹かれる裂たちを、艸の会にて皆様に御覧いただけますように、古裂を整える作業を秋に向けて続けてまいりたいと思います。
     
    皆様に支えていただき、蓮を出発させてこの秋で24周年になります。
    初めておこなう企画展に、古いもの、美しいものを愛する花元さん、草友舎さんとご一緒させていただけることを、お二人に心より感謝いたしております。
    古裂古美術蓮らしい、多くは集められないひとひらの裂たちを、愛情持ってご紹介させていただきたいと思います。
    愉しみに準備してまいりますので、どうぞ「艸の会」を秋の日のご予定にかぞえていただけましたら幸いです。
     
    詳細が整いしだい、あらためてホームページ、インスタグラムからもお知らせさせていただきたいと思います。
     
    どうぞよろしくお願い申し上げます。
     
     
     

  • 夏休みのお知らせ

     

    秋草に蝶 小袖解き裂 江戸時代


    夏休みのお知らせ
     
    蝉の聲が聞こえてまいり、夏本番となりました。
     
    古裂を整える作業のため、八月はお店をお休みさせていただきます。
    お問い合わせ等ございましたらお電話かメールにてご連絡下さいませ。
     
    インスタグラムは八月も折々にあげさせていただけたらと思っております。
     
    どうぞよろしくお願い申し上げます。
     
     
     

  • 今日は七夕

     

    朝顔の絞り裂 明治期~大正頃


    七月七日の今日は七夕です。
    街では店先に笹と短冊で七夕飾りをしているお店があちらこちらに見うけられました。
    多くは笹がほんものではなかったのが、少しだけザンネンだったでしょうか。
    とはいえ笹を用意できなかった自分ですから、何も言えないのですが。
     
    東京・入谷の朝顔市も、昨日から始まっています。
    涼しげな朝顔の絞り染めの裂を店にかけて夏仕度です。
    七夕が終わると、いよいよ夏がやってきます。
     
     
     

  • 七月 文月

     

    表具裂 金襴ほか 江戸時代


    七月になりました。
    笹の葉さらさら、季節はもう七夕です。
    七夕の日は牽牛織姫の神話伝説のほかに、女性の裁縫の上達を願う「乞巧奠」(きっこうでん)の年中行事、また、一年の季節の節目におこなわれる禊ぎ祓いと関係した行事が日本の各地でみられたりと、様々に祈願が籠められる重要な日といいます。
     
    七夕の晩に願いをかけ、小さな蜘蛛を金銀の小箱に入れて翌朝蜘蛛の巣が張られていたら、裁縫が上達したことになるのだとか。裂をさっと手早く整えられる、そんな上達に置き換えたいところです。
    でも願いをかけても小箱の中の暗闇が心地よくて眠ってしまう、巣を張らない小さな蜘蛛をつかまえてしまいそうです。…地道に裂を整えることにします。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     

2017.6

  • 六月 水無月

    瓦燈形に紫陽花 奉納裂部分 江戸時代

    六月になりました。
    京都では六月三十日の夏越の祓に「水無月」というお菓子をいただくそうで、このことを知ったのは二十歳になるかならないかの頃でした。
    その頃たいへん京都に憧れていた私は大村しげさんの『京暮し』という本を日々読みふけっていて、水無月はこちらの本で知ったお菓子と歳時なのでした。
    大村しげさんはこのお菓子は気の張るお菓子屋さんではなく、町中のおまんやさん(お饅頭屋さん)で買う気さくなお菓子だといったことを書かれていらしたと思います。
     
    今でこそこの「水無月」は、東京のデパ地下やお菓子屋さんでも珍しくなくなりましたが、当時は東京のお菓子屋さんに並ぶことは、限られたお店だけだったのではないでしょうか。
    出かけた六月の京都で生まれてはじめて「水無月」を買い、旅館でだいじに口にしたときのうれしさが、この水無月の文字に重なったりいたします。水無月の上の小豆は疱瘡を意味しているらしく、疱瘡除けの願いが込められているのだとか。ういろうのしこしこした歯触りに、来る夏を思います。
     
    ひんやりとしたお菓子が美味しく感じられる季節は、アイロン仕事が進まなくなってきます。裂探しはいつでも愉しいのですが。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     

2017.5

  • 蓮の道草36 布を「たつ」ということ アップしました。

     
     

    白地丸龍文金襴


    蓮の道草36 布を「たつ」ということ  アップしました。
     
     

  • 五月 皐月

    麻浅葱地花丸文型染 江戸時代


    五月になりました。
    木々の緑がまだやわらかな色をしているこの季節は、窓を開けたまま過ごせること室内に風の道ができて心地よいです。
    以前この季節に窓を開け放していたら、何を間違えてか部屋の中に勢いよく雀が飛んできてしまい、手狭な室内で雀も私も大慌てしたことがありました。
    窓の前の大きな欅の木に安心してそのまま飛んできたのだと思いますが、この季節になるとあの雀の一件を思い出し、開け放した窓に大丈夫かと、時折り目を向けてしまいます。
    愛らしい鳥が刺繍された裂の断片など探してみたい気分です。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     

2017.4

  • 四月 卯月

     

    浅葱色地虫花草文ヨーロッパ更紗 19C


    春たけなわ。花々が咲きこぼれる四月になりました。
    花冷えも続いていますが、公園や街路樹の緑の芽がそろそろ芽吹くもようです。
    春に合わせて花模様や蝶々などの文様の包み裂がほしくなりました。
    時代のもので、ちょっと探してみたいと思います。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     

2017.3

  • 貝母の花

     

     
    春の陽ざしに貝母(ばいも)の花が咲いていました。
    伺った先を失礼しようとした時、花の話になり、
    今裏で貝母が咲いていますと、ご案内いただきました。
    自然のままに飾り気なく、あどけなく咲いている姿が格別で、
    おことわりして写真に撮らせていただきました。
    いつも春になるとこの場所に咲くのだそうです。
    お知らせの欄に、春のお知らせです。
     
     
     

  • 「熈代勝覧に描かれた江戸の暮らし」特別セミナーのお知らせ

     

    解きもの 江戸時代


    ホームページ「蓮の道草」19にて、拙いながらに触れました絵巻「熈代勝覧」(きだいしょうらん・ベルリン国立アジア美術館所蔵)が、現在開催中の江戸東京博物館特別展「江戸と北京 18世紀の都市と暮らし」(4月9日まで)において、約11年ぶりに日本に里帰りしています。
    「熈代勝覧」は1805年、文化2年ころの神田今川橋から日本橋までの間の大通り(現在の中央通りになります。)と町並みをつぶさに描いた一巻の絵巻になり、1995年にドイツの中国美術収集家ハンス・ヨアヒム・キュステル氏の親戚宅の屋根裏部屋から発見されました。作者は不明で、どのようなことからこの活気に満ちた絵巻が誕生したのか、また、どのような経緯を経て日本から海外へ渡っていったのか、その履歴ははっきりわかっていないと聞いています。
     
    約17メートルからなる「熈代勝覧」には、江戸日本橋にみられる多くの商いのようす、あちらこちらに見かける振り売りといわれる行商の様々な業種、ゆきかう姿からうかがい知れる人々の多様な階層、三月の雛売りの出小屋のようすや、季節の桃の花売り、道の辻に立つお菓子売りなど、当時の江戸の中央での日常と貴重な風俗がこまかく記録され、描かれています。
    中でも興味を引くのは天秤棒に古着とおぼしき着物をかけて裏道などを歩いている、振り売りの姿です。また、「三つ物屋」(みつものや)と呼ばれた古着、もしくは着物を引き解いた「解きもの」などを商う振り売りからも、当時相当数の繊維製品が流通していったようです。古裂古美術蓮も、取り扱いの裂を思えば現代の三つ物屋、などと思っています。古い染織品を引き解いて、「解きもの」を大切に整えます。三つ物屋に関しては今後も引き続き調べたり、知ってゆきたいことのひとつなので、時代の振り売りへの興味は深まります。
     
    写真は江戸期の端裂ですが(こちらはやわらかなちりめんと紬です。)、このようなちょっとした寸法の端裂も当時三つ物屋に扱われていたようですし、引き解かれたひとひらを購入することは庶民の女性たちの暮らしの中の愉しみであり、普段の心を明るくする日常の彩りとなったことでしょう。ひとひらだからこその工夫を愉しんだことと想像します。
    時代を経るごとにしだいに小さくなってゆく宿命の裂も、この熈代勝覧の中でいろいろな姿として見うけられます。雛売りの小屋に並ぶ雛の衣裳にみられる緋色も、今に遺された江戸期の裂に重ね合わせてその色を感じ取ることができます。
     
    今回の里帰りにあたり、2009年に「熈代勝覧」の複製絵巻を共同で制作し、東京メトロ「三越前」駅の地下コンコースにその設置をされた名橋「日本橋」保存会さんと日本橋地域ルネッサンス100年計画委員会さんが主宰され、江戸東京博物館学芸員の江里口友子氏を講師にお迎えして「熈代勝覧」についてのお話しを伺う特別共催セミナー、「熈代勝覧に描かれた江戸の暮らし」が開かれます。
    染織品関連には触れられない今回とは思いますが、日本橋の賑わいと喧噪、江戸の時間と文化が見てとれる「熈代勝覧」についてご興味をお持ちの方は、ぜひともご参加されてみてはいかがでしょう。
     
    名橋「日本橋」保存会 / 日本橋地域ルネッサンス100年計画委員会
    特別共催セミナー
    「熈代勝覧に描かれた江戸の暮らし」
     
    日時:3月16日(木)18:30~20:00
    (*1時間の講演後、質疑応答30分ほど)
    講師:江里口友子氏(江戸東京博物館学芸員)
    参加費:無料
    会場:日本橋162ビル8階(中央通り沿い、一階は奈良まほろば館)
    定員:100名 定員になり次第締め切り
     
    ご参加希望のお申込みは、
    ・「月刊日本橋編集部」03-6202-1221
    までお電話にてお申込みいただくか、
     
    ・「日本橋地域ルネッサンス100年計画委員会」
    ご担当者・高村様 takamura@nihonbashiplaza.co.jpまでメールにてお申込み下さいませ。
    どちらの場合もお申込み時に「古裂古美術 蓮のホームページを見ました」とお伝えいただければと思います。
     
    三月弥生の宵のひとときに、約200年前の大江戸日本橋の地に思いを馳せてみるのも愉しいことです。
     
     

  • 三月 弥生

     

     
     
    三月になりました。
    雛の季節はやさしい色彩や若草萌える色合いを身近によせてみたくなります。
    陽の光の暖かさに、水に関係した文様がそろそろ気になりだすのもこのころです。
    水面(みなも)の静。ゆるやかに揺らぐ流水文。
    やきものや染付、蒔絵などの絵付に見られるような楚々とした水草や沢瀉の文様の裂などを探してみたいものです。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     

2017.2

  • 若草色の海気入荷いたしました


     
     
    若草色、もしくは薄緑といえる色目の古手の海気が入荷いたしました。
    実物は写真よりももう少し緑が入った感じです。
    なかなか点数が探せない色目で、とても感じのよいものです。
     
    一幅タイプのもの
    幅  37,5~38,0 cm
    長さ 約98,5 cm
     
    前身ごろの形状のもの
    天の幅 約25,0 cm
    地の幅 約37,5 cm
    地から10,3cm~11,0cm上がった部分に
    縫い足し有りを含めた長さ ほぼ81,0 cm
     
    詳細はお電話かメールにてお問い合わせ下さいませ。
     
    完売いたしました。
    ありがとうございました。
     
     

  • 草木張月の二月になりました

     

     
    今日から二月です。つめたい冬の空気に包まれていても、あたりからそこはかとなく春の気配が感じられてくる月です。二月には草木の芽が張る草木張月(くさきはりづき)という美しい別名があります。
    草木たちは冬の間眠っているようにみえますがそうではなくて、自分が知る自らの最高の時季に向けて、内に持つ様々な成分をとても活発にその身に循環させている、もしかしたらとても忙しくしているのが冬なのかもしれません。草木張月になり芽が張りだす生は、複雑に美しい染め色を見せてくれるのでしょう。
    古い時代の草木からの色の美しさを目にしては、色の骨董、糸の骨董、などといった思いになりますが、裂の世界は今後どのように引き継がれてゆくのだろうなどと時折り思いつつ、忘れつつ、日々裂の傍にいます。一年で一番寒さの底です。二月をたのしみつつ皆様御自愛ください。
     
    *写真は朝の公園で見かけた枝垂れ桜です。三春の滝桜の子孫だそうです。
     
     

2017.1

  • 蓮の道草アップしました

                                                                                                                                  
     
     
    蓮の道草アップしました。
     
     

  • 1月の店舗営業日のお知らせ

                                                                   新年明けましておめでとうございます。
    本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
    この一年も味わいある古い裂を探してまいりたいと思います。
                                                                                             

    年明けは1月16日(月)より店舗営業いたします。
    お問い合わせ等ございましたら、お気軽にお電話かメールにてご連絡下さいませ。
                                                                    

                                                                    

    *1月の店舗営業日
                                                    
    16日(月)12:00-18:00     
    19日(木)     〃
    21日(土)所用のため12:00-16:30まで営業いたします。
    25日(水)12:00-18:00
    27日(金)     〃
    28日(土)     〃 
                                                                                                                                  営業日を追加させていただく場合はお知らせいたします。
                                                                                                                                                                                                 今年から新しく変更させていただきます営業日の日程がまだ整わずにおりますが、
    日にちをまとめてゆけるよう、今後つとめてまいります。
    どうぞよろしくお願い申し上げます。
    引き続きこれまでどおり、ご来店のご予約等お気軽にお問合せ下さいませ。
                                                                               

2016.12

  • ホームページをリニューアルしました

     

     

    ホームページをリニューアルしました。

    まだ整えきれていないところもありますが、徐々に調整してまいります。
    どうぞよろしくお願い申し上げます。

     

     

     

     

     

  • 新年営業のお知らせです

                                                                                                                                  新年は1月16日(月)から店舗営業いたします。

                                                                                                     来る年は思いきって、今まででいちばん遅いスタートになることを迷いつつも予定しました。
    お知らせの最初で触れましたが、来年より店舗営業日(開店日)の見直しを検討しております。

                                                                          古い裂を取り扱ううえでは、仕入れと、仕入後の裂を解きほどく、洗う等の作業がいつもとぎれずにあります。古い時代の染織品を整える仕事はいろいろな発見もあったりし、何より愉しいものですが、同時にひとつひとつとても時間の要る手作業でもあります。
    仕入れた裂を整えて店に並べることが追いつかないまま、次の仕入れが重なりゆくことがここ募ってまいり、裂を良い状態に整える作業が届かないうちふたたび翌月仕入へと、小舟の櫂を漕ぐこと繰り返しているわが小店。せっかくお運び下さるお客様、いつも申し訳ありません。味わいある小さなはぎれも、早めにご用意しご覧に入れたいものです。

                                                                                                                                  来年から仕入れとともに、裂を整えることにもとくに集中して作業を進めてまいりたく、模索しながらではございますが、店舗営業日(開店日)をできればひと月の中の日にちで決めることなどを検討しております。
    ご不便おかけして申し訳ございませんが、これまでどおり、ご予約いただけましたら営業日以外でも対応させていただきます。遠方からお越し下さるお客様も、どうぞお気兼ねなくお問い合わせ下さいませ。
                                                                                                                    古い染織品の世界はほんとうに愉しく、そして奥が深いです。その愉しさを、蓮から皆様に少しでもお伝えでき、お届けできたらというとおこがましいですが、営業日をまとめることで、かえってお客様にはご不便をおかけしないのかもしれないとも思案しております。
    裂のご紹介によりつとめられるよう、営業日が今よりわかりやすくお知らせできる形を検討しております。来年のこの宿題にはもう暫くお時間をいただきます。

     

     

    詳細はあらためてホームページからお知らせさせていただきますが、これまでどおり、お気軽にお問合せ頂けましたら幸いです。
    来年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2015.4

  • 『工芸 青花』第2号に江戸時代の縫い糸をご紹介いただきました。

     

    『工芸 青花』第2号(新潮社より3月30日発刊)に江戸時代の縫い糸をご紹介いただきました。(タイトルは「昔の糸」です。)

    工芸青花|kogei-seika – 新潮社 –
    » http://www.kogei-seika.jp/

    本体となる素材段階の染織品が、衣服などの形状を成し得て完成品となるにあたっては、その縫製に適う縫い糸が使用されます。
    縫い糸は華やかに目をひく刺繍とは異なり、表から見えないことが前提の脇役をつとめるものですが、本体と同様に時代の染めがほどこされていることにかわりありません。江戸時代の縫い糸が見せてくれる色彩には独特の深みと透明感があり、その色からは、草木や花のなごやかな気配が感じられるようです。
    美しい染めの小品を、皆様に御覧いただけましたら幸いです。

    *『工芸 青花』第2号につきましては当店にても販売させていただきます。
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