2018.7

  • 猛暑が続いています

    夕どきの店内から


    連日たいへんな猛暑です。
    皆様もお気をつけ下さいませ。
     

    窓を開けると、とたんに室内の温度が上昇するので閉めている窓。
    それでも夕方になると風が吹いてきて夏らしい。
    このあたりは小さなバーがひしめきあっていて、
    夕方になるとどこかから、昭和の歌謡曲が聞こえてきます。
    風鈴の音も、風に乗って聞こえてくるのですよ。
    近くの小さなお店の入口に、風鈴があるのを知っています。
     
     
     
     

  • 文月 七月

     
     

    丹波布 江戸末~明治


    七月になりました。
    東京ではもう梅雨が明け、猛暑の夏がやってまいりました。七夕飾りも街のあちらこちらに見られ、願いごとが書かれた短冊が、なまあたたかい風に吹かれて揺れています。
    こちらは今月がお盆です。迎え火に使う、ぽきぽきした苧殻。お茄子ときゅうりの牛馬に、お供えの桃の香りとお線香のかすかな匂い。幼いころの、七月の家の中の記憶です。
     
    蓮はこの10月に25周年を迎えます。二度とない節目の日にかけまして、思いきって25周年の記念展をおこなうことを予定いたしました。会場は、ご縁あって東京・神楽坂のAYUMI GALLERYさんで開催させていただきます。味わい深い昭和の木造建築、洋館の建物と古裂とが、きっと素敵に調和するのではと思います。今後少しずつご案内させていただきたいと思います。
    さてさて、夏バテしないよう、皆様も御自愛下さいませ。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     

2018.6

  • 青花の会骨董祭2018 無事終了いたしました

     

    染織資料 渡り裂断片 19世紀

     
    6月8日から3日間開催されました「青花の会骨董祭2018」が無事終了し、早いもので1週間が経とうとしております。御来場いただいたお客様には御覧いただく裂について、自分がわかる範囲で少しでもお役に立つご説明をさせていただければと思っておりましたが、いろいろと行き届かないことが多く、お待たせもしてしまい申し訳ございませんでした。お越しになれませんでしたお客様も、ご親切にご連絡を頂いたり、インスタグラムを御覧いただけたりと、心より御礼申し上げます。お世話になりまして、ありがとうございました。
     
    また、会期中に仕覆裂についてのお問い合わせをお電話とメールにて多く頂き、今後裂を探すうえでとても勉強させていただきました。会期当日だったこともありご連絡頂いたお客様方にはご対応のお時間をお待ち頂いてしまい、大変失礼いたしました。お問い合わせ頂き感謝申し上げます。
     
    いろいろなご縁を頂き、学びの多い3日間でしたが、中でも印象的でしたのは“古裂”というものを初めて買われたとおっしゃるお客様が数人いらして下さったことでした。ものとの出逢い、そのだいじな最初の入口で、ほんの少しでもその裂の見どころを自分なりにお伝えできたことはうれしいことでした。自分が古いものの世界に入り、最初に買い求めた古裂はどのようなものだったかと、その夜遠い記憶の糸を手繰りました。
     
    この度は主催・出展者の皆様方には大変お世話になりまして心より感謝申し上げます。これからもひとつひとつ精進してまいりたいと思っております。
    ありがとうございました。
     
     
     
     

  • 水無月 六月

     
     

    青花の会骨董祭2018出品 赤地十字文旗


     
    六月になりました。
    「青花の会骨董祭2018」がいよいよ近づいてまいりました。
    初出展させていただきますこと、様々に緊張いたしております。
    でも、とても楽しみに裂の準備をしております。
     
    今年は蓮の店を出発させてから25周年となる年です。
    以前京橋で店をしておりました時には「日本橋・京橋骨董まつり」に参加させていただいたのですが、その際は蓮の店に於いての参加でしたので、店から離れての出展、展示会は、昨秋京橋の草友舎さんと大分の花元さんと開催させていただきました三人展「艸ノ会」が、まるではじめてのことでした。その意味では今回の「青花の会骨董祭2018」は2回目ではありますが、大きな骨董祭の現地会場で出展させていただくことは、25年中まったく初めてのことになります。
     
    時折りお客様や業者さんに、「どうしてこれまで催事に出なかったのですか?」と訊かれることがあるのですが、どうしてでしょう。たぶん、人がたくさん集まるところに、自分が出展する勇気も自信もなかったことと、自分が自分のちいさな店から離れて古裂を多くの方に御覧いただくということが、私にとりましてはイメージできなかったからかもしれません。素敵なギャラリーやそのような場所は、数多くあるというのに。
    ですので「艸ノ会」出展は、小舟の櫂をはじめて手に持ったような、小舟に乗り、櫂を漕いで、一度広い湖か海に出てみるような、そんな気持ちも想いも心にありました。(おおげさではなく、ほんとうにそんな気持ちもありました。)結果はいままでお会いすることのなかった古裂をお好きな皆様にお会いすることができ、また、長年蓮を支えて下さる裂に情熱を注ぐお客様方も楽しみにいらして下さったりと、心から感謝のひとときをすごさせていただきました。
     
    先程、勇気も自信もなかったことと記しましたが、自信はいくら年数を経ても、やっぱり生まれてきてはくれません。(つくづく年数は積むことができなく、経てゆくものだなと思います。)けれど、自分が好きな世界を続けてゆきたいことの中に、展示会、展覧会はおこなってゆければという願い、想いは確かに生まれたので、一層の努力の中、裂のほとりにこれからも居続けていられれば自分はそれでいいと感じております。さいごまでお読み下さり、ありがとうございます。
    水無月六月。今月は青花の会骨董祭2018があります。掌にのるほどの、ちいさな美しい古裂より出品させていただきます。御覧いただけましたら幸いです。
     
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     

2018.5

  • 「柚木沙弥郎の染色 もようと色彩」展に行きました

     

    柚木沙弥郎の染色 もようと色彩 展


     
    東京・駒場の民藝館で開かれている「柚木沙弥郎の染色 もようと色彩」の展覧会を、少し前に観てきました。展示されている作品の多くが眼に気持ちに心地よく、民藝館の建物の中の空気と相まって、「模様」というものの楽しさをあらためて感じることができました。
     
    写真の着物は広間正面に展示されておりました。「型染むら雲三彩文着物」です。
    午前中早めで人もまばらだったので、この着物の前に少しの間いることができました。
    眺めているうちに、むら雲のもようとその空間とがかもしだすものに、山の稜線をみているような、海の水平線をみているような、何か自然に迎えられているような、そんな気分にさせられる、自然がここに在るようで、この素晴らしい作品にひたすら感激して帰ってきました。
    その日は雑木林の中を散歩したあとのような清々しい気分で一日を送りました。
    日本民藝館で6月24日までです。
     
     
     

  • 青花の会骨董祭2018の出展DMができました

     

    青花の会骨董祭2018出展のDM


     
    五月も後半になり、「青花の会骨董祭2018」が近づいてまいりました。
    「裂のほとり2 ― 暮らしを紡いだ古裂たち ―」のDMができあがりました。
     
    『絵巻や屏風などの絵画資料には、人びとの様々な装いをはじめとして、点景にみられる幕や家屋の中にのぞく簡素な垂布、道ゆく僧侶の衣、旅姿の装束や、美しく赤色に染められた馬の手綱など、多くの染織品、繊維品がみてとれます。庶民の世界、上流階層の生活、寺社、芸能、そして茶の湯。それぞれにおける生と人びとの暮らしを紡ぎ、今に伝えられた古裂たちは、古から続く日本の暮らしの記録そのものです。時代の糸と美しい色彩が織りなす染織分野、その入口を御覧いただけましたら幸いです。』(DMより)
    青花の会骨董祭2018にて、古から続いてきた日本のかたちと暮らし伝える「古裂」の愉しみ方を、少しでもご紹介させていただけましたら幸いです。
     
    蓮では掌にのるごく小さな断片裂を大切に考えます。本来大きな形状だった時代の染織品が、時を経て小さな姿となり、現代にまで伝え遺されてきたことは意味深く、数センチほどの断片の中に染織の美しさと世界が在ります。
    青花の会骨董祭2018に於きまして、よりよいコンディションで古裂を御覧いただけますよう、古裂を整えて楽しみに準備しております。6月もあと少しです。
     
     
     

  • 裂のほとり2 ー暮らしを紡いだ古裂たちー のこと

     
     

    青花の会骨董祭 2018


    3年前、散文「蓮の道草9」の『裁縫と“をさな”と“おとな”』vol.4の最後に、このように記したことがありました。「針と糸、縫い合わされた色とりどりの古い裂、草木からいづる深い色、人の暮らしと在りし歴史は美しいものに寄り添いながら、時間の粒子に運ばれてずっと遠くまで紡がれてゆく。古くから遺る形あるもの無いものが、どこまでも紡がれてゆきますように。」
     
    しだいに小さく姿を変えながらも、今の時代まで伝えられてきた古い染織品が、次の時代、その次の時代にも、もっと小さなかけらになったとしても、美しいものを宿したままに、日本に遺ってゆくことを願っております。ささやかですが、一生懸命あつめておりました古裂たちを御覧いただけましたら幸いです。「裂のほとり2 ―暮らしを紡いだ古裂たちー 」とタイトルし、青花の会骨董祭2018に出展させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
    出品させていただく古裂を、これから少しずつインスタグラムにご紹介させていただきます。
     
     
     

  • 皐月 五月

     

    衣裳修繕部分 江戸後期

    五月になりました。
    お天気に恵まれたゴールデンウィークの前半、気温は初夏の暑さとなりました。
    窓を大きく開けて、いろいろな作業をしております。この頃は何だか一週間の早さなどではなく、一日の時間の早さがとても加速しているような気がしてきました。六月はすぐにやってきそうです。
    五月は裂を整える作業の都合により、誠に申し訳ございませんが、お店をお休みさせていただきます。仕入れも出張も毎月と変わらず、ぱたぱたと移動しております。愉しい古裂と出逢えますように。
     
    木々の緑がいっそう濃くなってまいりました。たんぽぽは、すらりと伸びた茎に綿毛の姿で道路脇で風に揺れています。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     
     

2018.4

  • 6月の「青花の会骨董祭2018」に初出展いたします

     

    日本の木綿格子裂 江戸末~明治時代

    このたび6月開催の「青花の会骨董祭2018」に初出展させていただきます。ご案内の詳細はもう少し先になりますが、本日ホームページトップのお知らせ欄に〈予告〉を記しましたのでご覧下さいませ。
    これから青葉の美しい季節をむかえます。窓をあけてさわやかな風を入れ、古裂たちの準備にいそしみます。
      
     
     
     

  • 卯月 四月

     

    梵字刺繡裂残欠 江戸後期


    四月になりました。
     
    いつもみているケヤキの木が、新芽から、ようやく小さくてやわらかな葉をひろげはじめました。今はまだ緑色になる前の、赤茶色を帯びた葉の色です。一日ごとに様子を変え、内からこぼれるようにして芽吹いてくるその様を目にしていると、生きものである木々たちの一年が、また巡り始めたのだなと思います。このケヤキの対角の場所に在る、もう少し大きなケヤキはもっと陽当りがよいせいか、みるみる緑色が濃くなりつつあり、葉を繁らせてきています。
    早春までは枝ぶりだけの風景だった空との境に、風の流れのとおりにさわさわと葉が揺れうごいている。まるで時間が吹いているようです。葉擦れの音が聞こえる季節へ、時は移りかわりました。
     
    今月から、暫くの間ですが、店の開店日が少し少なめになります。
    出張も変わりないのですが、古裂をととのえる作業を、少しばかり集中しておこなうことを予定いたしました。ご紹介させていただく裂の準備にいそしみます。何卒よろしくお願い申し上げます。御来店のご予約や、お問い合わせは、どうぞお気軽にご連絡下さいませ。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     
     

2018.3

  • 弥生 三月

     

    紬地の和更紗 江戸末頃


    三月になりました。
     
    もうすぐひな祭りなのでうっかりしないようにと、出張先の京都で桃の花を買いました。あたりが暗くなる少し前の、夕刻でした。
    店と自宅に飾る分の菜の花と桃の花を包んでもらい、ほかにも求めたかった枝ものや花を眺めつつ、これ以上荷物が多くなることをおそれてお勘定を置きました。菜の花は緑のかたい蕾ですが、黄色く咲き始めるとぐんぐん丈が伸びてきますのでこのくらいでよいこと、桃の花は、ふっくりとほどよくふくらんで、濃いその色を順々に枝に灯しています。桃色が、ひな人形が飾られた温かな部屋を連想させてくれます。
     
    江戸時代は、桃の節句が近づく二月の半ば頃から三月の初めまで、町なかを振り売りのひな売りが歩いたそうです。雛市も立ちました。振り売りは、季節ごとにみられる様々な商いが楽しく、節分の時分には柊売り、端午の節句前には柏餅の柏の葉売り、振り売りに関した本を読むと、江戸の暮らしの季節の確かさに惹かれてしまいます。そんな江戸時代の染織品が、姿を消さずにこうして今に伝わり遺ってくれていること、糸や染め色の美しさを、次に伝えてゆければと願います。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     
     

2018.2

  • あられやこんこ

    鶸浅葱色の江戸期の紬 残片裂


     
    早春のきびしい寒さだった今日、所用があって店に14時少し前に着きました。
    午前中の出先では、少しの間小雪が舞った時がありましたが、銀座に着くと、あられが降っていました。空からごま塩のような小粒が降り落ちて、路にころころと弾むのを見て、ピーコートの濃紺のひじを傘から出してみました。また雪の結晶が見えたらいいと思ったのですが、あられはほんとうに小さな小さな氷の粒なのですね。弾むわけです。雪の結晶見れず。(いつも携帯のルーペをのぞいたという。)
    あられの降る二月もあと数えるほどになりました。早春からしだいに春へと季節は移りゆきます。
     
     
     

  • 今日のできごと

     
     

    型染め蝙蝠図半纏 大正頃か


     
    本日店まであと少しのところに来た時、何やらわらわらとたくさんの人たちが群れていて、路の角やこちらの路上でスマホを見たり、何かを待っているような、辺りに異様な緊張感?が漂っていたので、これから芸能人のどなたかの撮影でもこの界隈であるのだろうか、などと思ったら、その緊張感の発生もとは泰明小学校でした。ニュースを思い出しました。
    泰明小学校の校門前には特大レンズのカメラが来ておりましたし、にわかカメラマン?らしき方々もたくさんでした。校門のすぐ前には覆面パトカーも停まっておりました。
     
    昨日もこの様だったのか、昨日は出先だったため店に来られず様子がわかりませんでした。
    はあ、何だかリアル、と思い、漂う緊張感の横を通り過ぎました。
    お洒落な洋式の校門がとても素敵なこちら、泰明小学校は、夏には校庭に櫓が立ってほのぼのと盆踊りもおこなわれています。
     
    写真は今日のできごととまるで関係ありませんが、型染め蝙蝠図の半纏です。
    襟部分が欠損して現れたのですが、その事は何ら鑑賞に影響せず、いきいきとした蝙蝠の躍動感とその迫力にぱっと心を掴まれました。蝙蝠は縁起の良いアイテム。立春が過ぎた一年の始まりに、蓮のささやかな店内で蝙蝠にはばたいてもらいました。
    今日のできごと、終わります。
     
     

  • 二月 如月

     

    蹴鞠装束 葛鞠袴の露革  江戸時代


     
    草木張月の二月になりました。
     
    昨年とくらべて今年の冬の寒さはことのほか厳しくて、たくさん着込んでいても店の中は足元が温まらないものです。寒いことが理由なのか、単にそれを理由にしているだけなのか、この冬はどうも甘いものに目がなくて餡子ものについ手が伸びてしまいます。
     
    四谷のわかばさんの、こんがりと焼けたたい焼きを受け取るときにいつも熱烈に見てしまうのは、たい焼きのおつりを乗せる真四角な木の台です。
    大きなサイコロのような、何の飾り気もない木材(もし何か由緒あるものでしたらすみません。)なのですが、お客様のおつりの受け渡しで長年使い込まれて、手ずれで台の中央がすり減りくぼんでいるのです。そのなだらかで自然な曲線、時間が刻まれた風情といったら、無口で貫禄があってなんと素敵な!と惚れ惚れしてしまうおつりの台なのです。初めて目にしたときはあまりの素敵さに動揺して、たい焼きとともに盃も手にしたいくらいの気持ちになりました。憧れのおつりの台、きっとご存じの方もいらっしゃると思います。
    先日も甘いものに呼ばれて夜空の下四谷に向かいました。束の間おつりの台に熱い視線を送り、焼きたての熱々のたい焼きを店内で頂きながら、アイロンがけや整えたい江戸の古裂の宿題ごとを、あれこれと思い浮かべました。
    間もなく節分です。季節の足音がしています。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     
     

2018.1

  • 明けましておめでとうございます

     

    舞楽装束 江戸後~末期

     
    新年明けましておめでとうございます。
    今年も古くから遺されてきた日本の美しい染織品を探して皆様にご紹介させていただきたいと思います。趣きのある古裂、植物からの深く美しい染め色、ひとすじの糸の存在、それぞれの裂の時代感…古裂から様々を感じたり学び続けながら、この一年も古裂に励みたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
    もしお探しの古裂がございましたら、どうぞお気軽にご連絡下さいませ。
    古いものは出逢いものですので、すぐには難しいかもしれませんが、心がけたいと思います。
     
    新たな一年が始まります!
    本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
     
    2018年 元旦
     
     

2017.12

  • 今年も暮れゆきます

     
     
     
    12月31日、今年も大晦日になりました。
    一年の最後の一日は、カチカチと時計の振り子の音がどこからか聞こえているような、時の刻みを感じます。皆様もきっと今頃はお忙しくお過ごしで、それでも夜が更ければ大晦日の除夜の鐘を静かに聴かれることでしょう。
     
    この一年、心よりありがとうございました。
    また来年も、何卒よろしくお願いいたします。
    もうすぐ来る新たな年が、皆様にとって幸多き一年でありますよう、お祈り申し上げます。
     
    古裂古美術 蓮
    田部浩子
     
     
     
     
     

  • 十二月 師走

     

    江戸期の単色裂でクリスマス色を意識して


    十二月になりました。
     
    あわただしく過ごしながらも楽しみに準備してまいりました艸ノ会を無事終えることができました。
    二日間の会期中は会場にお越し下さいました皆様と古裂の愉しさを味わい、とりどりの美しい色彩に囲まれて過ごさせていただきました。
    日を置いて出張にでかけた新幹線の車窓から、山々の紅葉を目にして師走という言葉を思い浮かべたりしていました。
    師走は十二ヵ月のなかでもとりわけ駆け足で日がすぎてゆきます。半ばの二十日を過ぎれば大晦日もみえてまいります。
    今年も冬至がやってまいりますね。太陽を想い、最大の自然であるという「時間」を想い、時を繋げてゆくということを想い、今年さいごのひと月を、丁寧に過ごせたらと思います。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     
     

2017.11

  • 艸ノ会を終えて

     

    能装束断片 江戸時代


    11月25日(土)、26日(日)の二日間開催いたしました三人展艸ノ会はお蔭様をもちまして無事に終了いたしました。
    両日ともお天気にも恵まれて、ほんとうにたくさんの方々が会場にお運び下さり、とても感激いたしました。
    古裂古美術 蓮では企画展といたしまして「裂のほとり展 ー断片裂を中心にー」をおこないました。江戸期の木綿、絹、紬、麻、様々な小さな断片裂をご紹介させていただきました。能装束の断片裂や慶長裂の断片裂なども並べさせていただいたのですが、中でも長い間集めてまいりました渡り裂の「嶋かいき」の断片裂を展示させていただきましたことは、蓮の店として記憶しておきたく思う点でした。渡り裂の参考資料になりますが、お好きな方にお持ちいただいて新たなコレクションに加えていただけましたら幸いです。
    そのほか、小さくても魅力ある金襴、銀欄の断片裂、ヨーロッパ更紗の素敵な断片裂など、掌にのる楽しい断片裂を催しさせていただきました。断片裂のテーマでは、いずれまた企画展をおこなえればと思っております。この度は会場となりました京橋の草友舎さん、大分の花元さんと三人展艸ノ会を開催させていただきましたこと、お二人に心から感謝しております。そして皆様ほんとうにありがとうございました。引き続き、古裂の魅力を追いかけてゆきたいと思います。
     
     
     

  • 「艸ノ会」開催いたします。

     
    艸ノ会の開催です
     

    艸ノ会 「裂のほとり展」


    本日11月25日(土)12:00から三人展 艸ノ会を開催いたします。
    26日(日)は11時からです。
    草友舎さん、花元さんの出品される古く美しいものと古裂たちをご覧いただけましたら幸いです。
     
    古裂古美術蓮は企画展として「裂のほとり展 -断片裂を中心にー」をおこないます。
    会場では24周年を記念して先日発行いたしました小冊子『裂のほとり』一部500円を販売いたします。どうぞお気軽にご来場下さいませ。
     
     
     

  • もうすぐ艸ノ会が始ります

     
    今週末はいよいよ艸ノ会が開催いたします。 
    いろいろ古裂を整えて準備しているところです。
    皆様に愉しんでいただけますよう、どうぞお気軽にお出かけ下さいませ。 
     
     
    出品の古裂の風景

    うさぎと唐草の型染め

    能装束断片裂


    小さなサイズのものたちです。少しづつ、いろいろを、お楽しみ下さいませ。

     

     

     
     

  • 小冊子『裂のほとり』を編みました

     

    『裂のほとり』


    蓮は1993年の秋に小さな店を出発させて、今年24年を迎えます。 
    これまで支えて下さいました皆様に、心より感謝いたしております。 
    年月を記念して、この度古裂に関わるささやかな冊子『裂のほとり』を編みました。 
    A5横サイズ、カラー20ページ、価格は500円です。 
     
    ご購入のご希望とお届けの詳細につきましては後日あらためてお知らせいたします。 
    展示会準備のため現在冊子のご配送に関するご対応ができず後日になってしまいますこと大変申し訳ございません。何卒よろしくお願いいたします。 
     
    『裂のほとり』もくじ 
    まえがき / 地蔵菩薩 / ひとつの色 / たとう紙の更紗 / 縞と格子の絹織物 / 
    嶋かいきによせて / 沖縄が湛える / 理想の休日 / あとがき 
     
     

     

    『裂のほとり』より


     
     

  • 十一月 霜月

     
     

    能装束断片裂芒図刺繍部分 江戸後期頃


     
    十一月になりました。
     
    先日東京は木枯らし一号が吹きました。
    郵便局へゆく道の、街路樹の並木がつよい風にあおられてずっと葉擦れの音をさせていました。木々は落ち葉になり冬になると葉擦れの音は聞けなくなるので、その自然音をよく聞きました。冬から春になり、芽吹きの季節が過ぎて若葉が揃う五月頃になると、再び葉擦れの音が聞けるようになります。今頃の風のつよい日は木々の音がしていいものです。
     
    いよいよ三人展「艸ノ会」が今月開催いたします。
    このたびDMをご希望下さり初めてご連絡を頂きました皆様方、また、艸ノ会のお問い合わせを頂きました皆様方、そのほか思いがけない反応を頂き心より感謝申し上げます。二日間の短い会期ですが、皆様に古裂の愉しさを少しでも味わっていただけますよう、お気に留めていただける裂をご用意できればと思います。お時間ございましたらぜひお越しいただけましたら幸いです。
     
     
     

2017.10

  • 十月 神無月

     

    縞・格子・絣 江戸~明治初


     
    十月になりました。
     
    しだいに秋が深まってきて街路樹のサクラがよく葉を落とすようになりました。
    不思議に思うのはサクラの木の横を通るとき、夏にはあまり感じられなかったサクラの香りが、今この季節によく香ってくるような気がするのです。桜餅の、あの香りです。
    これから季節はさらに移ろうことを、サクラは、草木たちはきちんと知って、内を様々に循環させて来る季節に順応しようとしているのかもしれません。香りはそれと関係があるでしょうか。
     
    秋の企画展まであとふた月ほどとなりました。皆様に愉しんでいただける古裂をお持ちしたいと思います。少しずつ準備を進めています。
    艸の会のお知らせが整いましたら、ホームページ、そしてインスタグラムからも、詳細をお知らせいたします。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     

2017.9

  • 九月 長月

     

    型染 木綿  江戸末―明治初頃


    九月になりました。
     
    八月はお店のお休みをいただきましたが、早くも今年後半が始まりました。
    夕風に感じる涼しさや、日も短くなって暮れ時が早まってきたあたりの様子に秋の表情を見つけています。
    秋になったら海に行こう、波打ち際を歩くんだ、などと空想を重ねていますが、どうも秋も早足で過ぎそうです。
     
    都合によりお店の開店日がこれまでよりすこし少なくなるかもしれません。
    お知らせ欄に記させていただく日にちをご確認いただけましたら幸いです。
    ご来店日時のご予約等、どうぞお気軽にお問い合わせ下さいませ。
     
    夏の暑さの名残りがまだ続いておりますが、皆様も御自愛下さいませ。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     

2017.8

  • 11月企画展 「艸の会」の予告です

     
     

    11月開催 艸の会 出品予定の古裂たち


    この秋11月25日(土)、26日(日)に東京・京橋の草友舎さんに於きましておこないます三人展「艸の会」(大分の花元さん、会場となる草友舎さん、古裂古美術蓮です)に出品予定の古裂を少し予告させていただきます。
     
    古裂古美術 蓮では “断片裂を中心として”、企画展をおこないます。
     
    長い間少しずつ集めてきました断片裂で日本の縞・格子裂、インド更紗・ヨーロッパ更紗の断片と渡り裂の断片少々、そして草木からの美しい染め色の江戸時代の断片裂たちを各ご紹介させていただきます。
     
    小さなひとひらの古裂たちは小品や酒器のお仕覆に、工夫の表具裂や額装に、鑑賞に、作品との取り合わせに、そして染織資料としてとても奥深く糸と色彩の凝縮した世界がそこに広々と展開されております。
    遠く時代を経ていつしか断片となっていった古裂の気分を皆様に愉しんで御覧いただけましたら幸いです。
     
    また、個人的ではございますが、時代のある美しい「単色無地」の古裂だけで展示会をおこなってみたいことは、長年の想いとしてあたためております。
    空間を古色でうめつくす「色」が持つ美しい世界を皆様に御覧いただける時がいずれやってまいりますよう、古裂古美術蓮はひとひらの古裂をこれからも探してゆければと願っております。
     
    艸の会開催が近くなりましたら、あらためて出品の古裂をご紹介させていただく予定です。
    どうぞよろしくお願い申し上げます。
     
     
     

  • 八月 葉月

     
     

    つぎあて 江戸時代の麻織物より


    八月になりました。
     
    出張で出かけた京都はまだ梅雨明けしていないようなお天気の日で、その蒸し暑さとクマゼミの鳴き聲に京都に来ている感が増しました。
    帰りは余裕をもって京都駅に入り、出張一日の一人反省会で入ったお店で注文したビールは緊張と汗を流したぶん気分を和らげてくれ、とても美味しい一杯でした。おかわりをしたのは言うまでもありません。
     
    古裂古美術 蓮は八月は古裂を整える作業月とさせていただき、お店をお休みさせていただきます。お問い合わせ等がございましたらお電話かメールにてご連絡下さいませ。
    インスタグラムは今月も折々に投稿させていただければと思います。
     
    九月の開店は一日から続く大きな会を終えてからとなり、開店日は追ってお知らせさせていただきます。
     
    いろいろと古裂の作業を進めて過ごす今年の夏。涼しさが待たれます。
    皆様も猛暑の折り御自愛下さいませ。
     
    このところ「蓮の道草」がストップしておりますが、古裂の作業に追われており機会を見つけているところです。。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     

2017.7

  • この秋 企画展をおこないます。

     

    小袖解き裂 経糸 絹 緯糸 木綿


    企画展のお知らせです。
     
    この秋 11月25日(土)、26日(日)に東京・京橋の「草友舎」さんに於きまして、
    大分の花元さん、草友舎さん、古裂古美術 蓮の三人展「艸の会」(そうのかい)を企画いたしております。ささやかではございますが、それぞれの持ち味を活かした愉しい企画展にて皆様をお迎えできますよう、三人で準備を進めてまいりたいと思います。
     
    会の名前は「艸の会」です。
    会の名を、さて何としようと皆さんで話し合っている時に、三人とも店の名に“くさかんむり”があることに気がつきました。そこからこの名が生まれました。
    艸は草の総称になります。
     
    古裂古美術蓮では、少しずつ集めてきました心惹かれる裂たちを、艸の会にて皆様に御覧いただけますように、古裂を整える作業を秋に向けて続けてまいりたいと思います。
     
    皆様に支えていただき、蓮を出発させてこの秋で24周年になります。
    初めておこなう企画展に、古いもの、美しいものを愛する花元さん、草友舎さんとご一緒させていただけることを、お二人に心より感謝いたしております。
    古裂古美術蓮らしい、多くは集められないひとひらの裂たちを、愛情持ってご紹介させていただきたいと思います。
    愉しみに準備してまいりますので、どうぞ「艸の会」を秋の日のご予定にかぞえていただけましたら幸いです。
     
    詳細が整いしだい、あらためてホームページ、インスタグラムからもお知らせさせていただきたいと思います。
     
    どうぞよろしくお願い申し上げます。
     
     
     

  • 夏休みのお知らせ

     

    秋草に蝶 小袖解き裂 江戸時代


    夏休みのお知らせ
     
    蝉の聲が聞こえてまいり、夏本番となりました。
     
    古裂を整える作業のため、八月はお店をお休みさせていただきます。
    お問い合わせ等ございましたらお電話かメールにてご連絡下さいませ。
     
    インスタグラムは八月も折々にあげさせていただけたらと思っております。
     
    どうぞよろしくお願い申し上げます。
     
     
     

  • 今日は七夕

     

    朝顔の絞り裂 明治期~大正頃


    七月七日の今日は七夕です。
    街では店先に笹と短冊で七夕飾りをしているお店があちらこちらに見うけられました。
    多くは笹がほんものではなかったのが、少しだけザンネンだったでしょうか。
    とはいえ笹を用意できなかった自分ですから、何も言えないのですが。
     
    東京・入谷の朝顔市も、昨日から始まっています。
    涼しげな朝顔の絞り染めの裂を店にかけて夏仕度です。
    七夕が終わると、いよいよ夏がやってきます。
     
     
     

  • 七月 文月

     

    表具裂 金襴ほか 江戸時代


    七月になりました。
    笹の葉さらさら、季節はもう七夕です。
    七夕の日は牽牛織姫の神話伝説のほかに、女性の裁縫の上達を願う「乞巧奠」(きっこうでん)の年中行事、また、一年の季節の節目におこなわれる禊ぎ祓いと関係した行事が日本の各地でみられたりと、様々に祈願が籠められる重要な日といいます。
     
    七夕の晩に願いをかけ、小さな蜘蛛を金銀の小箱に入れて翌朝蜘蛛の巣が張られていたら、裁縫が上達したことになるのだとか。裂をさっと手早く整えられる、そんな上達に置き換えたいところです。
    でも願いをかけても小箱の中の暗闇が心地よくて眠ってしまう、巣を張らない小さな蜘蛛をつかまえてしまいそうです。…地道に裂を整えることにします。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     

2017.6

  • 六月 水無月

    瓦燈形に紫陽花 奉納裂部分 江戸時代

    六月になりました。
    京都では六月三十日の夏越の祓に「水無月」というお菓子をいただくそうで、このことを知ったのは二十歳になるかならないかの頃でした。
    その頃たいへん京都に憧れていた私は大村しげさんの『京暮し』という本を日々読みふけっていて、水無月はこちらの本で知ったお菓子と歳時なのでした。
    大村しげさんはこのお菓子は気の張るお菓子屋さんではなく、町中のおまんやさん(お饅頭屋さん)で買う気さくなお菓子だといったことを書かれていらしたと思います。
     
    今でこそこの「水無月」は、東京のデパ地下やお菓子屋さんでも珍しくなくなりましたが、当時は東京のお菓子屋さんに並ぶことは、限られたお店だけだったのではないでしょうか。
    出かけた六月の京都で生まれてはじめて「水無月」を買い、旅館でだいじに口にしたときのうれしさが、この水無月の文字に重なったりいたします。水無月の上の小豆は疱瘡を意味しているらしく、疱瘡除けの願いが込められているのだとか。ういろうのしこしこした歯触りに、来る夏を思います。
     
    ひんやりとしたお菓子が美味しく感じられる季節は、アイロン仕事が進まなくなってきます。裂探しはいつでも愉しいのですが。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     

2017.5

  • 蓮の道草36 布を「たつ」ということ アップしました。

     
     

    白地丸龍文金襴


    蓮の道草36 布を「たつ」ということ  アップしました。
     
     

  • 五月 皐月

    麻浅葱地花丸文型染 江戸時代


    五月になりました。
    木々の緑がまだやわらかな色をしているこの季節は、窓を開けたまま過ごせること室内に風の道ができて心地よいです。
    以前この季節に窓を開け放していたら、何を間違えてか部屋の中に勢いよく雀が飛んできてしまい、手狭な室内で雀も私も大慌てしたことがありました。
    窓の前の大きな欅の木に安心してそのまま飛んできたのだと思いますが、この季節になるとあの雀の一件を思い出し、開け放した窓に大丈夫かと、時折り目を向けてしまいます。
    愛らしい鳥が刺繍された裂の断片など探してみたい気分です。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     

2017.4

  • 四月 卯月

     

    浅葱色地虫花草文ヨーロッパ更紗 19C


    春たけなわ。花々が咲きこぼれる四月になりました。
    花冷えも続いていますが、公園や街路樹の緑の芽がそろそろ芽吹くもようです。
    春に合わせて花模様や蝶々などの文様の包み裂がほしくなりました。
    時代のもので、ちょっと探してみたいと思います。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     
     

2017.3

  • 貝母の花

     

     
    春の陽ざしに貝母(ばいも)の花が咲いていました。
    伺った先を失礼しようとした時、花の話になり、
    今裏で貝母が咲いていますと、ご案内いただきました。
    自然のままに飾り気なく、あどけなく咲いている姿が格別で、
    おことわりして写真に撮らせていただきました。
    いつも春になるとこの場所に咲くのだそうです。
    お知らせの欄に、春のお知らせです。
     
     
     

  • 「熈代勝覧に描かれた江戸の暮らし」特別セミナーのお知らせ

     

    解きもの 江戸時代


    ホームページ「蓮の道草」19にて、拙いながらに触れました絵巻「熈代勝覧」(きだいしょうらん・ベルリン国立アジア美術館所蔵)が、現在開催中の江戸東京博物館特別展「江戸と北京 18世紀の都市と暮らし」(4月9日まで)において、約11年ぶりに日本に里帰りしています。
    「熈代勝覧」は1805年、文化2年ころの神田今川橋から日本橋までの間の大通り(現在の中央通りになります。)と町並みをつぶさに描いた一巻の絵巻になり、1995年にドイツの中国美術収集家ハンス・ヨアヒム・キュステル氏の親戚宅の屋根裏部屋から発見されました。作者は不明で、どのようなことからこの活気に満ちた絵巻が誕生したのか、また、どのような経緯を経て日本から海外へ渡っていったのか、その履歴ははっきりわかっていないと聞いています。
     
    約17メートルからなる「熈代勝覧」には、江戸日本橋にみられる多くの商いのようす、あちらこちらに見かける振り売りといわれる行商の様々な業種、ゆきかう姿からうかがい知れる人々の多様な階層、三月の雛売りの出小屋のようすや、季節の桃の花売り、道の辻に立つお菓子売りなど、当時の江戸の中央での日常と貴重な風俗がこまかく記録され、描かれています。
    中でも興味を引くのは天秤棒に古着とおぼしき着物をかけて裏道などを歩いている、振り売りの姿です。また、「三つ物屋」(みつものや)と呼ばれた古着、もしくは着物を引き解いた「解きもの」などを商う振り売りからも、当時相当数の繊維製品が流通していったようです。古裂古美術蓮も、取り扱いの裂を思えば現代の三つ物屋、などと思っています。古い染織品を引き解いて、「解きもの」を大切に整えます。三つ物屋に関しては今後も引き続き調べたり、知ってゆきたいことのひとつなので、時代の振り売りへの興味は深まります。
     
    写真は江戸期の端裂ですが(こちらはやわらかなちりめんと紬です。)、このようなちょっとした寸法の端裂も当時三つ物屋に扱われていたようですし、引き解かれたひとひらを購入することは庶民の女性たちの暮らしの中の愉しみであり、普段の心を明るくする日常の彩りとなったことでしょう。ひとひらだからこその工夫を愉しんだことと想像します。
    時代を経るごとにしだいに小さくなってゆく宿命の裂も、この熈代勝覧の中でいろいろな姿として見うけられます。雛売りの小屋に並ぶ雛の衣裳にみられる緋色も、今に遺された江戸期の裂に重ね合わせてその色を感じ取ることができます。
     
    今回の里帰りにあたり、2009年に「熈代勝覧」の複製絵巻を共同で制作し、東京メトロ「三越前」駅の地下コンコースにその設置をされた名橋「日本橋」保存会さんと日本橋地域ルネッサンス100年計画委員会さんが主宰され、江戸東京博物館学芸員の江里口友子氏を講師にお迎えして「熈代勝覧」についてのお話しを伺う特別共催セミナー、「熈代勝覧に描かれた江戸の暮らし」が開かれます。
    染織品関連には触れられない今回とは思いますが、日本橋の賑わいと喧噪、江戸の時間と文化が見てとれる「熈代勝覧」についてご興味をお持ちの方は、ぜひともご参加されてみてはいかがでしょう。
     
    名橋「日本橋」保存会 / 日本橋地域ルネッサンス100年計画委員会
    特別共催セミナー
    「熈代勝覧に描かれた江戸の暮らし」
     
    日時:3月16日(木)18:30~20:00
    (*1時間の講演後、質疑応答30分ほど)
    講師:江里口友子氏(江戸東京博物館学芸員)
    参加費:無料
    会場:日本橋162ビル8階(中央通り沿い、一階は奈良まほろば館)
    定員:100名 定員になり次第締め切り
     
    ご参加希望のお申込みは、
    ・「月刊日本橋編集部」03-6202-1221
    までお電話にてお申込みいただくか、
     
    ・「日本橋地域ルネッサンス100年計画委員会」
    ご担当者・高村様 takamura@nihonbashiplaza.co.jpまでメールにてお申込み下さいませ。
    どちらの場合もお申込み時に「古裂古美術 蓮のホームページを見ました」とお伝えいただければと思います。
     
    三月弥生の宵のひとときに、約200年前の大江戸日本橋の地に思いを馳せてみるのも愉しいことです。
     
     

  • 三月 弥生

     

     
     
    三月になりました。
    雛の季節はやさしい色彩や若草萌える色合いを身近によせてみたくなります。
    陽の光の暖かさに、水に関係した文様がそろそろ気になりだすのもこのころです。
    水面(みなも)の静。ゆるやかに揺らぐ流水文。
    やきものや染付、蒔絵などの絵付に見られるような楚々とした水草や沢瀉の文様の裂などを探してみたいものです。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。
     
     

2017.2

  • 若草色の海気入荷いたしました


     
     
    若草色、もしくは薄緑といえる色目の古手の海気が入荷いたしました。
    実物は写真よりももう少し緑が入った感じです。
    なかなか点数が探せない色目で、とても感じのよいものです。
     
    一幅タイプのもの
    幅  37,5~38,0 cm
    長さ 約98,5 cm
     
    前身ごろの形状のもの
    天の幅 約25,0 cm
    地の幅 約37,5 cm
    地から10,3cm~11,0cm上がった部分に
    縫い足し有りを含めた長さ ほぼ81,0 cm
     
    詳細はお電話かメールにてお問い合わせ下さいませ。
     
    完売いたしました。
    ありがとうございました。
     
     

  • 草木張月の二月になりました

     

     
    今日から二月です。つめたい冬の空気に包まれていても、あたりからそこはかとなく春の気配が感じられてくる月です。二月には草木の芽が張る草木張月(くさきはりづき)という美しい別名があります。
    草木たちは冬の間眠っているようにみえますがそうではなくて、自分が知る自らの最高の時季に向けて、内に持つ様々な成分をとても活発にその身に循環させている、もしかしたらとても忙しくしているのが冬なのかもしれません。草木張月になり芽が張りだす生は、複雑に美しい染め色を見せてくれるのでしょう。
    古い時代の草木からの色の美しさを目にしては、色の骨董、糸の骨董、などといった思いになりますが、裂の世界は今後どのように引き継がれてゆくのだろうなどと時折り思いつつ、忘れつつ、日々裂の傍にいます。一年で一番寒さの底です。二月をたのしみつつ皆様御自愛ください。
     
    *写真は朝の公園で見かけた枝垂れ桜です。三春の滝桜の子孫だそうです。
     
     

2017.1

  • 蓮の道草アップしました

                                                                                                                                  
     
     
    蓮の道草アップしました。
     
     

  • 1月の店舗営業日のお知らせ

                                                                   新年明けましておめでとうございます。
    本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
    この一年も味わいある古い裂を探してまいりたいと思います。
                                                                                             

    年明けは1月16日(月)より店舗営業いたします。
    お問い合わせ等ございましたら、お気軽にお電話かメールにてご連絡下さいませ。
                                                                    

                                                                    

    *1月の店舗営業日
                                                    
    16日(月)12:00-18:00     
    19日(木)     〃
    21日(土)所用のため12:00-16:30まで営業いたします。
    25日(水)12:00-18:00
    27日(金)     〃
    28日(土)     〃 
                                                                                                                                  営業日を追加させていただく場合はお知らせいたします。
                                                                                                                                                                                                 今年から新しく変更させていただきます営業日の日程がまだ整わずにおりますが、
    日にちをまとめてゆけるよう、今後つとめてまいります。
    どうぞよろしくお願い申し上げます。
    引き続きこれまでどおり、ご来店のご予約等お気軽にお問合せ下さいませ。
                                                                               

2016.12

  • ホームページをリニューアルしました

     

     

    ホームページをリニューアルしました。

    まだ整えきれていないところもありますが、徐々に調整してまいります。
    どうぞよろしくお願い申し上げます。

     

     

     

     

     

  • 新年営業のお知らせです

                                                                                                                                  新年は1月16日(月)から店舗営業いたします。

                                                                                                     来る年は思いきって、今まででいちばん遅いスタートになることを迷いつつも予定しました。
    お知らせの最初で触れましたが、来年より店舗営業日(開店日)の見直しを検討しております。

                                                                          古い裂を取り扱ううえでは、仕入れと、仕入後の裂を解きほどく、洗う等の作業がいつもとぎれずにあります。古い時代の染織品を整える仕事はいろいろな発見もあったりし、何より愉しいものですが、同時にひとつひとつとても時間の要る手作業でもあります。
    仕入れた裂を整えて店に並べることが追いつかないまま、次の仕入れが重なりゆくことがここ募ってまいり、裂を良い状態に整える作業が届かないうちふたたび翌月仕入へと、小舟の櫂を漕ぐこと繰り返しているわが小店。せっかくお運び下さるお客様、いつも申し訳ありません。味わいある小さなはぎれも、早めにご用意しご覧に入れたいものです。

                                                                                                                                  来年から仕入れとともに、裂を整えることにもとくに集中して作業を進めてまいりたく、模索しながらではございますが、店舗営業日(開店日)をできればひと月の中の日にちで決めることなどを検討しております。
    ご不便おかけして申し訳ございませんが、これまでどおり、ご予約いただけましたら営業日以外でも対応させていただきます。遠方からお越し下さるお客様も、どうぞお気兼ねなくお問い合わせ下さいませ。
                                                                                                                    古い染織品の世界はほんとうに愉しく、そして奥が深いです。その愉しさを、蓮から皆様に少しでもお伝えでき、お届けできたらというとおこがましいですが、営業日をまとめることで、かえってお客様にはご不便をおかけしないのかもしれないとも思案しております。
    裂のご紹介によりつとめられるよう、営業日が今よりわかりやすくお知らせできる形を検討しております。来年のこの宿題にはもう暫くお時間をいただきます。

     

     

    詳細はあらためてホームページからお知らせさせていただきますが、これまでどおり、お気軽にお問合せ頂けましたら幸いです。
    来年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2015.4

  • 『工芸 青花』第2号に江戸時代の縫い糸をご紹介いただきました。

     

    『工芸 青花』第2号(新潮社より3月30日発刊)に江戸時代の縫い糸をご紹介いただきました。(タイトルは「昔の糸」です。)

    工芸青花|kogei-seika – 新潮社 –
    » http://www.kogei-seika.jp/

    本体となる素材段階の染織品が、衣服などの形状を成し得て完成品となるにあたっては、その縫製に適う縫い糸が使用されます。
    縫い糸は華やかに目をひく刺繍とは異なり、表から見えないことが前提の脇役をつとめるものですが、本体と同様に時代の染めがほどこされていることにかわりありません。江戸時代の縫い糸が見せてくれる色彩には独特の深みと透明感があり、その色からは、草木や花のなごやかな気配が感じられるようです。
    美しい染めの小品を、皆様に御覧いただけましたら幸いです。

    *『工芸 青花』第2号につきましては当店にても販売させていただきます。
    御購入をご希望の場合は当店までご連絡を頂くか、
    上記「工芸 青花」ホームページより直接お問合せ下さいませ。