江戸期の細縞の葛布と小格子木綿裂

 
今年も残すところ、あと数時間となりました。
扱う古裂を整える上で店も自宅もホコリが目立ち、マスクをつけてそれぞれの大掃除らしきものをやっと済ませました。
お正月の花を買い求め、小さな鏡餅には裏白(ウラジロ)とゆずり葉を敷いて、
一番上に重たそうな蜜柑を置きました。昨日のことです。
簡単でもお正月飾りをして、もう一度お使いに外に出ると、夕方の大気の冷え込みが気持ちよく感じられ、暮れゆく年といったことが浮かんでは消えました。
 
今年は秋に艸ノ会にて、古裂古美術蓮初めての企画展をおこなうことができました。たくさんの方にお越しいただき、皆様に心より感謝いたしております。
ほんとうにありがとうございました。
また、24周年の記念に小冊子『裂のほとり』を発行することができました。
A5横サイズ、P.20のささやかなものですが、お蔭様でご注文をいただいて、
ご希望の方のお手元に運ばれています。お送りさせていただくここにも宿る感謝です。
 
これから来る新たな一年も、いっそう古い裂に学びたいと思います。
美しいひとひらに出合えますよう、皆様にご紹介できますよう、歩みたいと願っております。古い染織の世界はまだまだわからないことが多くあります。
来年も古裂をどうぞよろしくお願いいたします。
皆様どうぞよいお年をお迎え下さいませ。
 

2017.12.31

古裂古美術 蓮
田部浩子