2019.3

  • 桜咲く

     

    浅葱麻地段替り型染被衣解きもの 江戸時代


    東京で桜が咲きはじめました。
    夜の帰り道に咲く桜は、風に枝が揺れていて、まだ肌寒くて、少しだけ咲いている。
    こんなふうにひとりで見る桜が一番心に届く気がします。
    風が吹く夜の桜は、ひっそりと何かを物語っていていいものです。

     

     

     

     

  • もうすぐ名古屋にて展示会です

     

    綸子地春草模様描絵裂


    ずいぶんと春めいてまいりました。
    名古屋の月日荘さんでの展示会まで、あと少しとなりました。
    しだいに緊張しつつも、お持ちする古裂を愉しみに日々整えております。

     

    インスタグラムにて、出品の裂たちをご紹介させていただいております。
    御覧いただきまして、皆様ありがとうございます。
    引き続き、御覧いただけましたら幸いです。

     

     

     

     

     

  • 弥生 三月

     

    裂のほとりⅣ -名古屋 月日荘にて-


    三月になりました。
    天候が少しずつ変化してきて、何となく大気にもやがかかったような、春が忍び足で近づいてきています。
    出張から戻り、昨日あわててお雛様を飾りました。江戸期の越谷段雛に憧れて、自作したお雛様です。桃の花を買いそびれています。蕾が残っている枝ぶりのもの、はたしてまだあるでしょうか。

     

    今月は名古屋の月日荘さんにて展示会をおこないます。只今裂の準備に入っており、できるだけ良好な状態で御覧いただけるように、自分流ですが、裂を整える作業にいそしんでおります。ごく小さな断片裂もお持ちいたします。裂は不思議と小さくなればなるほど、その裂が持つ個性というか、魅力が前面に感じられる場合があるようです。小さな断片裂は、資料の点でもほんとうに愉しい世界です。古裂の愉しさをいろいろと御覧いただけましたらうれしいです。

     

    月日荘さんで開催する頃は、今よりもっと春めいていることでしょう。
    あわただしく過ごしつつも、身近な草木や大気から、季節の移ろいを感じたいと思います。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。