
溜池山王で見かけた小さな枯野
少しずつ、陽の光りが力を増してきたように思われます。
豆撒きの節分が近づいてまいりました。江戸時代には、節分前のこの時季、町中に振り売りの柊売りが歩いたそうです。振り売りとは今でいう行商です。
節分の夜、鬼を追い払うために家の門口に柊と鰯の頭、豆がら等を挿しますが、江戸時代の振り売りは、柊と赤鰯二匹と豆がらのセットで、幕末の価格で八文ほどで売り歩いたといいます。さかのぼった「蓮の道草17 季節と江戸時代の振り売り」にその散文を記しています。お暇なとき、もしよろしければ御笑覧下さいませ。
写真は先日溜池山王界隈で見かけた枯野です。冬の陽に燦々と照らされて、土の中は暖かそうに見えました。一面枯草のようですが、所々に草の若芽がかすかに萌え出でており、何となく鶸色(ひわいろ)めいた枯野であることが御覧いただけるでしょうか。
鄙びた古裂の色を思い浮かべました。