瞬く間に二月が終わろうとしています。
今月は、引き解いた裂を洗い整えてアイロンがけをする作業をこんこんと続けておりました。洗えるものと、そうでないものを見極めて作業をするのですが、汚れが落ちますと麻織物などは質感が蘇り、染め色も冴えてきて、目にも掌にも清々しいものが感じられます。それらの古裂を室内に広げていると、あらためて日本の色が持つ繊細な美しさや「色」の力といったものに気付かされます。古い裂の魅力ある色彩と対話しながら、また様々な古裂と出会ってゆきたいと思った今月です。
道端で紫陽花の枝が芽吹いているのを見かけました。うちの鉢植えの銀杏は、まだ芽吹いておりません。春が来て、これから辺りの風景が変わり始めます。
まもなく三月です。