2024.6

  • 水無月 六月

     

     

    夜明けの蛍袋。

     

    六月も後半になりました。
    一年の半分が過ぎ、六月三十日は夏越の祓です。この半年間の穢れを祓い、残る半年間の無病息災を願います。三十年ほど前からご縁のある神社が、夏越の祓と年越の大祓が近づく頃に形代をお送り下さるので、その郵便物が届くと、もうその頃かと一年の節目を迎えることに気付かされます。和菓子屋さんに並ぶ、しこしことした歯触りの美味しいみなづきは、以前は六月末日まで買わないでいたのですが、この頃ではそんな心意気も薄まって、時季の早いうちからいそいそと足を運び、包んでもらってしまいます。甘いものの引力には、ころっと引き寄せられてしまいます。それでも六月に入らないうちはと、和菓子屋さんを横目で眺めては通り過ぎることにしているのです。梅雨が終われば今年も暑い夏がやってまいります。この時季、どうぞ皆様も御身体にお気をつけてお過ごし下さい。

     

    Instagramでもお知らせのとおり、7月5日(金)、6日(土)、7日(日)の3日間、店舗にて、【特集の日】を初めておこないます。今ではあまり出逢わないような可愛い文様、洒落た文様の小さな端裂を、期間中たくさん並べます。小さな額装にも愉しめます。この裂たちは縁あってここ数年前から手元にやってきたものたちです。その裂をようやく整え終わり、この度特集の形でご紹介させていただきます。木綿の風合いの素敵なものがいろいろとございます。是非お気軽に御来店下さいませ。

     

    そろそろ七夕の季節もみえてまいりました。
    暦は進んでまいります。
    引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

  • Instagramにアップいたしました 濃紺地蛇の目傘尽し文様錦裂

     

     

    濃紺地蛇の目傘尽し文様錦裂 江戸末ー明治
    19世紀 色糸は天然染料による色彩

     

    雨の水無月です。
    Instagramにこちらの裂をご紹介させていただきました。どうぞ御覧下さい。

     

    濃紺地蛇の目傘尽し文様錦裂
    江戸末―明治時代 19世紀
    幅約19,0cm 長さ約23,0cm
    “Janome”umbrella pattern
    19th century late Edo period-Meiji period
    Silk

     

    この裂を初めて目にしたとき、思わず驚きの声を上げてしまいました。文様の楽しさも勿論ですが、この色とりどりの色彩、この織物に使われている色糸は、全て天然染料によるものと思われます。紫外線を当てると蛇の目傘の黄色と桃色の部分には蛍光が出ます。この色は黄檗と紅花染めによるものと思われます。緋色部分は紅花染めではなく茜染めでしょうか。全体の色彩がいきいきとしています。
    お気軽にお問い合わせ下さい。詳細をお送りさせていただきます。

     

    こちら御売約となりました *Sold
    ありがとうございました。