2025.1

  • 霜月 一月

     

    利休間道風の千鳥格子の紬裂 明治ー大正
    焦茶地無地紬裂 江戸末

     

    年の初めの一月が終わります。
    冬の寒さが続くものの、お花屋さんの店先には、春の花がたくさん並ぶようになりました。お正月の松が取れてからは、雪柳をずっと続けて店のガラス瓶に入れておりました。雪柳は花の散り際がまさしく雪のようですね。その後黒文字の枝を求め、昨日は柊の枝を選んできました。一月が終わると、もう節分が間近です。節分の日が一年の境、一年の最後となるそうです。

     

    今年も何か企画をと、いろいろと思いを巡らせております。皆様にお楽しみいただける古裂の世界を、この一年もご紹介させていただけますように。
    まもなく二月です。

     

     

     

     

  • Instagramに商品をご紹介させていただきました「利休間道風の紬ほか」

     

     

    利休間道風の紬ほか
    江戸末~明治・大正 19-20世紀初

     

    Instagramに商品をご紹介させていただきました。どうぞご覧下さいませ。

     

    店の花に、黒文字を求めました。
    黒文字は枝を手折ると、とても芳しい香りがしてきます。その香りでふと、黒文字にはどんな裂が似合うだろうと思い、合わせてみた裂がこちらです。
    その名からも、お茶のことが思い浮かばれました。こちらの裂は利休間道を思わせる、ごく細かな千鳥格子の紬の裂です。明治末〜大正頃と思います。この裂は仕覆の裏裂次第で表情がいろいろに変わり、品良く上質でとても愉しめます。風合いのよい焦茶色の無地紬は江戸末頃と思われます。手紡ぎ糸の、紅花染めの淡い桃色の無地木綿は、江戸末〜明治初頃の裂で、その色彩がほかの二点の裂に似合います。浅葱色の木綿の色糸は、あえて僅かに残しています。時代の縫糸についてのご説明を、お客様にお伝えさせていただく時があるからです。

     

    画像は私が思う、二月をイメージしたような裂地の組み合わせとなりました。黒文字の枝先の芽がほの明るんでいるのが、早春を呼ぶようでよいのです。もしも弊店にすごく小さなショウウィンドウがあるとしたら、今はこんな感じの店先にしたいと思います。冬の終わり、豆撒きの節分を待つようなイメージです。

     

    ご興味ございましたら、裂のコンディションや価格の詳細はどうぞお問い合わせ下さいませ。

    店頭の裂ですので、営業時間(通常12:00~18:00)にお電話にてもお気軽にお尋ね下さい。

     

    【商品】
    千鳥格子の紬裂 明治〜大正
    約36、5cm×70、5cm
    約36、5cm×71、0cm

     

    焦茶色の無地紬裂 江戸末
    約23、0cm×69、5cm

     

    紅花染め木綿裂 江戸末
    画像のもの 約15、5×110、0cm 御売約となりました *Sold
    *画像の紅花染め木綿裂はほかにも若干枚数ございます。

     

  • Instagramに商品をご紹介いたしました「木綿茶地格子裂」「木綿藍地霰文様型染裂」

     

     

    木綿茶地格子裂 木綿藍地霰文様型染裂
    幕末ー明治 19世紀

     

    Instagramに商品をご紹介いたしました。どうぞご覧下さいませ。

     

    木綿茶地格子裂は丹波布ではありませんが古手の格子木綿で趣があります。こちらは裏に古い和紙が貼られておりましたが取り除きました。剥がしきれない和紙が少し残りましたが、手触りなど表側にとくに影響しておりません。古い木綿ですので場所によっては傷みもみられますが、ぐい呑み等の仕覆にお使いいただけると思います。サイズは織幅約32,5cm、長さ約32,5㎝です。

     

    木綿茶地格子裂 幕末~明治初 19世紀

    こちら御売約となりました。*Sold
    ありがとうございました。

     

    木綿藍地霰文様型染裂は6枚ございます。約16,0cm×33,4cmの小さなサイズで、襦袢の一部に使われておりました。霰文様は冬や早春に季節の文様として可愛らしく素敵です。額に入れて愉しまれたり、寸法が足りましたら短冊掛けや小さなものの表具にも向くのではと思います。
    価格と詳細はお問い合わせください。霰文様はお好みの点数を承ります。

     

    木綿藍地霰文様型染裂 幕末~明治 19世紀 6点
    6点御売約となりました。*Sold
    ありがとうございました。

     

  • 蓮の道草80 アップいたしました 「年の初めに」

     

     

    浅葱色の麻を洗う
    経緯手績み糸 江戸後期

     

    蓮の道草80をアップいたしました。お暇なときにでもご覧頂けましたら幸いです。

    こちらはInstagramにも投稿させていただきました。お正月も過ぎて、春はまだ訪れない、このしいんとした「間」の季節が私は一番好きな季節であり時間です。

    そんなことを書きました。

     

    明日1月14日㈫から通常営業いたします。

     

     

     

     

    冬の水仙

     

     

    この日の雑木林

     

     

    ひなた

     

  • 新年明けましておめでとうございます

     

     

    黄地草花文様ヨーロッパ更紗 
    フランス 19世紀初頭

    新年明けましておめでとうございます。
    新たな年を迎え、東京は穏やかなお天気のお正月となりました。
    元旦は、鋏を持たない、糸を切ることをしない、お正月にお迎えした福の神様との御縁も切ってしまうからと、いつの頃かに祖母から聞かされたことでした。古い裂を扱う仕事をする中で、縁起を担ぐ祖母のその言葉が淡く思い起され、毎年元旦は裂を解くことはしないのです。
    二日目の本日は、少しばかり仕事始め…というよりも、やはり裂に触れていたく、手元のさりげない裂の写真を撮ったりし、まだ手入れしていない入荷の裂に風を通したりいたしました。降り注ぐ初春の陽射しに、一年がまた巡ることを想いながら。

     

    本年も味わいのある素敵な古裂と出逢うことができ、皆様にご紹介させていただけますよう、この一年も古いものに勤しんでまいります。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
    新年は1月14日(火)から通常営業いたします。