2020.4

  • 花を買う

     

     

    瑠璃唐綿(るりとうわた)

     

    東京がこの現状となってから、2週間と少しが経ちました。
    外出や移動の自粛が呼びかけられている今、私も住いで裂の作業と裂のことで、ぱたぱたと過ごしております。いつも何かをし続けてしまうというのが、自分の普段からの過ごし方なので、時間自体にあまり変化は感じられず、一日がとても短いです。

     

    郵便局など所用で外に出るときには、決まって近くのお花屋さんの前を通ります。気分的にも今室内に花が在ってほしいので、ちょっとのぞいてみるのです。
    近くのお花屋さんは、山野草などの和花はなかなか見かけず、たいていは洋花です。一番好きなホタルブクロが、季節に並んでくれたりするとうれしいのですが。

     

    今日お花屋さんでブルースターを買いました。うぶ毛に覆われた、写真の花です。調べてみると、和名を瑠璃唐綿(るりとうわた)というそうです。うぶ毛が綿のようだからでしょうか。瑠璃の文字からつい連想して、美しい瑠璃→正倉院のガラス碗→ペルシャ→砂漠のらくだ、ときて、この澄んだ水色の瑠璃唐綿の花に、らくだの姿を呼びよせてしまいました。この花に居てもらいながら、午後も仕事を続けます。

     

     

     

     

     

  • 藍染めの無地木綿

     

     

    藍染 無地木綿 幕末

     

    写真はインスタグラムに投稿した幕末頃の藍染めの無地木綿です。
    この裂は折り込まれていた両端の部分に藍の色が色濃く残り、それ以外は使用によって自然にさらされ、染め色が淡くなっています。どういう使われ方をしたのか、布団の一部分だったのでしょうか。裂を手入れする間はずっとその色彩を目にしているので、色の効果というのか、気持ちがしだいに鎮まってゆくそのことを、これまで幾度となく感じてきました。少し大きく言えば、“森林浴”に近いような、緑の中を歩いているような、それに通ずる和むものが、草木からの色にはやはりあります。色の存在は不思議で美しいです。

     

    様々な不安がよぎる日々が続いておりますが、どうぞ皆様もおだいじにお過ごし下さいませ。ゆっくりペースかもしれませんが、HPの商品紹介やインスタグラムにて、古くて愉しいものをまたご紹介させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

     

  • 「青花の会骨董祭2020」延期のお知らせ

     

     

    雨の日の桜

     

    6月に開催予定の「青花の会骨董祭2020」は、新型コロナウィルス感染拡大の実情を受け、開催日時が延期となりました。古裂古美術 蓮では、今回も出展させていただく運びにて小企画展を準備しておりましたが、今後の機会に更にあたためてご紹介させていただければと思っております。

     

    延期後の開催日程等につきましては、今のところまだ未定とのことでございますが、当店からお知らせできることがございました折りには、あらためて御覧いただけましたら幸いです。 出展を気にかけて下さっておりました皆様には大変申し訳ございません。何卒よろしくお願い申し上げます。 どうぞ皆様におかれましても、くれぐれも御自愛されてお過ごし下さいませ。

     

     

     

     

     

  • 卯月 四月

     

     

    銀座の数寄屋橋交差点に咲くクリスマスローズ

     

    四月になりました。
    新年度の今日、東京では冷たい雨が一日中降り続きました。銀座の数寄屋橋交差点にある交番前には、一本の大きな桜の木があり、今年も見事に咲いているのですが、その桜の根元に、自然に増えていったように見えるクリスマスローズの花が、今たくさん咲いています。交番のおまわりさんにお断りして、写真を撮らせてもらいました。正午頃でしたがあきらかに人の少ない銀座です。4人のおまわりさん達は交番前にずらっと並び、あれこれと世間話をしているようでした。写真を撮り終えてひと言御礼を言うと、おまわりさん達はぴたりと話をやめ、白いマスクの上に見える目は皆揃って笑っており、頷いてくれました。平和なひとときでした。

     

    東京都の新型コロナウィルス感染拡大を予防する観点と現在の状況から、四月の開店日を変更させていただきました。大変申し訳ございません。このようなことになるとは思ってもみませんでしたが、今後も状況を考慮しながら予定を更新させていただきたいと思っております。
    なお、お店の営業はお休みさせていただいておりましても、裂の作業で店に出ていることもございますので、何かございましたらお気軽にお電話下さいませ。
    今後は少しずつ古裂を商品紹介のページにアップできるようにと考えております。さくさくと作業が進められなく、いつも申し訳ございません。愉しい裂も仕入れてございますので、整えましたら、ぜひまたご紹介させていただきたいと思います。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。