昨日東京は二月らしい寒さになり、冷たい北風が吹きすさぶ一日でした。
強風で雲も飛ばされ、晴れ渡った空は広く蒼く、その空を見上げながら、終わろうとしているこの二月のひと月を思い返しました。節分が終わると暦の上では春になる。でもまだ春は名のみで、そうした季節の浅さ、淡さが、ひと月の中にずっと漂っているような気がします。そしてひと月の間中、時折どこかでぱらぱらと豆撒きの音がしているような、そんな御伽めいたことも思えてしまうのです。二月は凍てつく大気の中に自然界の様々な気配が感じられるようで、辺りもしんと静かなようで、私は二月というこの時間枠の中にいることがとても好きです。その二月ももう過ぎてゆきます。
先月出かけた京都出張の日は、粉雪と風花の舞う一日でした。
帰路の新幹線に影響が出ることが気がかりでしたが、そこまでにはならずひと安心。翌朝宿泊先のホテルのカーテンを開けると、窓のフェンスに雪が少し積もっていました。画像はその時の写真です。
この出張では仕入れのほかにだいじな用件があり、その用事の後、暫く京都の街の中を歩きました。傘をさすまでもない雪の舞う、薄日さえさしている、これは風花。ふわふわと、羽根にも似た風花の舞う冷たい空気の中、長い時間歩き続けました。
まもなく三月です。