Forever Saul Leiter
「永遠の ソール・ライター」展
東京・渋谷 Bunkamura ザ・ミュージアム
7月22日(水)~9月28日(月)
会期中に間に合い、やっと観てまいりました。
2017年に東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで日本初の回顧展が開催され、今年1月に再び日本で「永遠のソール・ライター」展が同じく渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムにて開催されましたが、思いがけないコロナ禍の影響により開催中止となってしまいました。その展覧会が幸いにも急遽アンコール開催の運びとなった今展です。
写真家ソール・ライターは1923年12月にアメリカ・ペンシルバニア州ピッツバーグで生まれ、2013年11月にニューヨークにて享年89歳で此の世を去りました。ニューヨークのアパートの同じ部屋に60年以上暮らしたというソール・ライター。彼の撮る雪の日のニューヨークの街や誰の日常にも在る時間、窓ガラスに映る人影や人びとの後ろ姿、それらをみつめる彼のまなざしを写真を通して体感していると、刻み続ける「時」の存在を感じるとともに、何かソール・ライターの心に映る心象風景、語ることはしない自身の背景、ソール・ライターに常に通底している波長のようなものが、こちら側にも通じて静かに流れ込んでくるような、そんな感覚を受けるのです。そしてソール・ライターの遺した言葉には、冬の星々のまたたきのような澄んだ美しさが在ります。
We live in a world of color.
We’re surrounded by color.
私たちは色彩の世界で生きている。
私たちは色彩に囲まれているのだ。
「色」の存在について想うことの多い私は、この言葉がとても心に響きます。
I happen to believe in the beauty of simple things.
I believe that the most uninteresting thing can be very interesting.
私は単純なものの美を信じている。
もっともつまらないと思われているものに、興味深いものが潜んでいると信じているのだ。
ソール・ライターの心根の言葉、
ふたつとも本展図録からの言葉です。
ソール・ライターの遺した膨大な作品資料はライターの遺言によって財団に託され、今なお新発見の作品の整理が続けられているそうです。
私の拙い言葉を並べてみても何もお伝えできないのですが、「永遠のソール・ライター」展は9月28日(月)が最終日です。混雑が見込まれる連休中の日程の入場方法等については、会場にご確認されたほうがよろしいかもしれません。