咲き終わったアヤメを摘むと指先が紫色に染まったので、そこにあった和紙に摺ってみると、とてもきれいな色紙になりました。どこに見せる気もなくくしゃくしゃと摺ってしまったのが少し残念です。
このアヤメは花が咲くところを偶然みることができました。机で仕事の作業中、視界に何か動くものが感じられたので顔を上げると、目の前に挿していたアヤメの左側の花弁がピン、と中心から離れて揺り動き、ゆっくりとゆっくりと、横に広がり咲き始めたところでした。お祭りのような嬉しさでした。花が咲くところに立ち会えたのはこれで二度目です。花が咲く時、花はとても力を出していることが感じられます。
最後に和紙に色に来てもらい、たった一度の時を見せてくれたアヤメにはまだここにいてもらいます。