2021.6

  • 六月が終わります

     

     

    白麻地籬鉄線模様帷子断片 
    江戸時代 19世紀

     

    明日は六月三十日。夏越の祓です。
    今年後半の無病息災を祈願して、みなづきをいただく日です。
    もうすぐ初蝉の聲がするのでしょう。

     

    写真はごく小さな断片裂で、花の一部分だけ残っておりました。
    蔓があるので鉄線のようですが、このような葉のものもあるのでしょうか。
    昨日手洗いしてきれいになり。
    こういうこまかなことをいつまでも続けていて、時計の針の音だけが聞こえている。
    明日から出張です。

     

     

    *三十日は明後日でしたね。
    明日二十九日から出張です。

     

     

    *こちらの断片裂は商品紹介にアップしていない店内のものですが
    お問い合わせをいただきまして御売約となりました。
    ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 「文様の美 展」DM メイキング

     

     

    「文様の美」DMメイキング

     

    9月に銀座の月光荘画室2にて、古裂の展示会 裂のほとりⅦ「単色の美 展」「文様の美 展」を開催いたします。この度は会期を前期と後期に分けまして、「単色の美 展」と「文様の美 展」のそれぞれ異なる企画展を予定しております。

     

    写真は後期 「文様の美 展」10月 1日(金)-2日(土)のDMのメイキング。
    只今DMを作成中で、掲載候補の古裂を並べて撮っていた時のひとコマです。今展では「文様」の存在に焦点をあて、魅力的な文様とその表現をご紹介いたします。

     

    出展予定の写真の古裂
    茶地亀甲繋ぎに鶴丸文様能装束解き裂 江戸時代
    淡い茶地に緑の亀甲繫ぎと鶴丸が織り表されている能装束の解き裂です。襟の部分だったのかもしれません。使用された証しの表面が摩耗して消え入りそうに見える鶴丸の部分があり、時代が感じられて良い雰囲気です。実物の茶地は写真よりももっと淡い色目です。

     

    浅葱麻地薄文様型染裂 明治
    薄(すすき)が全体に型染めされた、経緯手績みの麻(おそらく大麻)の作品です。こちらは3幅と、衽部分を継いでひと幅としたものが合わされて4幅の形になっているものです。会期が近づきましたら、改めてご紹介させていただきます。

     

    時代の古裂をできるだけ最良の状態で御覧いただけますよう、9月の展示会に向けて、裂を整える作業にいそしみます。愉しい文様の古裂、美しい文様の小さなはぎれ。会期が近づきましたら、展示会のご連絡事項を含めましてご紹介させていただきます。
    どうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

  • 「単色の美 展」DMメイキング

     

     

    「単色の美 展」DMメイキング

    単色の古裂 江戸時代
    左より 緑地木綿裂・緑地紬裂・鶸色平絹・茶地麻布・灰白色麻布・袈裟解き等

     

    9月に銀座の月光荘画室2にて、古裂の展示会 裂のほとりⅦ「単色の美 展」「文様の美 展」を開催いたします。今展は会期を前期と後期に分けまして、それぞれ異なる企画展を予定しております。

     

    写真は前期「単色の美 展」9月28日(火)―29日(水)のDMのメイキング。
    現在DMの作成中で、掲載候補の古裂を様々並べて撮っていた時のひとコマです。写真はいつも自然光だけで撮り、自分で撮影しています。「単色の美」は江戸時代の絹、木綿、紬、麻を中心に、単色の古裂のみで展開する企画展です。染織品の色目がなかなか実物どおりに撮れないことが多い中、各環境によって見え方は異なるとは思いますが、今回のこちらはほぼ実物近くに撮れております。 時代を経た天然染料の草木からの色がほんとうに美しいです。色彩の世界を想うとき、色の美しさが日本の美に通底していると思えます。

     

    出展予定の写真の古裂  江戸時代
    緑地紬裂、鶸色(ひわいろ)の平絹、こちらはきものだったようで、解き裂で入手。茶地の麻は袈裟解きです。こちらは袈裟には珍しく田相部分も葉も縁も紐座も全部引き解かれ、全ての裂に厚みのある固い和紙が裏打ちされた状態で出てまいりました。江戸中期頃あるような気がしています。裏打ちは固すぎたものでしたので、先々の保存を思い、裂を整える作業中丁寧に外して裂だけの状態に戻しました。灰白色の麻布は江戸時代の裃を解いたもので、とても綺麗な色目です。茜で染められたと思われる鮮やかな赤の木綿は、裏裂が欠損していた江戸後期の刺繍の帛紗の芯に使われていた裂です。抜群の色のコンディションを保っております。最後はごく浅い色をした浅葱色の麻のはぎれです。繊細です。

     

    時代の古裂をできるだけ最良の状態で御覧いただけますよう、9月の展示会に向けて、裂の作業にいそしみます。あっという間に秋が来そうですね。美しい古裂、会期が近づきましたら展示会のご連絡事項を含めまして、ホームページに更新してまいります。
    どうぞよろしくお願いいたします。

     

     

     

     

  • 蛍袋

     

     

    蛍袋 咲く

     

    雨の季節、蛍袋が咲いています。
    一番好きな花です。
    水の流れの傍では そろそろ蛍が舞うでしょうか。

     

     

     

     

  • 水無月 六月

     

     

    明治頃の紅花染めと思える木綿を水洗いする。

     

    六月になりました。
    早くも一年の折り返し地点です。 六月三十日は夏越の祓い。この日は今年後半の無病息災を願いながら、みなづきをいただきます。氷室の氷を表したという三角形のういろうに小豆をのせた、ほどよい甘さのしこしことした歯触りのみなづきは、飽かずに何度でもいただいてしまいます。もうデパ地下の和菓子屋さんに並んでおります。もう、というよりもこのみなづき、今年はすでに春先から店頭に並んでおりました。和菓子屋さんは季節のお菓子を売るはずなので、そのことを少し残念に思いながら、ケース越しのみずみずしい三角形を眺めて梅雨の六月を想ったものです。もう六月に入ったので解禁?し、次回はいそいそとみなづきに直進です。

     

    銀座と金沢にてこの秋開催予定の「裂のほとり」展示会のDM作成に取りかかっております。
    古裂を最良の状態で御覧いただけますように、展示会に向けて、裂を整える作業を続けてまいります。裂のほとりが愉しいひとときとなりますように。
    今月もどうぞよろしくお願いいたします。