ことん、と気温が下がり、ずいぶん涼しくなりました。日射しも、とくに夕方には、もう秋だなと思えます。
先日道端でとても好きな玉すだれの白い花を見かけました。店が原宿に在った頃は、ベランダにいくつもの山野草を持っていて、その中には玉すだれもあり、毎年花を楽しみに眺めたものです。
植物には幼い頃の想い出と重なるものが多くあります。玉すだれの花も、幼い頃遊んだうす暗い通り道の塀の脇に、いつも季節になると咲く花でした。とりたてて目立つ花ではないことが、子供心にもわかりましたが、何か静かな女のひとのようで、その花が咲いている間は、塀の道を玉すだれを見ながら自分も静かにして通った記憶があります。大人になり、この花の好さがわかるようになってから、秋の訪れを知らせてくれるこの花のことがとても好きになりました。やはりもの静かな女のひとのように思えることは、今も変わりありません。
麻地格子に銀杏文様の型染は、秋の季節を映して染めあげられたものでしょうか。
10月の展示会の準備を進めております。
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